インタプリタかなくぎ流

いつか役に立つことがあるかもしれません。

40年ぶりで大学生になる

今年の秋に入学なので正式にはまだ学生ではありませんが、先日入学許可書を受け取りました。学生証も交付されるので、なんだかとても懐かしい、というか新鮮な気分です。学生証の「所属」には法学部法律学科と書かれていますが、実際には科目履修生で、図書…

さよなら腕時計

日常的にスマートフォンを持ち歩くようになって、腕時計というものを身につけなくなりました。中高生の頃から使うようになった腕時計、思えば長いつきあいでした。外出するときには靴を履くのと同じくらい無意識に身に着けていたものですが、あるとき「腕が…

文学を読む効用

昨日の東京新聞朝刊に、書評家・豊崎由美氏のコラムが載っていました。高校生や大学生を前に「読書の効用」について講演されたことが書かれていて、そこではこう述べられています。 映画も漫画もいいけど、一番想像力を培ってくれるのは小説。なぜなら具体的…

奪われた集中力

書店で偶然手に取った瞬間、「本に呼ばれた」気がしました。英国出身のジャーナリストで作家のヨハン・ハリ氏の『奪われた集中力』です。原題は“Stolon Focus”で邦題はこれにならったもの。副題には“Why You Can't Pay Attention ― and How to Think Deeply …

Google封土から抜け出す試み⑤……Chromeから乗り換える

Googleのさまざまなサービスを使う「土台」ともいうべきものが、ブラウザのChromeです。こちらのサイトによれば、今年の6月時点でChromeのマーケットシェアは68.32%。圧倒的と言ってもよいかと思います。 Source: StatCounter Global Stats - Browser Marke…

Google封土から抜け出す試み④……YouTubeから降りる

プライベートでGoogleを使うのをやめてみるという試み、お次はYouTubeのアカウントを削除しようと思いました。私は語学関係の仕事をしていて、YouTubeの、特に語学系や報道系のチャンネルには日々お世話になっています。以前は語学や報道のみならずさまざま…

Google封土から抜け出す試み③……カレンダーアプリを探す

個人用のメールはすべてGoogleから切り離すことができたので、こんどはカレンダーアプリを探すことにしました。実はtutamailにもカレンダーアプリがついているのですが、正直に申し上げて使い勝手が(あとデザインも)今ひとつです。それで他をあたろうとい…

Google封土から抜け出す試み②……メールアドレスを更新する

gmailからtutamailに乗り換えることにしたので、銀行・証券会社・信販会社・ライフライン・その他さまざまなネット上のサービスに登録しているメールアドレスをすべて更新しました。数えてみたら、60あまりもありました。けっこうな量です。これでも、この春…

Google封土から抜け出す試み①……メールサービスを変える

先日、勤務先の管理部門から、教職員用のパソコンを学外に持ち出す際には定められたルールを遵守するようお達しがありました。パソコン自体の紛失や破損ももちろんですが、個人情報の漏洩など社会的信頼を損ねるような事態を未然に防ぎましょう、というわけ…

ネットのない時代に行きたい

職場の図書館でたまたま手に取った雑誌『AERA』で、ブレイディみかこ氏の「ネットのない時代に行きたいという英国の若者が増えている」という内容のコラムを読みました。さもありなん、と思いました。かく言う私も、ここのところずっと、インターネット上の…

iPhoneで自宅が特定されていました

先日都心に出た際に iPhone で Google Maps を使おうとして、一番上にある「ここで検索」欄をタップしたら自宅の住所が検索候補として表示されることに気づきました。Google Maps のアプリはもちろん、Google のアカウント自体にも自宅は登録していないのに…

SNSとコンビニは似ている

「サントリー天然水」の1リットル入りペットボトルが、売上げ5割増しになったーーという話を聞きました。社会人が「職場での1日ぶんの水分として毎朝出社前にコンビニで購入する」ことを想定したリニューアルが、奏功したのだそうです。このリニューアル…

ボタンつけ

職場でオンライン授業を終えて、帰る前にネクタイを外してワイシャツからTシャツに着替えようとしたら(外はすでに猛暑ですから)、袖口のボタンが取れてしまいました。このままクリーニングに出すわけにもいかず、ちょうど職場の100周年記念でもらったソー…

「長嶋さんの記事ばかり」と「野球部はクソ」をめぐって

元プロ野球選手の長嶋茂雄氏が亡くなったあと数日して、東京新聞の朝刊に社説としてはめずらしい「いいわけ調」の文章が載っていました。「長嶋さんの訃報を大きく扱うことで、ほかのニュースをおろそかにしたわけではありません」。「長嶋さんの記事ばかり…

オートメーション・バカ

昨年、久しぶりにマニュアルの自動車を運転する機会がありました。もう何十年もオートマ車にしか乗っていなかったので、教習所で単発の訓練をお願いしたのですが、マニュアル車の運転技術を存外「身体が覚えていた」ことに驚きました。qianchong.hatenablog.…

