2021-01-01から1ヶ月間の記事一覧
コロナ禍の推移について素人があれこれ言えることは少ないと思っています。それでも過去を振り返ってどこが問題だったのかを考えることはできます。東アジアの国々における感染抑制の政策と比較してみると、やはり日本の「敗因」はPCR検査数の抑制と「Go To…
むかし「ハエ取りリボン」ってのがありました。若い方にそう言ったら「なにそれ?」と言われましたが、たしかにもう長い間お目にかかっていないような気がします。というか、都会ではハエ自体がほとんどいなくなりました。私は虫がやや苦手なので、正直あま…
ドラマ好きの同僚から「面白いよ、まだ間に合うよ」とお勧めされて TVer で見た『俺の家の話』第一話。能楽「観山流」宗家一家のお話で、ところどころに能楽が出てきて確かに面白かったです。www.tbs.co.jp「観山流」というくらいだから観世流の「もじり」か…
通訳者として仕事に望むとき、よくクライアント(お客様)、あるいはクライアントのスピーカー(話し手)の姿勢にいろいろ難儀していました。通訳という作業は事前の予習が不可欠であるにも関わらず、その予習をなかなかさせてもらえないというのが難儀して…
華人(チャイニーズ)のメールやLINEやチャットの返信は日本人より格段に速い。留学生クラスで「自分の国と日本とで、違いを感じる風俗習慣は何ですか?」と聞いたら、日本人は返信が遅いという答えが返ってきたという問題。別の華人留学生クラスで聞いてみ…
中国語に“入鄉隨俗”という言葉がありまして、日本語では「郷に入っては郷に従え」などと訳されます。華人留学生の通訳クラスでこの言葉が出てきたので、「みなさんが日本で、自分の国とずいぶん違うと思った生活習慣は何ですか?」と聞いてみました。会社の…
「環境に優しいトラムが復活すればいいなと思います」という部分を最初 “toivon että ympäristöystävällisten raitiovaunujen elvyttämisen” と “että(英語の関係代名詞的な “that” にあたります)” 以下を名詞句で書いたのですが、添削では「動詞がないで…
むせかえるほど濃密で圧倒的な存在感を誇る緑のジャングルに囲まれ、茶色い泥水が滔々と流れる巨大な川に面した架空の街、サンクリストバル。その街に出没する子供たちの集団は、理解不能の言語を話し、スーパーを襲撃し、街の人々を混乱に陥れた上、突然全…
能楽喜多流能楽師の金子敬一郎師が、能楽とプロレスの共通点についてツイートされていました。能とプロレス。ずいぶん畑違いに見えるかもしれませんが、舞台上・リング上での演者同士・選手同士の駆け引きは似ているものがあると思っています。— 喜多流 能楽…
昨日はバイデン米大統領の就任式ライブをちょこっとだけ見て、そのあとレベッカ・ソルニット氏の『それを、真の名で呼ぶならば』をパラパラと読み返していました。以前も書きましたが、この本に収められた「無邪気な冷笑家たち」が改めて心にしみます。専門…
早朝、出がけにメールをチェックするためにパソコンを開けていたら、バイデン氏の米大統領就任式、そのライブ映像が目に留まりました。ちょうど Andra Day 氏が “Rise Up” という曲を歌っているところで、BLM(Black Lives Matter)が大書されたあのホワイト…
読み始めたら止まらなくなり、一気に読み終えました。読みながら何度も驚き、ちょっと怖くなりさえしました。まるで自分のことが書かれているようだったのです。著者の増田みず子氏は私よりも一まわりから二まわりも年上の女性で、これまでの経歴も環境も違…
もうひとつ、渡辺恭二氏の発言集『幻のえにし』で、社会や政治の問題について述べているインタビューが心に残りました。渡辺氏は数年前に出た『さらば、政治よ: 旅の仲間へ』でも個人が政治にどう関わるかについてかなりシニカルなスタンスで語られていまし…
渡辺京二氏の発言集『幻のえにし』を読んでいたら「モノは人間を豊かにしてくれる」というお話がありました。 モノというのは、よく清貧とかなんとか言うけれど、人間にとって、自分が来ているシャツが気に入っているとか、着てて気持ちがいいとかは、実はと…
外語の作文をするときには「割り切り」が必要だと思います。なにせ、外語の能力が低いから作文をして少しでも上達しようとしているわけで……、①こんな幼稚なことを書いて笑われないかしら、という気持ちを捨てる「割り切り」。②本当はもう少し細かいニュアン…
