インタプリタかなくぎ流

“Might come in handy one day.”

ことば

日本語のアウトプットに消極的なのはなぜ?

私が勤めている学校のひとつは、学生が全員外国人留学生です。母語は中国語、英語、タイ語、スペイン語、ベトナム語、イタリア語、ミャンマー語、スウェーデン語、ロシア語……と実にさまざま。ビジネスレベルの日本語習得を目指すと同時に、通訳や翻訳の訓練…

これからの男の子たちへ

昨夜遅く、録画しておいたテレビ番組を見ようとテレビをつけたら、ドラマ『半沢直樹』をやっていました。これまで一度も見ていないので話の筋はわからないながらも、なんだかテンポよく「謎の解明」みたいなのが続くのでしばらく見ていました。が、登場する…

バカに絵は描けない

私は学生時代、美術大学の彫刻科で学んでいました。サラリーマンになるのがいやで「俺はアーティストになる!」と息巻き、浪人までして入った大学でした。アーティストになるんですから、当然教職課程も取らなければ就職活動にも無関心でした。けれど一年、…

中国語のあまりに巨大な存在感について

何十年か前、はじめて香港へ行ったときのこと、とあるお茶屋さん(茶葉の販売店)で中国語(北京語)を使ったら、あからさまに無視されたことがありました。何度話しかけても、まるで私がそこにいないかのように無視をする。私も海外ではいろいろな目に遭っ…

語学の達人の言葉に注意する

先日、フィンランド語のオンライン講座に出ていたら(最近はずっとオンライン)、先生がかつての教え子でフィンランドに留学し、現在はあちらで結婚されている方の新聞記事を紹介してくれました。その生徒さんはその昔、私たちと同じように週に一回のフィン…

あきらめる技術

ハ・ワン氏の『あやうく一生懸命生きるところだった』を読んでいたら、「ホンデ病」という言葉に出会いました。韓国で、美大を目指す受験生たちがかかる不治の病ーーというのはもちろん諧謔で、入試の競争率が極めて高い難関美大への挑戦を何年もくり返して…

スポーツにおける暴力

先日、夕刻に何気なくテレビをつけたら、NHKの『鶴瓶の家族に乾杯』という番組で過去の総集編みたいなのをやっていました。たまたまそこにプロレスラーのアントニオ猪木氏が登場し、氏のトレードマーク(?)である「ビンタ」を街で出会った人につぎつぎとか…

“好朋友”と“老朋友”

ネットで「中国語の“好朋友(親友)”は死語?」という話題に接しました。とある学校で教えておられる中国語の先生が「この単語はあまり使わないから」と教科書にある“好朋友”の入った例文を教えないのだそうで、すでにこの言葉は古くなってしまったのかと。…

Duolingoにフィンランド語が登場

すでに1500日以上英語学習を楽しませてもらっている外語学習アプリのDuolingoに、なんとフィンランド語版があるのを発見しました。英語でフィンランド語を学ぶバージョンで日本語には対応していませんが、どうせ(?)英語学習も続けるので一石二鳥です。Duo…

フィンランド語 62 …受動態条件法現在形

先日来、受動態の現在形・過去形・過去分詞を作る練習をしてきました。そのなかでも受動態の過去形を作れるかどうかが今後の学習のポイントになるという話が授業でありました。例えば「lukea(読む)」なら…… lukea(原形) luetaan(受動態現在形) luettii…

フィンランド語 61 …受動態と能動態のまとめ

ここのところずっとフィンランド語の「受動態」を学んできました。受動態というと英語や中国語でも出てきたそれを思い出しますが、フィンランド語の場合は「受動態」というイメージには収まりきらないかなり幅広い範囲の表現になり、なおかつ話し言葉で多用…

フィン語だのフラ語だのチャイ語だの

群ようこ氏の小説で映画にもなった『かもめ食堂』にこんな記述があります。 暇な青年はひょこひょことミドリの手元をのぞき込みにきた。 「コレハ、カンジ」 鮭の字を指差した。 「そうです」 「コレハナンデスカ」 きっとフィン語で何かと聞いているのだろ…

茂木外務大臣の言語観

茂木敏充外務大臣が先日の記者会見で、ジャパンタイムズの記者の質問に対して英語で聞き返し、さらには答えをはぐらかした上に「日本語、分かっていただけましたか」などと発言して批判を集めていました。外務省のウェブサイトにはその会見記録が載っていま…

「生→老病死」というベクトル

昨日の東京新聞朝刊に、宮子あずさ氏のコラム「差別への抑制を取り戻そう」が載っていました。権力者の心性が人の心の闇を引き出すという指摘は本当にその通りで、第二次安倍政権が私たちの間にもたらした大きな負の遺産の一つがこの「人々の分断を深め、差…

「英語の学び方」入門

新多了氏の『「英語の学び方」入門』を読みました。第二言語習得研究の知見を踏まえて効果的な英語の学び方を指南する一冊ですが、手っ取り早い英語(あるいはその他の外語)上達の秘訣を教えてくれる本ではありません。この本が主張していることをちょっと…

