インタプリタかなくぎ流

いつか役に立つことがあるかもしれません。

2020-09-01から1ヶ月間の記事一覧

「新聞は読むな」という意見に対して

先日、ある方の本を読んでいたら「新聞は読むな」という趣旨のことが書かれてありました。語学の勉強など目的のある場合は別にしても、情報を手に入れるという観点からは時間の無駄だからだそうです。1日は24時間しかなく、その時間をできるだけ有効に使う…

フィンランド語 63 …現在分詞

教科書は新しい課に入って、分詞を学び始めました。先生によると、分詞とは「動詞を形容詞化」するものと考えることができるそうです。これまでに過去分詞だけは学んだことがありますが、実はフィンランド語には全部で五種類の分詞があるとのこと。 現在分詞…

翻訳における「キャラ立ち」

先日の東京新聞で、師岡カリーマ氏が「翻訳の職業差別」というコラムを書かれていました。外語を日本語に訳す際に、男尊女卑が透けて見える「無意識の印象操作」が行われているという批判です。またスポーツ選手など特定の職業の人々の発言を訳す際にも、な…

若いうちに借金してでも食べておく

仕事で都心にでかけまして、お昼休みに仕事場近くのラーメン屋さんに入りました。このお店は十年以上前、一時期足しげく通ったお店でした。魚介豚骨系の濃厚な味が特徴のラーメン屋さんです。本当に久しぶりに入ったので、お店特製の「全部乗せ」的な一杯を…

オンライン授業で悩む学生への対応

オンライン授業と対面授業の違いについて、このブログでもいろいろと書いてきました。半年間オンライン授業をやってみて分かったもう一つの問題点は、こうした授業形態に適応できない学生が一定程度いることです。オンライン授業、あるいは遠隔授業はある程…

対面授業の復活がうれしい

10月を控えて、今年度の授業もようやく折り返しに近づきました。思えば4月にすべての授業が「遠隔対応」となって以来、怒濤のように次々と沸き起こる問題に対処し続けてきた半年間でした。それでもまあ、春まではZoomでのミーティングもGoogle Classroomの…

語学も筋トレも階段状に上達していく

先日のパーソナルトレーニングで、ベンチプレスがやけに軽いと感じました。トレーナーさんからは「8回×3セット」と言われていたのですが、1セット目がかなりすいすいと上がったのです。2セット目、3セット目もクリア。「これ何キロですか?」と聞いたら…

日本語のアウトプットに消極的なのはなぜ?

私が勤めている学校のひとつは、学生が全員外国人留学生です。母語は中国語、英語、タイ語、スペイン語、ベトナム語、イタリア語、ミャンマー語、スウェーデン語、ロシア語……と実にさまざま。ビジネスレベルの日本語習得を目指すと同時に、通訳や翻訳の訓練…

ひとりでパフェを注文できない?

今朝の東京新聞、連載四コマ漫画の『ねえ ぴよちゃん』はこんな話でした。なるほど、大の男が「期間限定グランドデラックスパフェ」を頼むのは恥ずかしいというわけです。深読みすれば、お父さんは一人でこのパフェを注文するのは恥ずかしいから、ぴよちゃん…

これからの男の子たちへ

昨夜遅く、録画しておいたテレビ番組を見ようとテレビをつけたら、ドラマ『半沢直樹』をやっていました。これまで一度も見ていないので話の筋はわからないながらも、なんだかテンポよく「謎の解明」みたいなのが続くのでしばらく見ていました。が、登場する…

やめましょうよ。

朝日新聞デジタルに、興味深い記事が出ていました。菅政権の発足に伴って文部科学副大臣と政務官が初登庁したという記事ですが、認証式などで時間が遅れ、なんと深夜11過ぎになったうえ、同省の職員が100人以上待機して出迎えた……というものです。www.asahi.…

ゼロミート

先日、仕事の帰りにスーパーに寄ったら、精肉売場で「ゼロミート」という商品のキャンペーン販売をやっていました。大豆を使用したハンバーグやハムやソーセージとのことで、興味を引かれて買い求めてみました。 ネットで調べてみたら、これらの商品は大塚食…

バカに絵は描けない

私は学生時代、美術大学の彫刻科で学んでいました。サラリーマンになるのがいやで「俺はアーティストになる!」と息巻き、浪人までして入った大学でした。アーティストになるんですから、当然教職課程も取らなければ就職活動にも無関心でした。けれど一年、…

中国語のあまりに巨大な存在感について

何十年か前、はじめて香港へ行ったときのこと、とあるお茶屋さん(茶葉の販売店)で中国語(北京語)を使ったら、あからさまに無視されたことがありました。何度話しかけても、まるで私がそこにいないかのように無視をする。私も海外ではいろいろな目に遭っ…

中高年にとっての筋トレ

「現代ビジネス」のウェブサイトで、俳優の大村崑氏が筋トレをされているという記事に接しました。御年88歳。年齢は違うけれど、記事を読んで大村氏のおっしゃることに首肯することしきりでした。私も数年前の、腰痛と肩こりと不定愁訴に喘いでいたあの頃の…

試験も成績もいらない?

