インタプリタかなくぎ流

“Might come in handy one day.”

しごと

ペーパーフラワー作りが感慨深い

コロナ禍への対応に明け暮れた一年。早いもので、もう学年末、卒業式のシーズンが迫ってきました。思い起こせば一年前の今頃も、もうコロナ禍の影響が出ていて、学校全体で行う卒業式は中止に。でもそれじゃ卒業生があまりにかわいそうだからというので、私…

「○○先生の授業は準備不足ではないか」という声に対して

勤め先の学校は学年末ということで、学生のみなさんにアンケートを取っています。今年一年の学習を振り返って、授業のどんなところが役に立ったか、逆にどんなところが役に立たなかったか、教材についてはどうか、教師については……と、無記名で忌憚のない意…

オンライン授業に欠けていたもの

台湾の大学に留学しようとする日本の学生が増えている。理由は、学費が安く、就職に有利だからーー。先日の新聞に、こんな記事が載っていました。中国語ができる人材=即戦力ってのが引っかかる上に、台湾の大学も様々なので安易な理想化は禁物ではないかな…

腰痛対策用のパソコンスタンド

慢性的な腰痛がいっこうに軽快してくれません。痛くなる場所は決まっていて、歩いたり、ジムで筋トレをしている時はなんともないのですが、デスクワークをしていると痛くなります。これはもう、要するに座って仕事をするときの姿勢に何か問題があるのですね…

翻訳の授業 東京大学最終講義

「翻訳の正しさは原文とは無関係で、百パーセント現実との照合で決まる」と筆者の山本史郎氏は主張します。つまり原文と訳文の間の語彙や文法などよりも、その二つの文が現出させる世界がぴったりと一致していることが何より大切なことなのだと。 翻訳の授業…

大きな声で訳してください

「もっと大きな声で訳してください」。教室で、このフレーズを何度言ったか分かりません。たぶん千回は超えているんじゃないかしら。いえ、これは誇張でも何でもなくて。通訳訓練で、生徒さんの声があまりにも小さくて、すぐそばにいるのに聞こえにくいこと…

試験も評価もやめてしまいたい

学年末が近づいてきまして、私の奉職している学校でも期末試験が始まりました。進級や卒業がかかっているので留学生のみなさんもかなり真剣です。私は自分の担当科目の試験問題を作ったり、他の科目の試験監督を請われたり、試験後は採点に追われたりと、こ…

その外語を学んで楽しい?

中国の中学生や高校生に、日本語学習者が急増している理由は? 答えは「大学入試で受かりやすいから」。先日の東京新聞朝刊に興味深い記事が載っていました。「漢字が共通して発音も難しくない日本語学習は『最初のハードルが低い』」ため、英語で大学入試に…

ダークサイドに堕ちているかもしれない

あからさまな女性蔑視発言をして世界中から顰蹙を買い批難を浴びているのに、ちっとも反省の色が見えない森喜朗氏。氏のみならず、首相も与党幹部も、財界からも擁護なり黙認なりの声が次々に伝わってきて、本当に情けなく恥ずかしい気持ちです。女性蔑視発…

語学で身を立てる

語学関係者ならページをめくるたびにいちいち頷き、付箋を貼りまくり、「そうそう! この本に書かれていることは、この業界ではごくごく当たり前のことばかりなのに、一般に広く知られていないのはなぜだろう?」としみじみ思うはずです。通訳者や翻訳者がや…

留学生から出された質問に対して

先日、通訳訓練の一環で外国人留学生のみなさんに私がいままでしてきた仕事を話すという機会がありました。留学生のみなさんは日本で、あるいは母国や第三国での就職を目指している方が多いので、参考になるかもしれないと周囲には言われたのですが、私自身…

話すことと訳すこと

華人留学生の通訳クラスで、中国語→日本語の訳出があまりにもたどたどしい方が多いので、しばらく「1分間スピーチ」を課題にしていました。学生は日本語をもう何年も学び続けている方ばかりですけれど、やはりアウトプットの機会、それも日常のおしゃべりレ…

立場を変えてみてクライアントの気持ちが少しだけ分かった

通訳者として仕事に望むとき、よくクライアント(お客様)、あるいはクライアントのスピーカー(話し手)の姿勢にいろいろ難儀していました。通訳という作業は事前の予習が不可欠であるにも関わらず、その予習をなかなかさせてもらえないというのが難儀して…

「華人のLINEやチャットの返信は日本人より格段に速い」問題

華人(チャイニーズ)のメールやLINEやチャットの返信は日本人より格段に速い。留学生クラスで「自分の国と日本とで、違いを感じる風俗習慣は何ですか?」と聞いたら、日本人は返信が遅いという答えが返ってきたという問題。別の華人留学生クラスで聞いてみ…

すでにして現地について行けてない

中国語に“入鄉隨俗”という言葉がありまして、日本語では「郷に入っては郷に従え」などと訳されます。華人留学生の通訳クラスでこの言葉が出てきたので、「みなさんが日本で、自分の国とずいぶん違うと思った生活習慣は何ですか?」と聞いてみました。会社の…

