インタプリタかなくぎ流

“Might come in handy one day.”

たび

清少納言を求めて、フィンランドから京都へ

いわゆる「アラフォーシングル」のミア・カンキマキ(Mia Kankimäki)氏が清少納言に魅せられ、休職して京都へ研究に赴く……というより安宿に「転がり込む」ようにして京都にやってきます。エッセイであり、紀行文であり、ご自身がフィンランド人であるだけに…

「何かをしなくてはいけない」から離れて

Twitterで燃え殻氏が紹介されていたこちらの張り紙、これは本当にそうだなあと思いました。前に青森の酸ヶ湯温泉に行ったときに貼ってあった言葉。音読希望。「何かをしなくてはいけない」という気持ちを捨てること、解き放つことが現代の湯治であるという人…

E75号線を北上してみたい

人生の残り時間を少なく感じてからというもの、たいした蓄えもないのに毎夏せっせと旅行に出かけていました。でも昨年はコロナ禍で果たせずじまい。今年の夏も、特に海外へ行くのはたぶん無理でしょうね。それで時々Googleマップを眺めては、旅への想像を膨…

サウナと「意識高い系」

私がブログを書いているこの「はてなブログ」には「今週のはてなブログランキング」というのがありまして、毎週楽しみにしています。カテゴリーはふたつあって、はてなブログ全体のランキングと、もうひとつは「増田」のランキングです。 blog.hatenablog.com…

你好小朋友 中国の子供達

ネットでたまたま見つけた動画を留学生の通訳訓練に使ってみました。1983年に出版された写真集『你好小朋友 中国の子供達』の写真家・秋山亮二氏の動画です。youtu.be一目見て、いいなあと思いました。子供たちの表情がとてもいい。この写真集は長らく絶版だ…

旅の効用 人はなぜ移動するのか

昨年ベストセラーになった、ハンス・ロスリング氏の『FACTFULNESS(ファクトフルネス)』に、「世界はどんどん悪くなっている」と考えてしまう「ネガティブ本能」について書かれた一章がありました。ネガティブなニュースは耳目を集めやすいためどんどん伝わ…

すでにして現地について行けてない

中国語に“入鄉隨俗”という言葉がありまして、日本語では「郷に入っては郷に従え」などと訳されます。華人留学生の通訳クラスでこの言葉が出てきたので、「みなさんが日本で、自分の国とずいぶん違うと思った生活習慣は何ですか?」と聞いてみました。会社の…

写真を撮ると記憶に残らない

脳はどうやらとてつもないリアリスト(現実主義者)のようです。先日読んだアンデシュ・ハンセン氏の『スマホ脳』には「脳は情報そのものよりも、その情報がどこにあるのかを優先して記憶する」という話が載っていました。 ある実験では、被験者のグループに…

東山魁夷氏の『白夜光』とクオピオのプイヨ・タワー

フィンランドのニュースサイト「yle」で偶然見つけた記事に、日本画家・東山魁夷氏の作品が載っていました。東部フィンランドのクオピオにあるプイヨ・タワーに氏の日本画作品『白夜光』を元にした版画が贈られたという記事(読解力に自信がないので、たぶん…

GoToキャンペーンの「はしたなさ」

とある新聞の投書欄に、こんな趣旨の意見が載っていました。「最近のテレビのワイドショーでは『GoToキャンペーン』の話題が花盛りで、いかに特典をうまく使うかの紹介を競っているが、本当に困っている人はそれどころではない……」と。私も、景気を刺激する…

若いうちに借金してでも食べておく

仕事で都心にでかけまして、お昼休みに仕事場近くのラーメン屋さんに入りました。このお店は十年以上前、一時期足しげく通ったお店でした。魚介豚骨系の濃厚な味が特徴のラーメン屋さんです。本当に久しぶりに入ったので、お店特製の「全部乗せ」的な一杯を…

「ケサモッキ」で酷暑を忘れたい

東京は極度に蒸し暑い日が続いています。七月までは異様に涼しくて、今年ならよかったと五輪関係者は悔しがったんじゃないかと心中お察ししていたんですが、八月の声を聞いた途端に野外でスポーツなんて人権侵害を疑われるくらいの酷暑。やっぱり来年も中止…

トラムの旅

何気なく録画予約しておいた、NHKの『ヨーロッパ トラムの旅』という番組を見ました。ベルリンのトラム(路面電車)から見える車窓の風景や、沿線の街並みなどが、音楽に乗って淡々と映されていくだけの番組。ナレーションは一切なく、テロップや字幕のたぐ…

フィンランド人の英語

『フィンランド人はなぜ「学校教育」だけで英語が話せるのか』という本を読みました。確かにフィンランドを旅行すると、特に都会ではどこに行っても英語が普通に通じます。田舎に行くと、年配の方々には「英語は苦手なの」とおっしゃる(とはいえ私などより…

マブイの行方

平野久美子氏の『牡丹社事件 マブイの行方ー日本と台湾、それぞれの和解』を読みました。日本が、その後半世紀にわたる統治(植民地支配)を始める20年以上も前、1871年に起きた「琉球民遭難殺害事件」と、それをひとつの口実にして1874年から始められた「台…

