インタプリタかなくぎ流

“Might come in handy one day.”

しごと

誰が何のために考えたのか

これは日本のどこかにある、とある事業所でのお話です。その事業所では毎年インフルエンザの予防接種が行われます。ここは規模が大きく、職員数も多いので、事業所本部の医務室が「職域接種」を行っているのです。ただしワクチンの数量は限られているので、…

プライドと語学

アメリカ人のお連れ合いがいる知人(日本人)がいます。お二人はここ十数年日本に住んでいるのですが、そのアメリカ人のお連れ合いはほとんど日本語が話せません。知人が英語に堪能であるため特に不便も感じないのでしょうけれど、日本に暮らしている以上お…

語学に必要な「素直さ」について

声優の専門学校に通ったのち、声優になれる人は100人のうち5人ーー。はてなダイアリーの「今週のはてなブログランキング(2021年10月第3週)」で、はてな匿名ダイアリーのランキングにそんな記事が載っていました。anond.hatelabo.jp声優さんを「声を届け…

Officeが使いにくくてしょうがない

これは私がMacBookを愛用しているからことさらに言挙げしているんじゃないんですけど、最近つくづくMicrosoftのOfficeは使いにくいなあと思うようになりました。WordもExcelもPowerPointも日々使っているものの、とにかく挙動がいちいちめんどくさく、メニュ…

留学生の字幕翻訳課題

外国人留学生の通訳翻訳クラスで、毎年この時期の課題となっている字幕翻訳に取り組みました。プロも使っている字幕製作ソフトを用い、日本の字幕翻訳のルールも学んだ上で、英語や中国語の動画に日本語字幕をつけるという課題です。翻訳は、それも高度な言…

昨夜の地震をうけて

昨日の夜は久しぶりに東京都心で大きな地震がありました。震度5と報道されていましたが、さいわいうちは何も被害はなく、私はそのまま寝てしまいました。が、今朝起きてシャワーを浴びようとしたらガスが止まっていました。地震で自動的に元栓を閉めるよう…

香港の人と北京語で話す

よく利用している近所のコワーキングスペースに、時々香港の方が見えます。現在一時的に日本在住とのこと。スペースのオーナーさんがその方とスペースの使い方について細かい話をする時に、おたがいに英語だと隔靴掻痒な感じなので、私が間に入って中国語(…

文化に興味があるわけじゃない

先日、フィンランド語のオンラインクラスに出ていたら、先生が「私は別にフィンランドの文化や観光に興味があってフィンランド語をやったわけではないので……」とおっしゃっていました。ではどんな動機で学ばれたのかについては聞けなかったのですが、たぶん…

あとから振り返ることでしか理解できない

ジムのパーソナルトレーニングで、ベンチプレスのバーを強く握らないようアドバイスされました。強く握ると、手首周りにばかり力が入って身体全体で押せなくなるのだそうです。バーは手のひらで支えるだけ、くらいの意識でやってくださいと。ラットプルダウ…

ネイティブのようにはなれないけれど

私は中国語が流暢ではありません。発音が死活的に重要な言語であるのに、その発音もあまり美しいとはいえません。話すことはできますし、仕事でも使っていますが、「ネイティブ」と呼ばれる母語話者からすれば、すぐに「ああ、どこか外国の人ですね」と分か…

『ブラタモリ』の解説者の話し方

昨晩NHKの『ブラタモリ』を見ていたら、今回は信州・松本の回でした。松本は勤務先の「遠足」で何度か行ったことがありますが、いつも松本城だけ“走馬觀花(ざっと見るだけ)”なので、興味深く見ました。いつかもっとゆっくりと観光してみたいです。www.nhk.…

オンライン授業における「貢献」

Twitterとは疎遠になったといいながら、毎日タイムラインを見に行っている私。昨日はこちらのお二人によるやりとりを見て、あれこれと考えました。授業中聴く一方なのは「フリーライド」だという意識は、日本の大学生にはまだまだ薄いように思います。クラス…

裾野を広げる

作家・演出家である鴻上尚史氏の『演劇入門』を読みました。演劇と、映像(映画やドラマ)あるいは小説との違いについて論じた部分など、なるほどと得心できる内容が多かったのですが、「終わりに(あとがき)」の部分に書かれていた「裾野を広げる」という…

すべてはノートからはじまる

副題に「あなたの人生をひらく記録術」とあり、帯の惹句には「自分を変えたければノートをとれ!」とあります。見返しには「ライフハック」のようなやや軽薄そうに聞こえるフレーズが書かれており、何となく怪しい自己啓発書のような雰囲気ではあります。で…

マチズモを削り取れ

私がいまメインで奉職している学校は、もともと女子大だった建物を利用しているためか(現在は共学になっています)、男性用トイレが極端に少ないです。必要最小限というのか、とてもミニマムな仕様というのか。あ、今日はちょっと尾籠なお話なので、ご勘弁…

