インタプリタかなくぎ流

“Might come in handy one day.”

ことば

「プレッパー」ではなかった私たち

不要不急ならぬ「必要火急」の用事で都心に出た帰り、いつものスーパーに夕飯の材料を物色しようと立ち寄ったら、レジに長蛇の列ができていました。「あ、もしやこれは……」と思って売り場に回ってみると、案の定あちこちの棚が空っぽの状態に。ざっと見たと…

謝辞なんていらない

ネットで検索していたら、とある大学での卒業式における「謝辞」を見かけました。型通りのものとは全く違ったスタイルのその謝辞は、SNSなどでも「パンク」だ「ロック」だなどと形容され絶賛されていました。www.univ.gakushuin.ac.jp個人的にはこの謝辞で、…

ヨタへロ期

東京新聞の朝刊を読んでいたら、「ヨタへロ期」という言葉に遭遇しました。評論家の樋口恵子氏の造語で、健康寿命(自立して日常生活を送れる期間)と平均寿命の間の十年前後を指すのだそうです。加齢により様々な場面で自分の思うように行かないシチュエー…

「言の葉」のフィンランド

職場から業務は基本的に「テレワーク」として学校へは極力出てこないようにとのお達しがあり、通勤時間の浮いたぶん、これまで「積ん読」だったたくさんの本を消化できるようになりました。とくに大部の本はこうやってまとまった時間があるときじゃないとな…

フィンランド語 56 …受動態現在形

新型コロナウイルスの影響で二回ほど休講になったあと、ようやく授業が再開されました。「クラスター感染」を防ぐ意味からは、①小さな教室内で、②先生と生徒が密集して、③近距離で会話するのはどうかとも思いましたが……。一応学校の判断で、教室のドアは開け…

無邪気な冷笑

ジムでベンチプレスの休憩をとっているときに、トレーナーさんと「五輪は延期ですかねえ」という話になりました。新型コロナウイルスによる感染症が、WHOも「パンデミック」だと認めざるを得ないほど広がっている昨今。それでも「開催一択」といい続けている…

語学と辞書について

昨日は奉職している学校で教員のミーティングが開かれました。新年度を控えて、授業のスケジュールやカリキュラム、シラバスなどを確認する会議です。その場所で、ある日本語の先生からとても興味深いお話を聞きました。いわく「留学生が、ネットの辞書で調…

こまやかな中国語に憧れる

昨日は通訳学校秋学期の最後の授業日でした。この学校では最終日に、これまでの訓練の総仕上げとして外部から専門家をお招きして講演を行っていただき、その内容を通訳するという実習が行われます。昨日の講師は、中国の大学を卒業されたあと日本の大学院で…

自律的な学習って?

多くの学校が年度末を迎えるこの時期、私の職場でも今年度の総括と来年度の準備が始まっています。こうした年度や学期の変わり目によく行われるのが学生さんへのアンケート調査です。学校の授業や事務や設備、その他もろもろについて、感想や不満や要望など…

か・ち・も・な・い

体幹トレーニングや筋トレなどの「朝活」で通っているジムから、件名に【重要】と書かれたメールが次々に届きました。「2月29日の安倍首相の記者会見を踏まえて、弊社ではお客さまならびに従業員の健康と安全確保のため店舗の臨時休業を決定しました」とのこ…

お土産は籠の鸚鵡

先般、NHK『チコちゃんに叱られる!』の「岡村の嫁探し」について、その古い言語感覚はいかがなものか、というような文章を書きました。同じように感じておられる方は多いんじゃないかなと思い、何らかの動きがあるかしらと変な意味で先週の放送を意味で楽し…

体育会系

子供の頃からスポーツが苦手でした。だからもちろん体育の時間が一番嫌いでした。でも小学生の頃は「男の子だったら野球をやっていて当然」というような同調圧力がありまして、好きでもないのにプロ野球の球団の帽子をかぶって、グローブも持ってましたね。…

ちょっと「ルンドゥン」まで

JR山手線に乗っていたら、車内の動画ディスプレイでANAの広告が流れていました。西島秀俊氏が出演する「ANA国際線でどこいく?」というCMです。YouTubeでも見ることができます。ANA国際線でどこいく?(30秒)この広告を見て「おおっ?」と思ったのは、西島…

いまどき「嫁探し」だなんて目も当てられない

私は「嫁」という言葉が好きではありません。特に「うちの嫁」とか「嫁にもらう」などといった物言いが大嫌いです。とはいえ、私の周囲にもお連れ合いのことを「嫁」と呼ぶ人は存外多く、かといってそのたびに「その言い方に違和感をお覚えではないですか」…

歌って楽しむ外国語

図書館で借りた黒田龍之助氏の『外国語の水曜日―学習法としての言語学入門』という本を読んでいたら、「歌は外国語の学習に多大な効果をもたらす。発音練習にもいいし、文化に触れることにもなる」と書かれていました。たしかにそうかもしれません。私もかつ…