夏が終わり、期末試験の季節がやってきました。私が勤めている学校のうちの一つは四月に開講して、前後期の二学期制なので九月の末に前期末試験があるのです。毎年この時期になると不思議に思うのは、普段の授業にはあまり身が入っていないように思える学生…

語学の達人の言葉に注意する

先日、フィンランド語のオンライン講座に出ていたら(最近はずっとオンライン)、先生がかつての教え子でフィンランドに留学し、現在はあちらで結婚されている方の新聞記事を紹介してくれました。その生徒さんはその昔、私たちと同じように週に一回のフィン…

あきらめる技術

ハ・ワン氏の『あやうく一生懸命生きるところだった』を読んでいたら、「ホンデ病」という言葉に出会いました。韓国で、美大を目指す受験生たちがかかる不治の病ーーというのはもちろん諧謔で、入試の競争率が極めて高い難関美大への挑戦を何年もくり返して…

スポーツにおける暴力

先日、夕刻に何気なくテレビをつけたら、NHKの『鶴瓶の家族に乾杯』という番組で過去の総集編みたいなのをやっていました。たまたまそこにプロレスラーのアントニオ猪木氏が登場し、氏のトレードマーク(?)である「ビンタ」を街で出会った人につぎつぎとか…

“好朋友”と“老朋友”

ネットで「中国語の“好朋友(親友)”は死語?」という話題に接しました。とある学校で教えておられる中国語の先生が「この単語はあまり使わないから」と教科書にある“好朋友”の入った例文を教えないのだそうで、すでにこの言葉は古くなってしまったのかと。…

Duolingoにフィンランド語が登場

すでに1500日以上英語学習を楽しませてもらっている外語学習アプリのDuolingoに、なんとフィンランド語版があるのを発見しました。英語でフィンランド語を学ぶバージョンで日本語には対応していませんが、どうせ(?)英語学習も続けるので一石二鳥です。Duo…

Zoomで顔出しを嫌がる学生さん

コロナ禍の影響で、奉職している複数の学校はいずれもZoomを使ったオンライン授業が続いています。今年の春頃にオンライン授業が始まった時は、一時間ほどパソコンに向き合って授業をしているだけでもぐったりと疲れていましたが、最近はようやく身体が慣れ…

じいさんばかりが跋扈する

昨日の東京新聞朝刊に「フェミニズムの過去・現在・未来」という記事が載っていました。「女らしくすべし」でも「女は毅然と生きるべし」でもない「ここに居る女」として生きる、右でも左でもない真ん中を生きるとおっしゃる田中美津氏。かつては女性学がア…

フィンランド語 62 …受動態条件法現在形

先日来、受動態の現在形・過去形・過去分詞を作る練習をしてきました。そのなかでも受動態の過去形を作れるかどうかが今後の学習のポイントになるという話が授業でありました。例えば「lukea(読む)」なら…… lukea(原形) luetaan(受動態現在形) luettii…

フィンランド語 61 …受動態と能動態のまとめ

ここのところずっとフィンランド語の「受動態」を学んできました。受動態というと英語や中国語でも出てきたそれを思い出しますが、フィンランド語の場合は「受動態」というイメージには収まりきらないかなり幅広い範囲の表現になり、なおかつ話し言葉で多用…

フィン語だのフラ語だのチャイ語だの

群ようこ氏の小説で映画にもなった『かもめ食堂』にこんな記述があります。 暇な青年はひょこひょことミドリの手元をのぞき込みにきた。 「コレハ、カンジ」 鮭の字を指差した。 「そうです」 「コレハナンデスカ」 きっとフィン語で何かと聞いているのだろ…

自然で無理のない身体の使い方

腰痛とはかれこれ数十年来の付き合いです。数年前から体幹トレーニングや筋トレを続けてきたおかげで、最近は以前のような深刻な状態に陥ることはなくなりましたが、それでもちょっと油断していると「じんわり」とした腰痛の兆候が現れます。腰が張っている…

生ハム大好き

最寄り駅から家に帰る途中、住宅街の中に小さな小さなワインバーができているのを見つけました。うっかり看板ごと見逃してしまいそうな狭い間口で、ちょっと入るのに勇気が要ったのですが、ある日妻から「今日は友人と食べてくるから夕飯いらない」とのLINE…

茂木外務大臣の言語観

茂木敏充外務大臣が先日の記者会見で、ジャパンタイムズの記者の質問に対して英語で聞き返し、さらには答えをはぐらかした上に「日本語、分かっていただけましたか」などと発言して批判を集めていました。外務省のウェブサイトにはその会見記録が載っていま…

「生→老病死」というベクトル

昨日の東京新聞朝刊に、宮子あずさ氏のコラム「差別への抑制を取り戻そう」が載っていました。権力者の心性が人の心の闇を引き出すという指摘は本当にその通りで、第二次安倍政権が私たちの間にもたらした大きな負の遺産の一つがこの「人々の分断を深め、差…