インタプリタかなくぎ流

“Might come in handy one day.”

しごと

音感のよしあしと語学の向き不向き

昨日「音感が悪いと良い翻訳はできない」という作家・村上春樹氏のインタビューをご紹介したんですけど、私はこれ、語学全般についても言えるんじゃないかなと思いました。村上氏は「別に声に出さなくても、目で読みながら耳で聴く」とおっしゃっています。…

いい文章を読む

職場の図書館に行って新聞と雑誌をいくつか読みました。うちの学校の図書館は新聞や雑誌の「品揃え」がとてもよくて、内外のファッション・アートを中心に、文学や社会科学などのお堅い専門誌から、外国語の新聞まで最新版とバックナンバーが読めます。『人…

フィンランド語 118 …時相構文

新しい文法事項として「時相構文(じそうこうぶん)」というのが出てきました。これは「kun A, B(Aのときに、B)」という口語での言い方と同じ内容を表す書き言葉専用の表現方法だそうです。 Kun Mikko tuli kotiin, Leena oli jo nukkumassa. ミッコが家に…

服装を頑張らなくなってきた

東京はまだ梅雨明けしていないようですが、すでに猛暑の夏を思わせる蒸し暑い日々が続いています。私はとても汗っかきなので、朝ジムに寄ってから職場に行くまでTシャツ一枚でやり過ごし、職場で着替えて仕事を始めるようにしています。うちの職場はさいわい…

語学は泥臭くて辛気くさい営み

昨日Twitterで拝見したこちらのツイート、とても興味深いと思いました。紹介されてた『ロシア語文法夜話』(染谷茂、2016)買って読んでみたんだけど、のっけからキレッキレで笑っていいのか泣いていいのかわからない 全なんらかの言語学習者に届け #ロシア…

「教師の覚えをめでたくしておくこと」について

私がいま奉職している学校にはたくさんの外国人留学生がいます。私が担当した留学生に限っても出身は様々で、中国、台湾、香港など中国語圏(母語は北京語、広東語など様々)の人たちもいれば、タイやベトナムやインドネシアなど東南アジアの人たち、さらに…

スペックを下げてみた結果

もうずいぶん昔のことですが、都内の某通訳学校に通っていた頃、クラスにとても通訳の上手な方がいました。課題の音声を聞いて講師から指名されるたびに、とても正確で整った訳出をされるのです。すごいな、と驚嘆しつつも、しかし私はその方の訳出にどこか…

とにかくみんな欲がないの

日本語学校で会話の授業を担当している同僚が、こんなことを言っていました。「きょうびの留学生は、洋の東西を問わず恋愛に淡泊みたい。恋愛とか結婚をテーマに会話を設定すると、みんな恋愛なんかしたことないし面倒だ、ましてや結婚なんて……って、口を揃…

「安いニッポン」の実感

先日夕飯を作りながらBS-TBSの『報道1930』という番組を見ていたら、「“安い”ニッポン 値段が示す”停滞”」という話題の中で中国アニメの下請けとして日本のアニメーターが雇用されている現状を報じていました。とても興味深い内容だったので、録画しなかった…

「そんな○○語はない」と言い切るのはやめたい

「こんな日本語、使わない」とおっしゃる語学講師に対して「普通に使うのでは」とおっしゃるツイートを拝見しました。全部ふつうに、時には日常会話でも使いますね…。日本語検定1級レベルの例文だそうです。その友達がそのレベルに達しているなら有用な例文…

教師の心学生知らず

Quizletという単語学習用のオンラインアプリがありまして、私は公私ともにお世話になっています。「私」のほうは、もっぱら趣味(≒ぼけ防止)のフィンランド語の単語を覚えるために使っています。今のところ2000個近くの単語を登録して繰り返し覚えています…

「ジジイ」を再生産しないために

昨日Twitterで拝見したこちらのツイート。分かるなあ、そうだよなあ。正直に言いますけど、いま2〜30代前半とかでバリバリ現場でやってる書店員/個人本屋とかに業界論を語る場を設けてその意見をガッツリ取り入れる、とかしないとダメですよこの業界。いい歳…

スペックを下げようと思います

華人留学生がなかなか日本語を話したがらないーーというエントリを昨年書きました。qianchong.hatenablog.com華人留学生、つまり中国語圏の留学生さんたちは、日本語を学ぶために日本に留学しているというのに、中国語母語話者同士ではすぐに中国語での会話…

笑顔文化の違いがあるのかもしれない

就職活動真っ最中の中国人留学生(女性)が「一次面接に受かりました!」と教員室へ報告に来ました。素晴らしい! もともと外国人留学生の日本における就活はいろいろと厳しい状況があるところに加えて、昨今のコロナ禍でその大変さは例年以上です。ぜひ引き…

質問する奴は偉い

「最初に質問する奴は偉い」。Twitterのタイムラインにこんなツイートが流れてきました。いやあ、本当に素晴らしい。同感です。どこで拾ったのか忘れてしまったけど、素晴らしいスライド! pic.twitter.com/aw32YbJ4Wl— 紀平晃功 (@akinorikihira) May 6, 20…

