インタプリタかなくぎ流

“Might come in handy one day.”

しごと

笑顔文化の違いがあるのかもしれない

就職活動真っ最中の中国人留学生(女性)が「一次面接に受かりました!」と教員室へ報告に来ました。素晴らしい! もともと外国人留学生の日本における就活はいろいろと厳しい状況があるところに加えて、昨今のコロナ禍でその大変さは例年以上です。ぜひ引き…

質問する奴は偉い

「最初に質問する奴は偉い」。Twitterのタイムラインにこんなツイートが流れてきました。いやあ、本当に素晴らしい。同感です。どこで拾ったのか忘れてしまったけど、素晴らしいスライド! pic.twitter.com/aw32YbJ4Wl— 紀平晃功 (@akinorikihira) May 6, 20…

中国語で読む数式

通訳をしているときの「鬼門」とでも呼ぶべきものは多々ありまして、例えば中日通訳では“中國有句古話說……(中国の古い言葉にいわく……)”などといって漢詩や成語、古典の引用などをされる、というのがその代表格です。漢籍の素養などほぼ無きに等しい私など…

五輪に熱狂するだろうか

新宿の街は、昨日も人であふれていました。緊急事態宣言が発出されているなかゴールデンウィークに入った東京ですが、私の職場はオンラインと対面を組み合わせながら「カレンダー通り」に授業をしていて、昨日は都心に出かけたのですが……いや、すごい人出で…

「取り急ぎお礼まで」をめぐって

先日Twitterのタイムラインに、メールの最後を「取り急ぎお礼まで」で締めくくるのは失礼、という趣旨のツイートが流れてきました。それに対して賛否両論もたくさん湧き上がっていたようです。私は少々心穏やかではありませんでした。なぜって、これまで「取…

「なんでもない毎日をていねいに生きる」

ここ数年、折に触れて「次の人生をどうしようかなあ」と考えています。言うまでもなく、いまの仕事があと数年のうちに「雇い止め」になるからですが、実は「次をどうしようか」と考えるのはこれが初めてではありません。学生時代にまともな就職活動もせず(…

もう国や都など信頼しない

東京都に三度目の緊急事態宣言発出ということで、またまた暮らしに大きな変化が……起きていません、これが。「コロナ慣れ」とか「コロナ疲れ」というわけでもなく、確かに感染者数は増加傾向なので自分も感染しない・感染させないことに努めて気をつけようと…

「ユルさ」が足りません

春からの新年度が始まりまして、いくつかの学校で担当しているクラスも授業がスタートしました。留学生だけのクラスもあれば、日本語の母語話者と非母語話者の混成クラスもあります。留学生のクラスも、華人留学生のみのクラスもあれば、いろいろな国や地域…

留学生の醸し出す「活き活き感」

新学期が始まったばかりだというのに、職場ではもう来年度の学生募集用のパンフレットが刷り上がってきました。うちの学校の生徒さんは基本的にほぼ全員が外国人留学生です。コロナ禍で海外からの日本入国が制限されているなか、来年度以降の学生募集がどう…

「管理」しなくてもいいんじゃないか

教師というお仕事をしていると、つねに教わる方の人々、つまり学生さんたちとの間に一種の緊張関係があります。こちらは教え、学生は教わり、こちらは課題や宿題を出し、学生はその課題や宿題をこなす。教師はその進捗度合いや内容についてあれこれと「管理…

私もテレワークに向いていませんでした

「朝起きて着替え、玄関を開けて外に出ることがこれほど大事だとは思わなかった」。会社員兼ライターである伊藤聡氏の「note」記事を読んで、共感することしきりでした。note.com私の職場も、昨年最初に緊急事態宣言が出た頃には一律に在宅勤務を命じられて…

留学生からの哀れみの視線が耐えがたい

新しい年度に入って、新学期からの授業の準備をしています。他に事務作業も大量にあって、まずは新入生の名簿を作るなどしているのですが、4月のこの時点になっても何人かの留学生がまだ来日できていません。すでにうちの学校に在籍していて、一時帰国した際…

仕事とは別の居場所を見つける

私はこれまでに何度か失業したことがあります。でも不思議なことに、若い頃は失業中もあまり不安に感じたことがありませんでした。もちろん、いくつも面接に出かけて行っては「お祈りメール」をもらう(その昔はメールではなくお手紙でしたが)たび、落ち込…

新年度を控えて途方に暮れる

2020年度が終わります。私の職場は学校なので、仕事の区切りは毎年4月から翌年3月までの1年間で、明日からは2021年度の仕事が始まります。先日は、コロナ禍への対応に明け暮れた2020年度の苦労をねぎらおうということで、職場の同僚と乾杯しました。とい…

プロに対する「タダでお願い」について

イタリア語通訳者のMassi氏が、こんなツイートをされていました。日本企業からテレビ会議通訳の依頼があり、イタリアと日本と通訳者でZOOM会議をする予定。コロナの影響で厳しい日々が続いていて、通訳者は家でやってもらうため、経費や準備は不要で30分もか…

母語話者に母語方向の訳出を教えるプレッシャー

通訳や翻訳の授業で、自分の母語方向への訳出を教えるのは大変だーーそんな一種の「お悩み」を、中国語母語話者の先生方から聞きました。学年末に例年開催している教師ミーティング(反省会)でのお話です。私が勤めている学校のうちのひとつは、学生さんが…

校則で下着の色を決める?