行けるうちに行こうと思っていた旅に行けない

中高年となり、人生折り返しどころか、へたをすると最終盤に差し掛かっているお年頃。周囲には「言霊ってこともあるから、よせ」と言われますが、人生の残りはそんなに多くないと常々思っています。もちろん長生きできれば「めっけもの」ですが、それだって…

フィンランドふうのシナモンロール

ずーっと在宅で勤務していると気が滅入るのでこまめに運動をしています。が、それでもなんとなく心身ともに不健康な感じがして、いつもより炊事に力を入れています。田舎で農業の真似事をしていた頃や、フリーランスの頃は二日と開けずパンやらケーキやらを…

サ道とサ旅

タナカカツキ氏のマンガ『サ道』の第三巻を読みました。今回も「サウナ大使」のサウナ愛が炸裂して面白かったですが、日本のサウナに多いドライサウナ、なおかつ騒がしくて明るすぎるサウナが苦手とおっしゃる部分、私も同感です。 マンガ サ道~マンガで読…

「ポエムになっちゃった」看板のその後

門司港駅周辺を散策してきました。以前来たときは門司港駅の修復工事中だったのですが、すっかりきれいになっていました。構内の改札口にこんな看板があって「これは!」と思い出しました。確か今年の夏頃にブログの記事を書いたことがあったはずです。 そう…

しまじまの旅 たびたびの旅 108 ……大声の店主さんと常連びいき

北九州に来たからにはおいしいとんこつラーメンを食べなければなりません。ということで、地元の老舗、東洋軒に行ってきました。このお店に来るのは多分十年ぶりくらいです。お昼時で、店内は超満員でした。ほとんどが近所の常連さんや家族連れという感じ。…

しまじまの旅 たびたびの旅 107 ……リノベーション系ホテル

冬休みに入って、北九州市の実家に帰省しました。実家に帰省といっても、うちの家は昭和のはじめに建てたという「歴史的建造物(歴史的価値はないけど)」で、泊まるのも不便かつ年老いた両親が寝具などを用意するのも困難なので、いつも市内のホテルに泊ま…

「Meck大叔」氏が紹介する「麵線」

留学生の通訳クラスで使う“實況錄音”(吹き込みではなく、実際に華人が話している実況録音)の教材、その多くはYouTubeで見つけたものなのですが、先日も教材になりそうな映像(+音声)を探していて、ものすごく変わったチャンネルを見つけてしまいました。…

オーバーツーリズム

先日、所用で東京は銀座に行く機会があり、帰りにユニクロでセーターを買おうと思ってGINZA SIXの前にある旗艦店に立ち寄ってみたら、ものすごい数のお客さんでごった返していました。エスカレーターにもエレベーターにも長蛇の列ができており、それに対応す…

すてきな朝食屋さんの必要

「日本の朝にはカフェがない」。同僚の英国人講師から聞いた話です。彼は日本人のお連れ合いと一緒にゲストハウスを経営していて、海外からの観光客を受け入れているのですが、お客さんから一様にこう言われるそうです。日本に朝食を食べに行けるカフェがな…

サウナのあるところ

ヨーナス・バリヘル、ミカ・ホタイネン共同監督の映画『サウナのあるところ』を観ました。サウナに関するフィンランド映画、という情報のみで映画館へ向かったのですが、静謐な雰囲気の中に深い味わいを残す素敵な作品でした。【以下、一部に映画の具体的な…

料理に合わせるノンアルコールの飲み物

ヘルシンキでは現代フィンランド料理のお店二軒に行ってみました。いずれも食材に自然素材やオーガニックなどを謳っていて、なおかつ芸術的な盛り付けで小さな料理をいくつも提供するコース、つまり会席料理みたいなスタイルのお店です。どちらもコースに合…

レイパユースト

この夏はフィンランドの田舎をレンタカーで旅行して、よく沿道のスーパーで食材を買い込んでいました。そのときに偶然買って食べたチーズがとてもおいしくて、すっかり気に入ってしまいました。見た目は「焼いたはんぺん」みたいなこのチーズ、名前は「leipä…

「外食の味が濃すぎてつらい」のその後

以前「外食の味が濃すぎてつらい」と独りごちたことがあるんですけど、最近はますますその傾向に拍車がかかってきてしまいました。特に東京は、どこで何を食べてもほとんどの場合味が濃すぎるというか塩辛すぎてつらいのです。いえ、これはお店のせいではな…

台湾の「お節介」おじさん

台湾の台北で、丸一日分ぽかっと時間が空いたので、基隆に行ってみることにしました。台北駅から各駅停車で45分ほど、“雨都”の異名を持つ港町基隆は今日も雨でした。そういえば以前に来たときも春の雨が降っていましたねえ。お目当ては奠済宮というお廟近く…

観光名所の人混みに酔う

フィンランドから帰ってきて、東京の人の多さに酔いました。歳を取ったからか、昔は何ともなかった人混みがとても苦手になったのは自覚していたのですが、これだけ人の少ない場所ばかり訪れたあとに東京に戻ると、その「人圧」とでもいうもののあまりの違い…