韓国トロットと、台湾音楽シーンの「分断」

先日の東京新聞朝刊に「韓国トロット」についての記事が載っていました。私はこの「トロット」について初めて知ったのですが、調べてみたら、もうずいぶん前から韓国の音楽シーンでは大きな流れになっていたようです。記事にもありますが、K‐popと同時並行的…

ネット・バカ

ここ数年ほど、ネットへの常時接続と、それによって引き起こされるアテンション(注意喚起)の洪水から身を守ろうと、いや身だけでなく心あるいは精神をも守ろうと努力してきました。「努力」だなんて大げさな、と思われるでしょうか。でも優柔不断な私にと…

オンライン上

新聞を読んでいたら、とある記事で「オンライン上」という言葉が使われていて、かすかな違和感を覚えました。「オンライン」は“on(-)line”だから、“on”と「上」が重複しているんじゃないかなと。この記事では「オンライン上で簡単に検索できる」となっていま…

Amazonに誘導しない

WirelessWire News に掲載されていた、yomoyomo氏のこちらの記事。SNSやアテンション・エコノミーの問題について興味のある私のような人間にとっては、とても刺激的で読みごたえのあるものでした。関連する記事や書籍へのリンクも豊富で、片っ端から読破した…

天龍発言

「500人バカにする人がいたら、500人応援する人がいる」という、プロレスラー・天龍源一郎氏の名言ではありません。「私はコメは買ったことはありません。支援者の方々がたくさんコメを下さる。売るほどあります、私の家の食品庫には」と政治資金パーティー…

自己啓発本の危うさ

世に「自己啓発本」と呼ばれる一群の書籍があります。私もこうした本の数々に手を出していた時期があるんですが、あれらは読んでいると不思議な高揚感や謎の全能感などに包まれます。おそらく「ここに真理がある!」とか「これをやれば成功できる!」みたい…

どんぶり勘定から抜け出すために

若い頃から「どんぶり勘定」人間でした。だから給料日前になるといつも金欠状態に陥って、かつかつの暮らしに追い込まれるのが常でした。それで家計簿などつけてみようと何度か奮起したものの、一度も長続きしたことがありませんでした。しかし、職場の指示…

Googleの劣化

昨晩、BS-TBSの『報道1930』をたまたま見たら、先日読んだヤニス・バルファキス氏の『テクノ封建制』が紹介されていて、同書の解説を担当されている経済思想家の斎藤幸平氏がゲスト出演されていました。ここ数年のあいだ、アテンション・エコノミーへの危機…

騒がしさから離れて孤独になること

谷川嘉浩氏の『スマホ時代の哲学』を読みました。副題に『「常時接続の世界」で失われた孤独をめぐる冒険』とある通り、これは私たちの時間と関心をどんどん奪っていくアテンション・エコノミーが猖獗を極める現代において、私たちがいまとこれからをどう生…

「推し」のいない私

とある台湾人留学生とおしゃべりしていて、いわゆる「推し活」の話になりました。この留学生はミュージカルが好きで、劇団四季などの有名どころはもちろん、その他の公演にも足繁く通い、また特に宝塚歌劇団のとある俳優さんを「推し」ていて、私設ファンク…

さよならAmazon

職場で使う語学の教科書をAmazonで購入し、配達先を職場に指定していたら、配達日の昨日になっても届きませんでした。「本日お届け予定です」というメールも受け取っていたのに変だなと思っていたら、今日になってウェブサイトの配送状況に「問題が発生しま…

『ふつうの会社員が投資の勉強をしてみたら資産が2億円になった話』

斗比主閲子(トピシュエツコ)氏の『ふつうの会社員が投資の勉強をしてみたら資産が2億円になった話』を読みました。以前から氏のブログを拝見していたのですが、この本でも共感する内容があちこちに。たとえば「いっそのこと結婚したほうがダブルインカムで…

音読リハビリの必要

歳を取ると「呂律(ろれつ)が回らなくなる」といいます。もちろん個人差がありますし、本当に呂律*1が、それも急に回らなくなったら、脳や神経の疾患を疑うべきですが、そこまでひどくはなくても、以前のように舌を滑らかに動かしにくくなり、言葉が不明瞭に…

歴史に学ぶ「未来」の作り方

先日、韓国の憲法裁判所が尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の罷免決定を言い渡した際、私はYouTubeでいくつかのライブ映像を同時並行的に見ていました。韓国の公共放送KBSと、日本語への同時通訳を行っていた日テレ、それにオーマイニュース日本特派員の朴…

肩の力が抜けた未来

加藤典洋氏の『3.11 死神に突き飛ばされる』ではもうひとつ、巻頭に収められた「『追い抜かれる』という新しい経験」という文章にも、自分の気持ち的にはとてもしっくりとくる表現がありました。2010年第2四半期のGDPで、日本がはじめて中国に追い抜かれた…