インタプリタかなくぎ流

いつか役に立つことがあるかもしれません。

2021-11-01から1ヶ月間の記事一覧

フィンランド語 143 …口語ことはじめ

二冊目の教科書の最後に、フィンランド語の口語に関する初歩的な解説が載っていました。これまで延々文法を学んできて、最後に「でも実際に話されるときにはまた別の形があるんですよね」と奈落の底に突き落とすような感じ、嫌いじゃないです。人間の話す言…

お酒をめぐる問題に対するスタンス

お酒を飲まなくなってついに100日を超えました。日数を覚えているのは習慣化するために毎日記録をつけているからですが、最近ではその記録を忘れてしまっても飲みたいという気持ちが起こらなくなるまでになりました。もう完全に習慣化できたと思うので記録は…

日本で初めて(たぶん)のソバーキュリアス専門書店

今年の4月から「棚主(たなぬし)」として利用させていただいている、東急世田谷線松陰神社前駅近くの「100人の本屋さん」。売り上げより維持費のほうが上回っていてほとんど道楽のようになっていますが、ほかの「本屋さん(本棚)」もどんどん増えて充実し…

フィンランド語 142 …日文芬訳の練習・その58

中国人留学生を観察していると、日本語の長音や促音が苦手なことに気づきます。中国語にはそのような音がないので、例えば「コピー」を「コピ」、「切手」を「きて」と話したり書いたりします。私は以前フィンランド人と話したときに、何人かから「発音がい…

消費ミニマリズムの倫理と脱資本主義の精神

資本主義と、これまでの資本主義が大いに寄りかかってきた大量生産大量消費の行き詰まりを見据えて、「脱資本主義の精神」をミニマリズムに求めてみるという野心的な一冊です。マックス・ヴェーバーの『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』を本歌…

フィンランド語 141 …第五不定詞

新しい文法事項として「第五不定詞」というのが出てきました。これは動詞の語幹に“mAisillA”がついたものに、さらに所有接尾辞(ni, si, An, mme, nne, An)がついたもので、「〜しそうになる」「〜しかける」「まさに〜しようとしている」といったような意…

放っておくとすぐに体重が減る

ほぼ毎日ジムに通っているので体調はとても良いのですが、先日体重を測ったら少し減っていました。けっこう身体を動かしているので、ちょっと食べないでいるとすぐに体重が落ちてしまうのです。そういえば先週はかなり忙しくて、毎日夜遅く帰っていたのでろ…

フィンランド語 140 …受動態可能法

新しい文法事項として「受動態可能法」というのが出てきました。「おそらく〜されるだろう」という意味を動詞ひとつで表してしまえるものです。これまでに様々な動詞の形が出てきましたが、その多くが受動態の過去形から作るのでした。つまり、まず動詞の一…

下戸の夜

お酒を飲まなくなったので、最近は「下戸」に関する本を探しては片っ端から読んでいます。探して読んでみて初めて分かりましたが、世の中の下戸と呼ばれる方々は、「上戸」つまりお酒をたしなむ人々に対していろいろと複雑な感情をお持ちのようです。お酒が…

「すごみ」を感じる教科書

ほそぼそと続けているフィンランド語の学習は、とうとうほとんどの文法事項が出そろい、二冊目の教科書も終盤に近づきました。最終章の直前では、教科書の「本文」が教科書編纂者からのメッセージのような形になっていて、よくここまで頑張って学んできまし…

フィンランド語 139 …日文芬訳の練習・その57

急に寒くなってきたので、薄手のダウンジャケットを買いました。試着して購入を決めたら、店員さんに「このままのお渡しになりますが、よろしいですか」と聞かれました。「かまいません」と答えたら、店員さんはダウンジャケットをくるくると丸めてフードに…

「説得的デザイン」によって「通知」されること

スマートフォンやパソコンには「通知」という機能があります。ポップアップウインドウで通知されることもありますが、私が最近気になっているのは画面上にあるアプリのアイコンに示される数字や小さな丸です。これが眼に入るや、見に行って処理しなければな…

フィンランド語 138 …欠格

基本的に書き言葉にしか現れない(文章を音読している時などを除いて)「具格」「共格」と学んできて、新たに「欠格」を学びました。これで15種類(単複合わせて30種類)の格がすべて出てきたことになります。欠格はその名の通り「~なしで」を表す格ですが…

オンラインの会議や授業がつらい

私がいまメインで勤めている学校は、系列の大学や専門学校などがひとつのキャンパスにまとまったているところです。その大学では最近、感染状況が落ち着いてきたことを受けて、学生さんはもちろん、学生さんの親御さんからのクレームが急増しているという話…

袋がまったくなくて清々しい

買い物をするとき、とくにスーパーのレジであの「薄いビニール袋」との戦いをえんえん繰り広げてきた私。最近はいずこのスーパーでも白いレジバッグこそ有料になりましたが、あの薄いビニール袋はあいかわらず大量に消費されています。野菜も生鮮品のパック…

