インタプリタかなくぎ流

“Might come in handy one day.”

ことば

文化に興味があるわけじゃない

先日、フィンランド語のオンラインクラスに出ていたら、先生が「私は別にフィンランドの文化や観光に興味があってフィンランド語をやったわけではないので……」とおっしゃっていました。ではどんな動機で学ばれたのかについては聞けなかったのですが、たぶん…

フィンランド語 128 …可能法現在形と完了形

新しい文法事項として「可能法」というのが出てきました。「おそらく〜だ」とか「〜かもしれない」といった意味を表します。これは基本的に書き言葉でしか使われないとのこと(例えば物語を朗読しているときなどには使われることも)です。断定を避けるとい…

フィンランド語 127 …日文芬訳の練習・その48

電動キックボード、ちょっとした移動には本当に便利なんですけど、渋谷周辺での社会実験は今のところあまり評判がよくないようです。ヨーロッパの都市では自動車が制限されている区域もあって、こういうシェアライドのサービスも馴染むのかもしれませんが、…

「ろう通訳」の生放送

この夏は東京オリパラが「強行」されましたが、私はまったく興味がなく、多額の税金をはじめとした社会のリソースを、コロナ禍への対応後回しでつぎ込むオリパラ自体に反対でしたので、それこそ一瞬たりとも見るものか! ……と、ちょっと変な意気込みでひと月…

職人といえば日本?

既存の教科書を美しくデザインし直すことで、学習の効率や学生のモチベーションを上げようというプロジェクトに取り組んでいる台湾の方が、講演で“當我們想到教育會想到芬蘭,當我們想到職人會想到日本(教育といえばフィンランドを思い浮かべますし、職人と…

あとから振り返ることでしか理解できない

ジムのパーソナルトレーニングで、ベンチプレスのバーを強く握らないようアドバイスされました。強く握ると、手首周りにばかり力が入って身体全体で押せなくなるのだそうです。バーは手のひらで支えるだけ、くらいの意識でやってくださいと。ラットプルダウ…

ネイティブのようにはなれないけれど

私は中国語が流暢ではありません。発音が死活的に重要な言語であるのに、その発音もあまり美しいとはいえません。話すことはできますし、仕事でも使っていますが、「ネイティブ」と呼ばれる母語話者からすれば、すぐに「ああ、どこか外国の人ですね」と分か…

『ブラタモリ』の解説者の話し方

昨晩NHKの『ブラタモリ』を見ていたら、今回は信州・松本の回でした。松本は勤務先の「遠足」で何度か行ったことがありますが、いつも松本城だけ“走馬觀花(ざっと見るだけ)”なので、興味深く見ました。いつかもっとゆっくりと観光してみたいです。www.nhk.…

フィンランド語 126 …日文芬訳の練習・その47

「田舎(で)は」という部分を最初“maaseudussa”としていたのですが、“seutu(地域)”は具体的な「ここ」という場所ではないので所格を使って“maaseudulla”とするそうです。また「(自治体は)お年寄りの希望を尊重している」と書こうとして“kunta kunnioitt…

マッチ棒を借りに

フィンランド語の教科書は二冊目の終盤に差し掛かり、ほとんどの文法事項が出そろってきました(たぶん)。中国語で言うと、文法の大きな山である補語とアスペクトを学び終わった段階という感じでしょうか。この教科書を学び終えたあとどんな教材に移るのか…

フィンランド語 125 …日文芬訳の練習・その46

最初は作文中で“rokote”と書いていたのですが、実際にスマートフォンのアプリに出てきたのは“rokotus”でした。“rokote”は「ワクチン」で、“rokotus”は「予防接種・ワクチン接種」。これももう忘れないと思います。アプリには“rokotus/ワクチン接種・ワクチ…

歯列矯正をしてよかったこと

1年ぶりで歯の定期検診に出かけてきました。かつて歯列矯正をしたときに通っていた歯科医院で、矯正の終了後もずっとお世話になっています。いつも診てくださる先生が「あれ、もう1年経ちました? はやいなあ」と言っていました。私も同感です。というか、…

尾瀬ガイド協会の声明を読む

尾瀬ガイド協会がTwitterの公式アカウントで差別的なツイートを繰り返していた問題で、会長名による「差別的投稿の経緯・問題点・今後の方針」という文書が発表されていました。 oze.guide タイトルにもあるように、経緯、問題点、処分、今後の方針、そして…

無知であることの罪について

先日いろいろと考えさせられた「米国では(授業において)議論に参加しないのは『フリーライダー(ただ乗り)』だという意識がある」というお話。そして、それに比べて日本の学校では「クラス全体への貢献度」という考え方が非常に薄く、しかもそれは子供の…

フィンランド語 124 …日文芬訳の練習・その45

「ご存知でしょうか」に最初“tietää”を使っていたのですが、言葉を知っているということで“tuntea”に直されました。また、最後のフレーズを“muuttaa juomisen onnellisuudesta raittiuden onnellisuuteen”と、出格→入格にしていたのですが、動詞“muttaa”は目…