まずは語らずに聞く

「マンスプレイニング(mansplaining)」という言葉があります。男を意味する“man”と、説明・解説を意味する“explain”をつなげた造語で、「一般的には『男性が、女性を見下すあるいは偉そうな感じで何かを解説すること』(Wikipedia)」です。日本でこの言葉…

フィンランド語 60 …動詞活用ワークシートの改良

ほそぼそと続けているフィンランド語の学習、仕事が忙しい時でもとにかく①単語の暗記と、②格変化と、③動詞の活用だけは日課として行っています。このうち、③の動詞の活用はいまのところ…… 現在形(肯定・否定) 過去形(肯定・否定) 現在完了形(肯定・否定…

今日の業を成し終えて

「遠き山に日は落ちて」という歌があります。ドヴォルザークの交響曲第九番「新世界より」第二楽章に出てくる主題に歌詞をつけたもので、作詞者は堀内敬三という人です。ウィリアム・アームズ・フィッシャーという人が作詞した合唱曲「家路」が元になってい…

ゴムの伸び切ったような人間になってはいけません

ブログ『脇見運転』の酔漢さんが、かつて恩師に言われたという「丁字型の人間を目指してください」という言葉を紹介されていました。そのこころは「丁の縦棒は専門性を深く掘り下げること、横棒は専門以外の知識を広く浅く身に付けること」だそうで、なるほ…

詩の引用がカッコいい

しつこく能『融』と中国の詩についてです。この能には、もうひとつ中国の詩が引かれています。それは賈島の『題李凝幽居』に出てくる“鳥宿池中樹/僧敲月下門(鳥は宿す地中の樹/僧は敲く月下の門)”です。 賈島「題李凝幽居」 相原健右・訳 閑居少鄰竝 静…

能『融』と蘇軾の『水調歌頭』

昨日書いた能『融』の舞について、続きです。能の終盤に出てくるこの舞(早舞)は、秋の月光に照らされながら源融(みなもとのとおる)の亡霊が月を愛でつつ舞うというシーンで、静かに「遊興」の境地を楽しむような風情を感じさせる(師匠の受け売りです)…

必ず誰かを救う

厚生労働省が提供している、新型コロナウイルス接触確認アプリ「COCOA」をスマホに入れました。Bluetoothを使ってアプリ利用者同士の接触を記録し、接触者から陽性者が出た場合にお知らせしてくれるというものです。www.mhlw.go.jp 諸外国でも同様のアプリの…

体育会系的な「自分」について

パーソナルトレーニングのジムに通っていて、トレーナーさんたちがご自分のことを「自分」とおっしゃる割合が高いことに気づきました。そうやって気づいてみると、男女を問わずトレーナーさんは「自分」とおっしゃる方が多いような。加えて、周囲でトレーニ…

Duolingoに課金しようかな

毎朝通勤電車の中で細々と続けている「Duolingo」の英語、連続日数が1500日になりました。このところずっと「ダイヤモンドリーグ」で、毎週だいたい20位から30位ぐらいのところでリーグ残留になっていて、毎日リーグ落ちしないくらいの学習量を継続していま…

フィンランド人の英語

『フィンランド人はなぜ「学校教育」だけで英語が話せるのか』という本を読みました。確かにフィンランドを旅行すると、特に都会ではどこに行っても英語が普通に通じます。田舎に行くと、年配の方々には「英語は苦手なの」とおっしゃる(とはいえ私などより…

重力は裏切らない

「人は裏切るけど、ダンベルは裏切らない」。これは確かTestosterone氏の名言だったと思います。「ダンベル」じゃなくて「バーベル」、あるいは「筋肉」だったかもしれません。でもとにかく、時と場合と立場と都合でいかようにも変わりうる人間の心に比べて…

「レッドスキン」をめぐって

新聞に、興味深い記事が載っていました。アメリカンフットボールのプロリーグ・NFLで、「ワシントン・レッドスキンズ」というチーム名が「先住民を侮辱している」と批判され、改名を検討しているという記事です(東京新聞7月5日朝刊)。私はアメフトに全然…

あいうえおの歌

第二次世界大戦時の1942年から1945年にかけて出版された、『FRONT』(フロント)という大判のグラフ誌があります。原弘、木村伊兵衛など、後に昭和を代表するデザイナーやフォトグラファーとなるメンバーが所属していた、大日本帝国陸軍参謀本部の直属出版社…

フィンランド語 59 …受動態の過去分詞

受動態の現在形と過去形まで学びましたが、この過去形から過去分詞を作ることができます。フィンランド語では過去の否定は「否定辞+過去分詞」なので、これで「受動態過去形の否定」ができるわけです。つまり「〜されていなかった」というような文? おっと…

フィンランド語 58 …受動態過去形

引き続き受動態を学んでいます。受動態というと、大昔に学んだ英語では「be動詞+過去分詞」で「He drew the picture. → The picture was drawn by him.」みたいな、日本語で言えば「〜される」というまさに受け身的な捉え方をしてしまうのですが、フィンラン…