インタプリタかなくぎ流

“Might come in handy one day.”

「すごみ」を感じる教科書

ほそぼそと続けているフィンランド語の学習は、とうとうほとんどの文法事項が出そろい、二冊目の教科書も終盤に近づきました。最終章の直前では、教科書の「本文」が教科書編纂者からのメッセージのような形になっていて、よくここまで頑張って学んできましたね、これでもうみなさんはフィンランド語の「免許皆伝」です……みたいなことは一切書いておらず、まだまだこれからもっと厳しい道程が続きますよ的な、ある意味「愛のある」メッセージが並んでいます。

先生によると、こういうふうに容赦ないというか、あけすけで包み隠さない物言いがとてもフィンランド人らしいんだそうです。でもまあそれは「おあいそ」や「お追従」みたいなことを言わないという気質でもあるようなのですが。個人的にはそういうの、好みです。……で、教科書の本文にはこんなことが書いてありました。

Täydellisen tai melko hyvän kielitaidon saavuttaminen vie uskomattoman paljon aikaa. Tämä tosiasia on hyväksyttävä ja jatkettava opiskelemista. Ei kannata luopua.
完璧な、あるいは非常に優れた語学能力へ到達するためには、信じられないくらいたくさんの時間がかかります。この事実を受け入れ、学び続けなければなりません。あきらめてはいけません。

この文章もそうですけど、その前後の文章も、これまでにこの二冊の教科書で学んできた文法事項が「これでもか」とてんこ盛りになって書かれています。これは明らかに編纂者が意図してそう書いているんでしょうね。中国語の教科書でも同じようなことを感じたことがありますが、こういうところが非常に心憎いというか、教科書編纂者の意気込みを感じるというか、そしてネイティブならではの「すごみ」を感じるところでもあります。

母語話者による教科書にも、それはそれでその言語を外語として学んできた経験が生かされているので素晴らしいものは多いですが、こういうネイティブの「すごみ」を感じさせる教科書に出会うと、私などは感動に近いものを感じてしまいます。この教科書は二冊目で終わりなので、次はどんな教材に移っていくのか分かりませんが、「優れた語学能力へ到達するため」にこれからもあきらめずに学んで行こうと思います。

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