フィンランド語 123 …共格と具格

新しい文法事項として「共格」と「具格」が出てきました。いずれも書き言葉のみで使われる格ですが、先生によると、古いフィンランド語の形式を残しているものなんだそうです。 共格 その名の通り、主に「〜と共に」を表す格です。これまでは“属格+kanssa”…

フィンランド語 122 …日文芬訳の練習・その44

「絞める(殺す)」の“tappaa”を一人称単数の過去形にした時、なぜか“tapasin”としていて、添削で“tapoin”に直されました。確かに“tappaa → tapa + i → tapoi + n → tapoin”ですね。「天国へ行けない」というのは「地獄に堕ちる」ということで“joudun varm…

ソバーキュリアス

「ソバーキュリアス(Sober Curious)」という言葉があります。お酒を飲めないわけではないけれど、あえて飲まない人、素面(しらふ)でいたがる人、というような意味だそうです。『「そろそろ、お酒やめようかな」と思ったときに読む本』という、そのまんま…

マチズモを削り取れ

私がいまメインで奉職している学校は、もともと女子大だった建物を利用しているためか(現在は共学になっています)、男性用トイレが極端に少ないです。必要最小限というのか、とてもミニマムな仕様というのか。あ、今日はちょっと尾籠なお話なので、ご勘弁…

批判はもちろん必要だけれども

先日このブログで、「あなたの家で食事を作っている人は男性ですか、女性ですか」という世論調査の問いに対して、「女性」と「どちらかといえば女性」を合わせると実に94%もの高率になるという新聞記事を紹介しました。つまり、ほとんど炊事をしない男性が…

ライティングの哲学

「書くのが苦しい」とおっしゃる4人の執筆者による『ライティングの哲学』を読みました。タイトル通り、書くことの苦しみから導き出されたそれぞれの「哲学」が語られていて、その哲学的思考の末にそれぞれがそれぞれの「書くことに対する諦念」みたいなも…

言語学バーリ・トゥード

川添愛氏の『言語学バーリ・トゥード』を読みました。私は氏のご本が発売されるたびにほとんど買って読んでいるのですが、今回はこれまでとはまた違った雰囲気の軽妙な文体で楽しめました。やっぱり言語学者というだけあって文章がお上手なのかしら……と思い…

「老害」を再生産させないために

いまのお仕事が定年になったら、そのあと何をしたいですか。先日トレーニングの休憩中に、トレーナーさんからそんなことを聞かれました。そうですねえ、また海外に留学して大学で学んでみたいです、と答えましたが、そうか、そういうことをお若い方から聞か…

フィンランド語 121 …日文芬訳の練習・その43

Tシャツの上に「〜と書いてあります」というのを、“kirjoittaa(書く)”ではなく“lukea(読む)”を使ってみました。「Tシャツの上に○○と読める」という方が「ネイティブっぽい」と以前教わったので。それから「人に聞かれる」というのも“minulta kysytään”…

エンパシーという知的作業

ブレイディみかこ氏の『他者の靴を履く』を読んでいたら、SNSについてこんなふうに書かれている一節がありました。 SNSがふだんの生活では信じられないような非人間的な言葉が渦巻く場所になってしまうのは、匿名で書けるからというより、あまりにピュアに「…

「この国」という主語の大きさについて

五輪関係の情報に一切接していません。もともと五輪には興味がなくて歴代の大会もほとんど見ていないのですが、今回はもう見ることそのものが自己欺瞞のような気がして、意識的に遠ざけています。新聞の五輪関連(メダルの数がどうしたこうした、日本選手が…

フィンランド語 120 …日文芬訳の練習・その42

「ヨーロッパの街を(歩いていた)」を最初は“Euroopan kaupungeissa”としていたのですが、内格の“kaupungeissa”だと「街(複数)の中で」で、所格の“kaupungeilla”にすると「街(複数)の通りで」というニュアンスになるそうです。ということで“Euroopan ka…

音感のよしあしと語学の向き不向き

昨日「音感が悪いと良い翻訳はできない」という作家・村上春樹氏のインタビューをご紹介したんですけど、私はこれ、語学全般についても言えるんじゃないかなと思いました。村上氏は「別に声に出さなくても、目で読みながら耳で聴く」とおっしゃっています。…

いい文章を読む

職場の図書館に行って新聞と雑誌をいくつか読みました。うちの学校の図書館は新聞や雑誌の「品揃え」がとてもよくて、内外のファッション・アートを中心に、文学や社会科学などのお堅い専門誌から、外国語の新聞まで最新版とバックナンバーが読めます。『人…

フィンランド語 119 …“panna”の慣用表現

“panna(置く)”はよく使う動詞ですが、教科書に慣用的な言い方がいくつか載っていました。 Panin pannun tulelle. 鍋をひとつ火の上に置きました。=鍋を火にかけます。 Panin perunat tulelle. ジャガイモを全部火の上に置きました。=ジャガイモを茹でま…