中国語で読む数式

通訳をしているときの「鬼門」とでも呼ぶべきものは多々ありまして、例えば中日通訳では“中國有句古話說……(中国の古い言葉にいわく……)”などといって漢詩や成語、古典の引用などをされる、というのがその代表格です。漢籍の素養などほぼ無きに等しい私など…

五輪に熱狂するだろうか

新宿の街は、昨日も人であふれていました。緊急事態宣言が発出されているなかゴールデンウィークに入った東京ですが、私の職場はオンラインと対面を組み合わせながら「カレンダー通り」に授業をしていて、昨日は都心に出かけたのですが……いや、すごい人出で…

「取り急ぎお礼まで」をめぐって

先日Twitterのタイムラインに、メールの最後を「取り急ぎお礼まで」で締めくくるのは失礼、という趣旨のツイートが流れてきました。それに対して賛否両論もたくさん湧き上がっていたようです。私は少々心穏やかではありませんでした。なぜって、これまで「取…

「なんでもない毎日をていねいに生きる」

ここ数年、折に触れて「次の人生をどうしようかなあ」と考えています。言うまでもなく、いまの仕事があと数年のうちに「雇い止め」になるからですが、実は「次をどうしようか」と考えるのはこれが初めてではありません。学生時代にまともな就職活動もせず(…

もう国や都など信頼しない

東京都に三度目の緊急事態宣言発出ということで、またまた暮らしに大きな変化が……起きていません、これが。「コロナ慣れ」とか「コロナ疲れ」というわけでもなく、確かに感染者数は増加傾向なので自分も感染しない・感染させないことに努めて気をつけようと…

「ユルさ」が足りません

春からの新年度が始まりまして、いくつかの学校で担当しているクラスも授業がスタートしました。留学生だけのクラスもあれば、日本語の母語話者と非母語話者の混成クラスもあります。留学生のクラスも、華人留学生のみのクラスもあれば、いろいろな国や地域…

留学生の醸し出す「活き活き感」

新学期が始まったばかりだというのに、職場ではもう来年度の学生募集用のパンフレットが刷り上がってきました。うちの学校の生徒さんは基本的にほぼ全員が外国人留学生です。コロナ禍で海外からの日本入国が制限されているなか、来年度以降の学生募集がどう…

「管理」しなくてもいいんじゃないか

教師というお仕事をしていると、つねに教わる方の人々、つまり学生さんたちとの間に一種の緊張関係があります。こちらは教え、学生は教わり、こちらは課題や宿題を出し、学生はその課題や宿題をこなす。教師はその進捗度合いや内容についてあれこれと「管理…

私もテレワークに向いていませんでした

「朝起きて着替え、玄関を開けて外に出ることがこれほど大事だとは思わなかった」。会社員兼ライターである伊藤聡氏の「note」記事を読んで、共感することしきりでした。note.com私の職場も、昨年最初に緊急事態宣言が出た頃には一律に在宅勤務を命じられて…

留学生からの哀れみの視線が耐えがたい

新しい年度に入って、新学期からの授業の準備をしています。他に事務作業も大量にあって、まずは新入生の名簿を作るなどしているのですが、4月のこの時点になっても何人かの留学生がまだ来日できていません。すでにうちの学校に在籍していて、一時帰国した際…

仕事とは別の居場所を見つける

私はこれまでに何度か失業したことがあります。でも不思議なことに、若い頃は失業中もあまり不安に感じたことがありませんでした。もちろん、いくつも面接に出かけて行っては「お祈りメール」をもらう(その昔はメールではなくお手紙でしたが)たび、落ち込…

新年度を控えて途方に暮れる

2020年度が終わります。私の職場は学校なので、仕事の区切りは毎年4月から翌年3月までの1年間で、明日からは2021年度の仕事が始まります。先日は、コロナ禍への対応に明け暮れた2020年度の苦労をねぎらおうということで、職場の同僚と乾杯しました。とい…

プロに対する「タダでお願い」について

イタリア語通訳者のMassi氏が、こんなツイートをされていました。日本企業からテレビ会議通訳の依頼があり、イタリアと日本と通訳者でZOOM会議をする予定。コロナの影響で厳しい日々が続いていて、通訳者は家でやってもらうため、経費や準備は不要で30分もか…

母語話者に母語方向の訳出を教えるプレッシャー

通訳や翻訳の授業で、自分の母語方向への訳出を教えるのは大変だーーそんな一種の「お悩み」を、中国語母語話者の先生方から聞きました。学年末に例年開催している教師ミーティング(反省会)でのお話です。私が勤めている学校のうちのひとつは、学生さんが…

校則で下着の色を決める?

先日Twitterで見かけて、思わずリツイートしてしまったこちらのツイート。そのうち自分の子供が中学に上がるときに、「校則で下着は白と決まってます」と言われたら、入学説明会で「先生のパンツは何色ですか?」「教師らしくブリーフですか?」「下着は白に…