SNS以外の文字を読む

Twitterを使い続けて十年あまり。時に放置したり、時に依存症気味になったりの濃淡はありましたが、毎日のように利用してきました。それでも最近は情報を入手するのが主で、自分からつぶやくことはかなり少なくなりました。こうやってブログに文章を書いてア…

デジタル写真が存在しなかった時代

1990年代の前半に、私は熊本県の水俣市で仕事をしていました。仕事をしながら農作業の真似事みたいなこともしていて、現代でいうところの「Iターン就農」みたいなのを30年前にやっていたわけです。結局私は田舎の閉鎖的な人間関係や因習みたいなものに嫌気が…

コロナ後の「中国的なもの」に対するヘイトを憂慮する

「こんなたちの悪いウイルスは経験したことがありません」。神戸大学医学研究科感染症内科教授の岩田健太郎氏がご自身のブログでおっしゃっていました。「人々を油断させ、『ただの風邪』だと思わせ、世界中に、そして日本中にウイルスを撒き散らし、確実に…

推しに萌えて尊いと思う

日本の文化は、わび・さび・萌え。落語家・柳家喬太郎氏のネタです。ところが最近はこの「萌え」がすでにして古い言葉になり、いまは「推し」であるよし。なるほど、確かに「萌え」をあまり聞かなくなった一方で「推し」はよく聞きますし、目にしますね。私…

テレワークが増えたら、定期券を買うのは損?

緊急事態宣言の発令に際して、知人が「定期券を更新するかどうか悩む」と言っていました。「テレワークが増えたら損じゃん」と。私は最初その意味が分からなくて、しばらく考えたあとに「ああっ!」と叫びました。なるほど、定期券代は通勤手当として会社か…

英語独習法

こんな泥臭くて面倒な「語学」という営みに、全国民が小学校からなかば追い立てられるように狂奔していていいのだろうかーー。語学業界にいながら、私はそんな疑問が常に頭を離れません。ですから、この本を読み始めてすぐにこんな記述があり、おもわず「そ…

三行で撃つ

だれもが文章を書きたがっています。試みにAmazonで「文章術」をキーワードに検索してみると、驚くほど多くの書籍がヒットします。それも刊行日がごく最近のものがたくさん。これは個人のSNSアカウントやブログがネットにあふれている現代、文章を書きたい、…

このあたりで「成仏」しなきゃ

50代になったら「成仏」しなさい、と言われました。大江英樹氏の『定年前、しなくていい5つのこと』という本を読んでいたときのことです。いつまでも会社人生にこだわらないで、新しい人生に向かいなさいという意味だそうです。 定年前、しなくていい5つの…

スマホ脳

教室で、若い学生さんたちを見ていると、いろいろなことに気づきます。学生さん(私の場合は外国人留学生)は全員スマホを持っているのですが、授業中にスマホを使い倒しています。私が担当しているのは通訳や翻訳や語学の授業で、その際には辞書を引いたり…

「かけはしになりたい」をめぐって

勤めている学校のひとつでは来年度に向けての入学試験シーズンが始まりました。入試では筆記試験やリスニング試験の他に、面接と作文があるのですが、その面接や作文で「(日本と母国との)かけはし(懸け橋・架け橋)になりたい」と言ったり書いたりする方…

暗誦は人生の糧になるはず

華人留学生のクラスで、中国で使われている小学校四年生の“語文(国語)”教科書の一部を資料として配布しました。みなさん「懐かしい〜」と言う一方で、「よく全文暗誦させられて、いい思い出がない」とも。覚えないと居残りで、できるまで先生の前で暗誦さ…

コロナ禍でコピー機の需要が落ちている?

先日Twitterでこちらのツイートを拝見して、同感だなあと思いました。あの会議に次ぐ会議がいかにも日本っぽくて、なのに結構テキパキと物事が進んでいくのは逆に日本っぽくなくて、リアルでありながら非リアルなところが小気味よいなと。『シン・ゴジラ』が…

ファックスとか押捺とか

私が勤めている学校のうちの一つは、外国人講師もたくさん勤めています。非常勤で多くの学校を掛け持ちしている方が多く、中には人材派遣会社に登録してあちこちの学校へ派遣されている方もいます。その中のお一人に英国人の先生がおり、彼は非常勤講師以外…

「俺はまだ本気出してないだけ」は周りに伝わる

ジムのトレーナーさんと、「サラリーマンのジム通いをどうやって習慣化するか」について話をしました。トレーナーさんによると、忙しさにかまけてついつい「今日はやめとこ」が続くと、ジム通いが億劫になると。トレーナーさんと私で意見が一致したのは「ジ…

マイナーな言語を学ぶ「愉楽」

先日、同僚の講師と「これからはマイナーな言語を学びたいですね」という話になりました。この方は英語に加えてロシア語とペルシャ語も堪能というスゴイ方です。なぜマイナーな言語を学びたいのかというと、英語や中国語のようなメジャーな言語だと学んでい…