「セイメイ」か「セ―メー」か

先日「はっ酵乳」という表記について書いたところ、サバねこ主義 (id:kgrapevine)さんからコメントを頂戴しました。「表記に関しては、メーカーごとに統一のルールがあるので、色々なクライアントの仕事をするコピーライターにとってはなかなかややこしいで…

自分をいったん括弧に入れる必要

都内の日本語教室で社会人向けのクラスを担当している同僚からこんな話を聞きました。仕事で来日した外国人やその家族のために区役所が開設している、まだほとんど日本語を話せない方向けの初級クラスでの話です。「相手の家族についてたずねる」というロー…

はっ酵乳

朝ごはんに食べたヨーグルトの紙パックを洗っていたら、側面に書かれた文字が気になりました。「はっ酵乳」とあります。「発酵」をなぜ「交ぜ書き」にする必要があるのかなと思ったのですが、これはもともと「醗酵」が正しくて、「醗」の字が常用漢字に入っ…

語学の「順序」と「戦略」について

先日、語学を継続させるコツは「その場その場で完璧を目指さず、未消化でもとりあえず先に進む」ことではないか……というようなことをブログに書きました。ブログを更新するとTwitterにも投稿するようにしているので(もはやその機能以外Twitterはほぼ使わな…

語学はあとから「じわっ」と染みてくる

ほそぼそと学習を続けているフィンランド語、『suomea suomeksi(フィンランド語をフィンランド語で)』という教科書の第1冊目をようやく学び終えて第2冊目に入ったので、これを機に「単語の棚卸し」をしてみました。先生からも「フィンランド語はとにかく…

能楽を外語で発信することについて

一昨日は休日だったので、東京は千駄ヶ谷の国立能楽堂へお能を観に行きました。能楽堂へ向かう途中、交差点で何やら困ったご様子で佇む海外からの観光客とおぼしきご婦人が。「あ、これはたぶん……」と思って声をかけたら、予想通り能楽堂へ行く道が分からな…

フィンランド語 55 …条件法

動詞にまつわる新しい文法事項として「条件法(仮定法)」を学びました。条件法には①現在形と、②完了時制があるそうです。授業で学んだ例文はこのようなものでした。 ① Jos tietäisin, sanoisin. もし知っているなら、言っているだろう。 ② Jos olisin tienn…

漢字にルビ振りゃいいってもんじゃないです

学校の健康管理センターから「留学生に周知されたし」とのことでメールが届きました。新型コロナウイルス感染症の流行に対する学校の対応方針を伝えるためのものです。必要に応じて配布や掲示をするための説明文が添付されていたのですが、これが非常に興味…

こんなに尻尾を振っているのにね

昨日の朝刊紙を読んでいたら、アメリカのトランプ大統領による一般教書演説の記事が大きく載っていました。演説前にペロシ上院議長が差し出した握手の手をトランプ氏が無視しただの、演説後にはペロシ氏が演説原稿を破り捨てただの、どこかの国に負けるとも…

文章の書き方を学ぶ

中高年と呼ばれる年齢になり、どんどん衰えていくカラダとアタマに恐れをなして、これは鍛えるに如くはなしと思い立ったのがちょうど二年くらい前でした。以来、カラダのほうは体幹トレーニングや筋トレを、そしてアタマのほうはこのブログを書き続けるとい…

中国語を話すと大声になる?

お昼ごはんを作りながらテレビをつけていたら「中国人観光客はなぜ声が大きいのか」という話題をやっていました。そもそも「〇〇人はこう!」と一緒くたに語ること自体にあまり意味はないように思います。でも、正直に申し上げれば、私自身の経験からしても…

「日本語を話す外国人」という存在がよくわからない?

インターンシップという制度があります。学生さんが一定期間企業などで「就業体験」をすることです。実はうちの学校にもこの制度がありまして、主に日本での就職を希望する留学生が、短い期間ながら様々な業界の企業におじゃまして、日本企業での仕事の進め…

一律に排除することへの違和感

新型肺炎のニュースが毎日大々的に流される中、私としては職場の同僚である中国人や、日本に留学中の中国人に、差別的な言葉が投げつけられないだろうかというのが気がかりです。SARSの時もそうでしたが、「正しく知り、正しく怖がる」ことができずに、中国…

「募ってはいるが募集してはいない」という発想

昨日Twitterで、こんなツイートを目にしました。毎日新聞写真部の公式アカウント(@mainichiphoto)によるものです。参院予算委員会で「#募る」と書かれた資料を手にする安倍晋三首相です。「桜を見る会」を巡る問題で、自身の地元事務所が「功績」などと無…

語学の「見取り図」

中国語を学び始めて何年ぐらい経った頃でしょうか、あるとき「中国語とはこんな言語だ」という大まかな姿が見えてきたような感覚になったことがあります。最初は山の麓の樹海にいて周りの視界がまったくきかなかったところから、中腹まで登ってきて周囲の状…