インタプリタかなくぎ流

いつか役に立つことがあるかもしれません。

2020-08-01から1ヶ月間の記事一覧

バーミキュラのフライパン・その後

今年の6月頃にバーミキュラのフライパンを買い、使い続けてきました。蓄熱性が高く、水分の蒸発スピードが速いという鋳物製琺瑯仕上げの特徴を生かしたこのフライパン、確かに炒めものなど水っぽくならずパリッと仕上がります。またステーキやハンバーグな…

だれも知らないレオ・レオーニ

森泉文美氏・松岡希代子氏の『だれも知らないレオ・レオーニ』を読みました。『あおくんときいろちゃん』、 『スイミー』、『フレデリック』、『じぶんだけのいろ』など数々の絵本の名作で知られるレオ・レオーニ(レオ・レオニ)氏ですが、実は絵本制作をは…

暑いんだから日傘を使いましょうよ

九月を目前に控えても、異様な暑さが続く日々。小学生の親御さんが子供に日傘を持たせたところ、学校や教育委員会から「日傘は禁止」と言われたというニュースに接しました。www3.nhk.or.jp「傘を使用していない子どもに傘がぶつかるとケガにつながりかねな…

新宿西口のメトロ食堂街

先日、新宿駅西口地下にある「メトロ食堂街」が閉館になるというニュースに接しました。 nlab.itmedia.co.jp ここは学生時代からよく利用してきた場所だったので、とても残念です。パーコー麺(排骨麵)の「万世麺店」、カウンターで天丼が食べられる「新宿…

「英語の学び方」入門

新多了氏の『「英語の学び方」入門』を読みました。第二言語習得研究の知見を踏まえて効果的な英語の学び方を指南する一冊ですが、手っ取り早い英語(あるいはその他の外語)上達の秘訣を教えてくれる本ではありません。この本が主張していることをちょっと…

ほんとうのリーダーのみつけかた

梨木香歩氏の『ほんとうのリーダーのみつけかた』を読みました。五年ほど前のトークセッションでの講演を文字に起こしたものと、雑誌『図書』に寄稿された二篇をまとめたものです。いずれも数年前に発表されたものですが、いま読んでもその問いかけは新鮮、…

温暖化で服装がどんどんシンプルになる

アパレル受難の時代だそうです。ユニクロを始めとするファストファッションの隆盛で高い服が売れなくなり、コロナ禍によるリモートワークでますます外出のための「おめかし」需要が減り……とさまざまな要因が重なっているそうですが、個人的には気候の温暖化…

哲学しててもいいですか?

三谷尚澄氏の『哲学しててもいいですか?』を読みました。副題に「文系学部不要論へのささやかな反論」とあるように、注意深く、かつ控えめな筆致で、でも大きな危機感を持って書かれた本です。最終的には主題通り、大学の文系学部、なかでも哲学教育の大切…

料理は一秒ごとにまずくなる

年に1〜2度ほどのお楽しみ、よしながふみ氏の『きのう何食べた?』最新第17巻が出ていたので、買ってまいりました。今回も登場人物たちがそれぞれの人生でリアルタイムに歳を重ねていて(それがこの作品の魅力のひとつ)、もちろん出てくる料理も「これや…

能楽のファンを増やすためには(その2)

『ドグラ・マグラ』や『少女地獄』などで有名な作家・夢野久作氏。氏はお若い頃、元黒田藩の能楽師範だった梅津只圓師のもとで能楽の修行をされていた時期があるそうです。その稽古の様子を記した『梅津只圓翁伝』は私の大好きな評伝文学なのですが、夢野氏…

能楽のファンを増やすためには

能楽はできれば能楽堂に足を運んで観たいものですけど、コロナ禍でこの半年ほどは足が遠のいていました。遠のくも何も、ほとんどの公演が中止になってしまっていたのです。最近また徐々に上演されるようになってきたものの、演目の間の休憩時間に換気をした…

パーソナルトレーニングのいいところ

現在、週に4〜5回ほどジムに通っていますが、そのうちの1〜2回はパーソナルトレーニングです。プロのトレーナーさんについてもらって、マンツーマンで指導してもらうというもの。コロナ禍で一時お休みしていた(ジム自体が営業休止になっていた)のです…

中高年のための健康的な筋トレ

男性版更年期障害とでもいうべき不定愁訴にたえきれず、ジムのパーソナルトレーニングで体幹トレーニングや「筋トレ」を始めて、もうすぐ三年になります。この間に、夜も寝られないくらいだった肩凝りは全くなくなり、腰痛もかなり軽減しました。以前は月に…

カルト宗教やめました。

たもさん氏のマンガ『カルト宗教やめました。』を読みました。前作『カルト宗教信じてました。』の続編で、「エホバの証人」を自分の意志でやめたあとの日々を描いています。 カルト宗教やめました。私もかつて母親の影響で、とあるカルト宗教の影響下で青春…

まずは語らずに聞く

「マンスプレイニング(mansplaining)」という言葉があります。男を意味する“man”と、説明・解説を意味する“explain”をつなげた造語で、「一般的には『男性が、女性を見下すあるいは偉そうな感じで何かを解説すること』(Wikipedia)」です。日本でこの言葉…