先日Twitterで見かけて、思わずリツイートしてしまったこちらのツイート。そのうち自分の子供が中学に上がるときに、「校則で下着は白と決まってます」と言われたら、入学説明会で「先生のパンツは何色ですか?」「教師らしくブリーフですか?」「下着は白に…

ペーパーフラワー作りが感慨深い

コロナ禍への対応に明け暮れた一年。早いもので、もう学年末、卒業式のシーズンが迫ってきました。思い起こせば一年前の今頃も、もうコロナ禍の影響が出ていて、学校全体で行う卒業式は中止に。でもそれじゃ卒業生があまりにかわいそうだからというので、私…

「○○先生の授業は準備不足ではないか」という声に対して

勤め先の学校は学年末ということで、学生のみなさんにアンケートを取っています。今年一年の学習を振り返って、授業のどんなところが役に立ったか、逆にどんなところが役に立たなかったか、教材についてはどうか、教師については……と、無記名で忌憚のない意…

オンライン授業に欠けていたもの

台湾の大学に留学しようとする日本の学生が増えている。理由は、学費が安く、就職に有利だからーー。先日の新聞に、こんな記事が載っていました。中国語ができる人材=即戦力ってのが引っかかる上に、台湾の大学も様々なので安易な理想化は禁物ではないかな…

腰痛対策用のパソコンスタンド

慢性的な腰痛がいっこうに軽快してくれません。痛くなる場所は決まっていて、歩いたり、ジムで筋トレをしている時はなんともないのですが、デスクワークをしていると痛くなります。これはもう、要するに座って仕事をするときの姿勢に何か問題があるのですね…

翻訳の授業 東京大学最終講義

「翻訳の正しさは原文とは無関係で、百パーセント現実との照合で決まる」と筆者の山本史郎氏は主張します。つまり原文と訳文の間の語彙や文法などよりも、その二つの文が現出させる世界がぴったりと一致していることが何より大切なことなのだと。 翻訳の授業…

大きな声で訳してください

「もっと大きな声で訳してください」。教室で、このフレーズを何度言ったか分かりません。たぶん千回は超えているんじゃないかしら。いえ、これは誇張でも何でもなくて。通訳訓練で、生徒さんの声があまりにも小さくて、すぐそばにいるのに聞こえにくいこと…

試験も評価もやめてしまいたい

学年末が近づいてきまして、私の奉職している学校でも期末試験が始まりました。進級や卒業がかかっているので留学生のみなさんもかなり真剣です。私は自分の担当科目の試験問題を作ったり、他の科目の試験監督を請われたり、試験後は採点に追われたりと、こ…

その外語を学んで楽しい?

中国の中学生や高校生に、日本語学習者が急増している理由は? 答えは「大学入試で受かりやすいから」。先日の東京新聞朝刊に興味深い記事が載っていました。「漢字が共通して発音も難しくない日本語学習は『最初のハードルが低い』」ため、英語で大学入試に…

ダークサイドに堕ちているかもしれない

あからさまな女性蔑視発言をして世界中から顰蹙を買い批難を浴びているのに、ちっとも反省の色が見えない森喜朗氏。氏のみならず、首相も与党幹部も、財界からも擁護なり黙認なりの声が次々に伝わってきて、本当に情けなく恥ずかしい気持ちです。女性蔑視発…

語学で身を立てる

語学関係者ならページをめくるたびにいちいち頷き、付箋を貼りまくり、「そうそう! この本に書かれていることは、この業界ではごくごく当たり前のことばかりなのに、一般に広く知られていないのはなぜだろう?」としみじみ思うはずです。通訳者や翻訳者がや…

留学生から出された質問に対して

先日、通訳訓練の一環で外国人留学生のみなさんに私がいままでしてきた仕事を話すという機会がありました。留学生のみなさんは日本で、あるいは母国や第三国での就職を目指している方が多いので、参考になるかもしれないと周囲には言われたのですが、私自身…

話すことと訳すこと

華人留学生の通訳クラスで、中国語→日本語の訳出があまりにもたどたどしい方が多いので、しばらく「1分間スピーチ」を課題にしていました。学生は日本語をもう何年も学び続けている方ばかりですけれど、やはりアウトプットの機会、それも日常のおしゃべりレ…

立場を変えてみてクライアントの気持ちが少しだけ分かった

通訳者として仕事に望むとき、よくクライアント(お客様)、あるいはクライアントのスピーカー(話し手)の姿勢にいろいろ難儀していました。通訳という作業は事前の予習が不可欠であるにも関わらず、その予習をなかなかさせてもらえないというのが難儀して…