アウトライナーを使い始める

先日読んだ『ライティングの哲学』で大いに推奨されていた「アウトライナー」、さっそく使い始めました。ただし、この本ではアウトライナーの詳しい使い方までは説明されていないので、実際に使い始めるにあたっては、こちらの記事がとても参考になりました…

ライティングの哲学

「書くのが苦しい」とおっしゃる4人の執筆者による『ライティングの哲学』を読みました。タイトル通り、書くことの苦しみから導き出されたそれぞれの「哲学」が語られていて、その哲学的思考の末にそれぞれがそれぞれの「書くことに対する諦念」みたいなも…

平成史ーー昨日の世界のすべて

区分された時代というものに、あまり意味を見いだせないと思っていました。例えば昭和や平成という元号で区切ったり、「19✗✗年代」のように10年ごとに時代を区切ったりして、「この時代は……」「この世代は……」などと論じるというやり方ですね。特に元号は単…

「老害」を再生産させないために

いまのお仕事が定年になったら、そのあと何をしたいですか。先日トレーニングの休憩中に、トレーナーさんからそんなことを聞かれました。そうですねえ、また海外に留学して大学で学んでみたいです、と答えましたが、そうか、そういうことをお若い方から聞か…

画面を共有すると一発で伝わる

はてなブログで、興味深い記事を読みました。英語が苦手とおっしゃる筆者氏が、英語ばかりの環境の職場に入って駆使してきた「バッドノウハウ」を紹介するという記事です。バッドノウハウとは筆者氏によると「本質的には生産性はないものの、問題解決のため…

音感のよしあしと語学の向き不向き

昨日「音感が悪いと良い翻訳はできない」という作家・村上春樹氏のインタビューをご紹介したんですけど、私はこれ、語学全般についても言えるんじゃないかなと思いました。村上氏は「別に声に出さなくても、目で読みながら耳で聴く」とおっしゃっています。…

いい文章を読む

職場の図書館に行って新聞と雑誌をいくつか読みました。うちの学校の図書館は新聞や雑誌の「品揃え」がとてもよくて、内外のファッション・アートを中心に、文学や社会科学などのお堅い専門誌から、外国語の新聞まで最新版とバックナンバーが読めます。『人…

フィンランド語 118 …時相構文

新しい文法事項として「時相構文(じそうこうぶん)」というのが出てきました。これは「kun A, B(Aのときに、B)」という口語での言い方と同じ内容を表す書き言葉専用の表現方法だそうです。 Kun Mikko tuli kotiin, Leena oli jo nukkumassa. ミッコが家に…

服装を頑張らなくなってきた

東京はまだ梅雨明けしていないようですが、すでに猛暑の夏を思わせる蒸し暑い日々が続いています。私はとても汗っかきなので、朝ジムに寄ってから職場に行くまでTシャツ一枚でやり過ごし、職場で着替えて仕事を始めるようにしています。うちの職場はさいわい…

語学は泥臭くて辛気くさい営み

昨日Twitterで拝見したこちらのツイート、とても興味深いと思いました。紹介されてた『ロシア語文法夜話』(染谷茂、2016)買って読んでみたんだけど、のっけからキレッキレで笑っていいのか泣いていいのかわからない 全なんらかの言語学習者に届け #ロシア…

「教師の覚えをめでたくしておくこと」について

私がいま奉職している学校にはたくさんの外国人留学生がいます。私が担当した留学生に限っても出身は様々で、中国、台湾、香港など中国語圏(母語は北京語、広東語など様々)の人たちもいれば、タイやベトナムやインドネシアなど東南アジアの人たち、さらに…

スペックを下げてみた結果

もうずいぶん昔のことですが、都内の某通訳学校に通っていた頃、クラスにとても通訳の上手な方がいました。課題の音声を聞いて講師から指名されるたびに、とても正確で整った訳出をされるのです。すごいな、と驚嘆しつつも、しかし私はその方の訳出にどこか…

とにかくみんな欲がないの

日本語学校で会話の授業を担当している同僚が、こんなことを言っていました。「きょうびの留学生は、洋の東西を問わず恋愛に淡泊みたい。恋愛とか結婚をテーマに会話を設定すると、みんな恋愛なんかしたことないし面倒だ、ましてや結婚なんて……って、口を揃…

「安いニッポン」の実感

先日夕飯を作りながらBS-TBSの『報道1930』という番組を見ていたら、「“安い”ニッポン 値段が示す”停滞”」という話題の中で中国アニメの下請けとして日本のアニメーターが雇用されている現状を報じていました。とても興味深い内容だったので、録画しなかった…

「そんな○○語はない」と言い切るのはやめたい

「こんな日本語、使わない」とおっしゃる語学講師に対して「普通に使うのでは」とおっしゃるツイートを拝見しました。全部ふつうに、時には日常会話でも使いますね…。日本語検定1級レベルの例文だそうです。その友達がそのレベルに達しているなら有用な例文…