Twitterを使い続けて十年あまり。時に放置したり、時に依存症気味になったりの濃淡はありましたが、毎日のように利用してきました。それでも最近は情報を入手するのが主で、自分からつぶやくことはかなり少なくなりました。こうやってブログに文章を書いてア…
マルクス経済学のとある研究者が、夏休みに数週間ほど離島でバカンスを過ごしていたら、その間にソ連が崩壊してしまっていた――。若い頃、知人に聞かされた笑い話です。スマホでインターネットに常時接続してニュースに接するなんて、まだ誰も想像すらしなか…
先日Twitterで見かけたすてきなエピソードを元に作文をしてみました。フィンランド語教室の先生によると、『ムーミン』は日本ではどちらかというと子供向けの童話という扱いですが、フィンランドではむしろ大人向けの思想書・哲学書という位置づけなんだそう…
1990年代の前半に、私は熊本県の水俣市で仕事をしていました。仕事をしながら農作業の真似事みたいなこともしていて、現代でいうところの「Iターン就農」みたいなのを30年前にやっていたわけです。結局私は田舎の閉鎖的な人間関係や因習みたいなものに嫌気が…
「こんなたちの悪いウイルスは経験したことがありません」。神戸大学医学研究科感染症内科教授の岩田健太郎氏がご自身のブログでおっしゃっていました。「人々を油断させ、『ただの風邪』だと思わせ、世界中に、そして日本中にウイルスを撒き散らし、確実に…
新年最初のフィンランド語教室は、これまでの復習ということで問題集をみんなで討議しながら解きました。“Suomen Mestari”という教科書に入っている問題集です。解いたのは“Valitse oikea objekti.(正しい目的語を選びなさい)”というもの。これは素晴らし…
「WeTV」の動画に日本語字幕がつくようになったーー。先日、Twitterでそんな情報に接しました。すごい…ついに腾讯视频の国際版「WeTV」に日本語字幕が付く日が来たよ...最近放送スタートした中国ドラマをこんなに早く字幕付きで観れるなんて感動しかない……ま…
日本の文化は、わび・さび・萌え。落語家・柳家喬太郎氏のネタです。ところが最近はこの「萌え」がすでにして古い言葉になり、いまは「推し」であるよし。なるほど、確かに「萌え」をあまり聞かなくなった一方で「推し」はよく聞きますし、目にしますね。私…
緊急事態宣言の発令に際して、知人が「定期券を更新するかどうか悩む」と言っていました。「テレワークが増えたら損じゃん」と。私は最初その意味が分からなくて、しばらく考えたあとに「ああっ!」と叫びました。なるほど、定期券代は通勤手当として会社か…
こんな泥臭くて面倒な「語学」という営みに、全国民が小学校からなかば追い立てられるように狂奔していていいのだろうかーー。語学業界にいながら、私はそんな疑問が常に頭を離れません。ですから、この本を読み始めてすぐにこんな記述があり、おもわず「そ…
能楽師は「ヒゲ」を生やしちゃいけないんだそうです。特に主役をつとめるシテ方は老若男女に亡霊など人間以外の存在も演じますから、かなり「キャラ」が固定されちゃうアイテムであるヒゲは、たぶんご法度なんでしょうね。でも面(おもて・能面)をつけるん…
だれもが文章を書きたがっています。試みにAmazonで「文章術」をキーワードに検索してみると、驚くほど多くの書籍がヒットします。それも刊行日がごく最近のものがたくさん。これは個人のSNSアカウントやブログがネットにあふれている現代、文章を書きたい、…
年賀状という「虚礼」をやめて数年。今年はついにほとんどどなたからも年賀状をいただかなくなりました(それでもこんな私にくださった方、たいへん申し訳ありません)。年末の「年賀状をどうしよう」という心理的な圧力から開放されて、本当に本当に気が楽…
「ご主人」と呼ぶのは無神経だと抗議の電話をかけたのは是か非か。昨年末のことですが、そんな議論がありました。togetter.comこの「ご主人」(あるいは「奥さん」など)については、昔から何度も論争になってきました。同様の論争が繰り返されるということ…
50代になったら「成仏」しなさい、と言われました。大江英樹氏の『定年前、しなくていい5つのこと』という本を読んでいたときのことです。いつまでも会社人生にこだわらないで、新しい人生に向かいなさいという意味だそうです。 定年前、しなくていい5つの…