インタプリタかなくぎ流

“Might come in handy one day.”

しごと

「なるべくラクな道」を選ぼうとする学生さんたち

英語や中国語の動画に、日本語の字幕をつけるという翻訳の授業をやっています。業界標準の字幕翻訳用ソフトを使い(ただしお高いので、出力に制限があるアカデミック版)、ハコ割りからスポッティング、文字数制限、記号の使い方、役割語の処理……にいたるま…

あいうえおの歌

第二次世界大戦時の1942年から1945年にかけて出版された、『FRONT』(フロント)という大判のグラフ誌があります。原弘、木村伊兵衛など、後に昭和を代表するデザイナーやフォトグラファーとなるメンバーが所属していた、大日本帝国陸軍参謀本部の直属出版社…

『桃太郎』に感じる小さな疼きのようなもの

留学生のための一般教養講座で『東アジア近現代史』という授業を担当しています。毎年その授業の一環で『桃太郎 海の神兵』という、1944年に海軍省の後援で制作されたアニメーション映画を紹介しています。この映画のクライマックスに出てくる、落下傘部隊が…

インドネシアをめぐる二つの作品

『桃太郎 海の神兵』というアニメーション映画があります。日本の敗戦が色濃くなっていた1944年に製作され、翌年の春(つまり終戦・敗戦の年)に公開されたこの作品、戦時中によくまあここまでというくらい見ごたえのある作品になっており、逆にそれが国策映…

「そういう文化なのだ」に感じる妙なリアリティ

もうずいぶん前の話ですが、その国のとある大学で、正門前の歩道にたむろしている何人かの女性を見かけたことがあります。女性はなぜかいずれも赤ちゃんを腕に抱いており、通りかかるわれわれに“辦證,辦證,要辦証嗎?(証明書、要らない?)”と呼びかけて…

紙とハンコだらけの国で留学生に申し訳ない

ふだんから留学生のみなさんと接していると、時々とても申し訳ないというか、恥ずかしい気持ちになることがあります。それは例えば、この国の諸手続きの、あまりにも時代遅れなあり方についてです。例えば新入生は学校から「学生カード」のようなものに記入…

警察のチラシに見る外国人への予断と偏見

昨日学校の事務局から「担当クラスの留学生に配布してください」と渡されたチラシ。一読、不愉快な気持ちになりました。学校がある区の警察署から送られてきたという、こんなチラシです。「日本で生活する外国人のみなさまへ」と題されたこのチラシ、日本語…

10年後に食える仕事 食えない仕事

先日、住んでいる区の区役所から「特別区民税・都民税通知書」という分厚い封筒が届きました。毎年のことですけど、紙の納付書が五枚も同封されています。一括納付専用の一枚と、分割納付用(6月・8月・10月・翌年1月)の四枚。私は毎年一括して納付して…

パンフの「盛られよう」が素晴らしい

コロナ禍でオンライン授業を継続しつつ、「三密」を避けながら通常の対面授業に戻しつつ……と、教室では試行錯誤の日々が続いていますが、学校側はすでに来年度の学生募集を見据えて宣伝活動に入っています。感染症の状況次第では外国人留学生の募集にかなり…

「リアルタイム・双方向・長時間」オンライン授業の課題

オンライン授業の取り組み、5月は非同期型の「課題を送信→回収→レビュー」という形がメインだったのですが、6月に入って同期型の「リアルタイム・双方向」での授業が始まりました。学校によっては6月中旬から対面授業に戻すところも多いのですが、逆に長…

デオドラントされたキャンパス

Amazonのブックレビューはなるべく読まないようにしているんですけど、新聞の書評欄は必ず読みます。評者の質の高い文章が読めますし、普段の自分の興味がおもむく範囲では絶対に巡り合うことはないような本を発見することができるからです。書評欄は各紙に…

“國情不一樣(国情が違います)”に教えられたこと

新型コロナウイルス感染症の状況が落ち着いてきたとして、学校現場では対面授業への復帰が始まっています。うちの学校でも来週から限定的ながら従来どおりのカリキュラムで対面授業が復活することになりました。限定的というのは、授業や実習によっては「三…

学生の自主性をも問うオンライン授業

先日Twitterで拝見したこちらのツイート、学びの本質がとても簡潔に表されていると思いました。“あの人は全然出席してなかったのに単位貰えてずるい!””一生懸命出席して損した”学生がわりとこういうこと言う時ある。その時に”考えてごらん?どっちが得か損…

オンライン授業のこれまでとこれから

緊急事態宣言が解除となり、六月から以前のような対面授業へ回帰する動きが教育現場で加速しています。うちの学校でも六月の第一週はオンライン授業を継続するものの、第二週からは対面授業を再開することになりました。とはいえ当面は多少の調整を加えて「…

不自由だけれど落ち着いた暮らし

緊急事態宣言の全国解除を受けて、今朝の東京新聞「筆洗」にはこうありました。「解除は喜ばしいが、その不自由な生活と別れるのがどういうわけか少々寂しいところもある」。なるほど、その感慨は分かるような気がします。うちの学校でも六月中旬からは通常…

真夏にマスクをして窓を開けて……?