言葉を発見したからこそ続く

ふっつりとお酒を飲まなくなってから、きょうで90日になります。3ヶ月もお酒を飲まなかったのは、もちろん初めて。そして、あんなにお酒が好きだったのに、いまでは不思議なほど「飲みたい」と思わなくなりました。ここ10年ほど血圧が高くなってきたので、も…

発表会の非日常

きょうは一年に一回のお能の発表会です。今年は五月に国立能楽堂で大きな会が催される予定だったのですが、ちょうどコロナ禍の緊急事態宣言が発令されたところで、直前で中止になってしまいました。その日のためにお稽古していた舞囃子『邯鄲』は来年以降に…

フィンランド語 137 …日文芬訳の練習・その56

とある日本語学校の先生と話をしていて「中国人留学生がよく舌打ちするんだけど」という話題になりました。日本人にとって舌打ちは「不満」や「不快」を表すサインですから、かなりインパクトがあります。でも中国人にとっては、ほとんど言葉の息継ぎや句読…

村上春樹氏の『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』をめぐる「10年で変わったこと・変わらなかったこと」

加藤典洋氏の評論集『村上春樹の世界』を読んだので、『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』を再読しました。確かこの前読んだのは東日本大震災の年だったと覚えているので、ちょうど10年ぶりで読み返したことになります。この小説を最初に読んだ…

はてなブロガーに10の質問

はてなブログ10周年特別お題「はてなブロガーに10の質問」 ブログ名もしくはハンドルネームの由来は? 「インタプリタ」は「通訳者」です。私は通訳者としてはデビューが40歳代になってからと遅く、偉大な先達を仰ぎ見ながら常に三流であることを痛感してい…

退職後のことを考える

私と同い年の知人はパートナーがアメリカ人で、日本の大学で英語を教える仕事をしてこられたのですが、今年度いっぱいで完全に退職することにしたそうです。もともと歳を取ったらもうあまり働きたくないというお考えだったようですが、それ以上に英語が必要…

ベンチプレスでの気づき

ベンチプレスは長い間「壁」だった75kgが毎回挙げられるようになり、77.5kgも何度か成功するまでになりました。もっか目標は80kgです。死ぬまでに一度100kgを挙げてみたいものですねえ。 https://www.irasutoya.com/2018/10/blog-post_87.html先日77.5kgを挙…

退屈とポストトゥルース

アテンション・エコノミー(注意経済/関心経済)への問題意識から、いろいろと読んだ中の一冊です。退屈、ポストトゥルース、インターフェース、コンテクストなどをキーワードに、私たちがいかにSNSなどのネット産業に取り込まれ、自分の核をなくしつつある…

村上春樹の世界

一昨年に亡くなった文芸評論家の加藤典洋氏による村上春樹作品の評論集です。村上氏のデビュー作『風の歌を聴け』から2017年の『騎士団長殺し』まで、長編・短編を含めて時代を追う形で作品論や書評が収められています。 村上春樹の世界 (講談社文芸文庫)私…

フィンランド語 136 …日文芬訳の練習・その55

机の引き出しを掃除していたら、かつて使っていた銀行のキャッシュカードが出てきました。すでにネット銀行しか使わなくなっているので、とても懐かしい感じがしました。もう長い間、キャッシュカードはもちろん通帳も持っていません。ATMに並ぶこともなくな…

「ダサい」と「イケメン」に代わる定番の言葉

cakesで林伸次氏が「流行り言葉をなるべく使わない」というお話を書いておられました。「ダサい」「ヤバい」「超」「推し」……などなど、いま現在はすんなり伝わるのでつい飛びついてしまいがちな言葉も、時の流れの中で廃れていった先に読み返されるのは抵抗…

何もしない

英語の原題が“How to do nothing”、日本語版は『何もしない』。表紙も裏表紙も真っ白な装幀で、ミニマリズムの極地のような印象の本です。最初、書店で気になって手にとったときは、そのあまりの取っ掛かりのなさにいったん買わずにその場を離れたくらいでし…

お酒を飲める人も飲めない人も一緒に楽しめる

お酒を飲まなくなって二ヶ月あまり。最初の頃こそスーパーのお酒売り場などで「ぐらっ」と心が揺れることもありましたが、最近はまったく平気になりました。私の場合は飲めない体質ではないので、たぶん今でも飲もうと思えば飲めるはずですが、なぜかちっと…

知らない単語こそ聞こえる?

先日フィンランド語のオンライン授業で、先生が「単語を覚えてください。そうすればリスニングのときに、知らない単語が浮き上がって聞こえてきます」とおっしゃっていました。外語学習ではよく「知らない単語は聞き取れない」と言われるのです、先生は「知…

三菱銀行のキャッシュカード

いつも古本を買い取ってもらっているバリューブックスさんが『11月の大掃除』と銘打って「送料無料 & 買取額15%アップ」というキャンペーンを行われています。年末の大掃除時期には大量の古本が殺到して大忙しになるので、早めの大掃除で読まなくなった本や…