フィンランド語 60 …動詞活用ワークシートの改良

ほそぼそと続けているフィンランド語の学習、仕事が忙しい時でもとにかく①単語の暗記と、②格変化と、③動詞の活用だけは日課として行っています。このうち、③の動詞の活用はいまのところ…… 現在形(肯定・否定) 過去形(肯定・否定) 現在完了形(肯定・否定…

「ケサモッキ」で酷暑を忘れたい

東京は極度に蒸し暑い日が続いています。七月までは異様に涼しくて、今年ならよかったと五輪関係者は悔しがったんじゃないかと心中お察ししていたんですが、八月の声を聞いた途端に野外でスポーツなんて人権侵害を疑われるくらいの酷暑。やっぱり来年も中止…

重森三玲 庭を見る心得

作庭家・重森三玲氏の随筆を集めた『重森三玲 庭を見る心得』を読みました。東京新聞の書評欄で知って買い求めた本です。www.tokyo-np.co.jp 重森三玲 庭を見る心得 (STANDARD BOOKS)私は庭園芸術についてほとんど知らない人間ですが、このアンソロジーを読…

今日の業を成し終えて

「遠き山に日は落ちて」という歌があります。ドヴォルザークの交響曲第九番「新世界より」第二楽章に出てくる主題に歌詞をつけたもので、作詞者は堀内敬三という人です。ウィリアム・アームズ・フィッシャーという人が作詞した合唱曲「家路」が元になってい…

ゴムの伸び切ったような人間になってはいけません

ブログ『脇見運転』の酔漢さんが、かつて恩師に言われたという「丁字型の人間を目指してください」という言葉を紹介されていました。そのこころは「丁の縦棒は専門性を深く掘り下げること、横棒は専門以外の知識を広く浅く身に付けること」だそうで、なるほ…

あらためて教養とは

しつこく教養つながりで、村上陽一郎氏の『あらためて教養とは』を読みました。のっけから「日本人がディーセンシーを失った中には、やはり戦後のいわば民主化あるいは民主教育というものの持っていた、ある一面が関わってるはずです」と、これは大江健三郎…

教養の力

教養つながりで、斎藤兆史氏の『教養の力』を読みました。副題に「東大駒場で学ぶこと」とあって、ご自身も学生として、また教員として長く関わってこられた東京大学における教養教育のありようをベースに、教養の意味と意義を問い直す内容です。 教養の力 …

これが「教養」だ

清水真木氏の『これが「教養」だ』を読みました。帯の惹句に「知的興奮の書!」と感嘆符つきで書かれてありましたが、いや本当にその通り。面白くて一気に読み終えてしまいました。なにせ「教養」という概念は本来「古典」とも「読書」とも「博学」とも関係…

教養の書

戸田山和久氏の『教養の書』を読みました。主な読者層としてはこれから大学で学び始めようとするお若い方が想定されている本のようですが、むしろ大学を出てからしばらく経って「ああ『学ぶ』ってひょっとしたらこういうことだったのかもしれない」と思い始…

新札と熨斗袋

今朝の東京新聞に落語家の笑福亭たま氏が寄稿されていました(東京新聞はこうして週に一度伝統芸能欄があるから好き)。いわく、落語家の出演料は当日現金払いで、しかも新札で渡すのが礼儀と。 落語家が同業者に共演を頼む場合、いちばん大事なことは「相手…

低糖質高蛋白の外食って意外に少ない

私は外食というものをほとんどしない人間です。以前はお昼ごはんだけ職場近くの「丸亀製麺」などに行っていたのですが、コロナ禍でこの店が閉店して以降、お弁当を持っていくようになり、結局三食すべて自分でまかなうようになってしまいました。いまや、外…

見知らぬ方に勝手に呼び名をつける

平日の朝はだいたい出勤前ジムに寄っていますが、フリーウェイトのコーナーではいつも顔を合わせる方々がいます。とはいえ、お互いに面識はなく、言葉を交わしたこともありません。「あ、あの人、また来てる」と思うだけで会釈さえしないのはなんとなく気持…

「まだこんなことやっていたのか」と呆れる

少し前のことですが、今年三月の都議会で「なぜツーブロックはだめなのか」と池川友一都議が質したところ、都の藤田裕司教育長が「外見等が原因で事件や事故に遭うケースがあるため」と答弁して話題になっていました。くだんの都議ご自身がTwitterでもツイー…

「肥大」にやるせなさを感じる

えー、尾籠なお話で大変恐縮ですが、半年くらい前から尿に「赤いもの」が混じるようになりまして。といっても血尿というわけじゃないんです。細かな赤い粒といいますか、赤ワインの瓶の底に溜まる澱や酒石みたいなのがときどき尿に混じるのです。最初はたま…

「キャンパスから学生を締め出している」をめぐって

衆議院議員の細野豪志氏が、Twitterで「リスクを回避する大学の姿勢が、学生の学ぶ機会を奪っている」と主張したことに対し、大学関係者や学生など多くの人から賛否両論の声が上がっています。大まかな事の顛末はこちらのBLOGOSの記事が参考になります。blog…