東京では緊急事態宣言の状態が続いていますが、政府は今日にも解除する方向と伝えられています。もしそうなれば、うちの学校も対面授業の再開に向けて舵を切ることになるでしょう。たぶん数週間の準備期間を経て、六月の中旬あたりから教員や学生の登校を再…

評価が学生の未来を作るのだろうか

「夜回り先生」として有名な教育評論家で、大学でも教えてらっしゃる水谷修氏が、リモート授業(オンライン授業・遠隔授業)に「これが授業なのか」と疑問を呈していました。「いい加減な授業を行い、いい加減に評価し、学生たちの未来を作る。こんなことが…

スマホで「マルチタスク的」な録音をしたい

学校での「対面授業」復活が予想していたよりも遅くなりそうだということになり、オンライン授業で本格的に通訳訓練をする必要に迫られて、はたと気づいたことがありました。最初は、要するに対面授業でやっていた「音声を聞かせる→生徒に訳してもらう→フィ…

文部科学省の「現金給付、留学生は上位3割限定」を恥ずかしく思う

新型コロナウイルス感染症の影響でアルバイトなどができず、学費やオンライン授業への対応(通信費など)で苦慮している学生さんに最大20万円の現金給付を行う支援策が検討されています。この給付について文部科学省が「外国人留学生に限って成績上位三割程…

ネットの動画や写真をオンライン授業で使っても大丈夫?

通常の対面授業で、YouTubeの動画やネット上にある写真をその場で検索し、プロジェクターで投影して、参考資料として見せることがあります。これが現在はオンライン授業(遠隔授業)を余儀なくされている関係で、そういう検索をしている場面を録画したり、あ…

新しい歌を歌う

在宅勤務が長期間に及び、これまでになかった形でのオンライン授業や遠隔授業などの準備と実施に追われているうち、先週や先々週あたりはちょっと心身ともに疲れ切ってしまっていました。やることは次々に立ち現れてくるのに、身体がどうにもだるくて、心も…

オンライン授業の「非身体性」をめぐって

今朝の東京新聞に載っていた、貴戸理恵氏の「オンライン居場所」というコラムをとても興味深く読みました。氏によれば、テレワークやオンライン授業などで人々が距離を取りつつ集う「居場所」で失われているものは「余白」と「身体性」ではないかとのこと。…

オンライン授業にありがちな「落とし穴」

オンライン授業(遠隔授業)を始めて、いろいろと気づいたことがあります。そのひとつは、文字ベースにせよ映像ベースにせよ、コミュニケーションへのより細やかな配慮が必要になるという点です。対面授業ではリアルタイムでの口頭でのコミュニケーションで…

イヤーワームを消す方法

ここのところ、イヤーワームがひどくて少々まいっています。イヤーワームとはある音楽が頭の中で「ヘビロテ」してしまうアレで、ウィキペディアには簡潔に、「歌または音楽の一部分が心の中で強迫的に反復される、俗にいう『音楽が頭にこびりついて離れない…

自転車レーンもけっこう危ない

非常事態宣言が地域によって徐々に解除されつつあるフランスでは、公共交通機関を避けて通勤したいという人が自転車通勤を選択するようになり、自転車が品薄になっているというニュースに接しました。私も出勤しないと仕事にならない(家が狭すぎてオンライ…

授業料の減免を!

昨日の国会で、野党四党が新型コロナウイルス感染症の影響で経済的に困窮する学生を支援する法案を提出していました。「授業料半額免除」、「アルバイト減収分補償」、「奨学金の返済免除」が柱だそうです。ぜひ実現に向けて検討を進めてほしいと思います。w…

あまりにも家が狭いので

在宅勤務やテレワークの期間が長期化するにつれて、その利点が様々な角度から論じられています。こうして否応なしに在宅勤務に追いやられてみると「なんだ、意外にできるじゃないか」と思った方が多いのだとか。あの長時間満員電車に揺られる苦行はいったい…

留学生のオンライン授業環境

今週は在校生と新入生、それぞれのクラスでZoomを使って「ホームルーム」を開いてみました。うちは専門学校の二年制専門課程なので、在校生(二年生)2クラス、新入生(一年生)2クラスの合計4クラスがあるので、時間を分けて都合四回開きました。学生は…

Zoom疲れ

オンライン授業(遠隔授業)への対応をするため、職場に必要な資料を取りに行って来ました。図書館も予約制で利用できるようになったので、必要な本をイントラネットで注文しておき、それを受け取るためでもありました。満員電車を避けて自転車で来てみまし…

オンライン授業をどうする?(その6)

オンライン授業(遠隔授業)への対応が不可避ということになってから、いくつかの授業内容(課題)を作ってきました。ただ、授業を行うこちらも初めての経験なら、受け手の学生さんたちも初めてのことばかり。いろいろと小さな行き違いがあったり、予想した…