インタプリタかなくぎ流

いつか役に立つことがあるかもしれません。

絵画やイラストに関する記事です。

ウェス・アンダーソンすぎるシンクロニシティ

今日の土曜日は仕事がなかったので、朝からジムのパーソナルトレーニングに出かけました。トレーニングが終わって、すぐに帰ろうと思ったのですが、あまりにいい陽気なので青山墓地を通り抜けながら青山一丁目駅まで散歩して帰ることにしました。途中、雲ひ…

根津美術館の監視員

ここのところ仕事があまりに忙しくて精神が煮詰まってしまいそうだったので、やっと休みになった今日は根津美術館に北宋の書画を見に行ってきました。根津美術館は事前にネットで入場時間を予約する形になっていて、朝一番の時間帯で入場したので、それほど…

しまじまの旅 たびたびの旅 136 ……カワイイものたちの台湾

高雄のB級グルメについて情報をくださった台湾人留学生は「ちいかわ」が大好きなんだそうです。『ちいかわ なんか小さくてかわいいやつ』。言わずと知れたナガノ氏のマンガ作品で、その登場キャラクターたちは台湾でも人気があるのだそうです。私の担当する…

デイヴィッド・ホックニー展

古今東西で一番好きな画家でした。何十年も前の学生時代からその作品に親しんできたデイヴィッド・ホックニーの、日本では27年ぶりとなる大規模な個展ということで、その開催を知った去年から楽しみにしていました。www.mot-art-museum.jpポップアートの旗手…

L. S. Lowryの絵

オンライン英会話の講師と話していて、美術が好きなので英国の美術館を巡ってみたい……みたいなことを私が言ったら、英国の画家・L. S. Lowry(ローレンス・スティーヴン・ラウリー)を紹介してくれました。私ははじめて知ったのですが、マンチェスターの有名…

絵が描けなくなった

オンライン英会話で、講師の先生を相手にちょっとした自己紹介などしていると、「学生の頃の専攻は何でしたか?」と聞かれることがあります。私が「美術です。彫刻を作っていました」と答えると、たいがい「いまでも彫刻を作ったり絵を描いたりする?」と返…

ひらやすみ原画展

マンガ家・真造圭伍氏の『ひらやすみ』の原画展が、同作にゆかりの深い阿佐ヶ谷にある杉並区役所内の区民ギャラリーで開かれているというので、見に行ってきました。www.city.suginami.tokyo.jp区民ギャラリーといっても、ほとんど廊下みたいなところに手作…

視覚を通さずに絵を見る

最近ジムでトレーニングをするときに、よくYouTubeで台湾の作家・蔣勲氏の講演を聞いています。氏の講演映像はたくさんあるうえに、だいたいは一時間以上と長いので、聞きっぱなしでいるのにちょうどいいのです。しかも話の展開が巧みで面白い。いろんなこと…

不動産会社のWeb広告にしみじみ

先日ネットで検索をしていて、見つけた資料のウェブサイトへ読みに行ったら、こんなWeb広告が現れました。みなさまご案内の通り、Web広告は個々人の検索や閲覧の履歴からその人に特化したものが表示されるようになっています。これは台湾の不動産会社が、在…

ひらやすみ4.

真造圭伍氏のマンガ『ひらやすみ』第4巻を読みました。やー、今回もよかった。二十代からアラサーの登場人物たちが、それぞれに思い悩みながらも日々の暮らしを紡いでいく物語。読んでいると、もう何十年も前の自分の二十代三十代が蘇ってくるような気がし…

スターシステム

よしながふみ氏のマンガに出てくる人物で、異なる作品なのに同じような外見と性格のキャラクターがいます。『西洋骨董洋菓子店』のエイジと『フラワー・オブ・ライフ』の春太郎と『きのう何食べた?』のタブチです。先日読んでブログに感想を書いたロングイ…

ゲルハルト・リヒター展

東京国立近代美術館で開催中のゲルハルト・リヒター展を見てきました。ドイツ・現代アートの巨匠と称されるリヒター氏。その、日本では16年ぶりの大規模な回顧展とのことで、さまざまなメディアでも紹介されています。先日は私が購読している新聞にも特集記…

なかなかマスクが外れない

東京は連日猛暑が続いています。それでもマスクをしている方は多いですね。屋内はともかく、炎天下の屋外でもほぼ九割以上はマスク着用の方です。政府も熱中症などの危険性も勘案して厚生労働省のホームページなどではっきり「屋外ではマスクを外しましょう…

美術作品を見る側の成熟が足りないのかもしれない

「ウェルビーイング(よく生きること)とは何か」をテーマにした『地球がまわる音を聴く』という展覧会を見てきました(森美術館・11月6日まで)。現代美術の展覧会、とくにコンセプチュアル・アートのそれは、身も蓋もない言い方をすれば「だから、何なの」…

平治物語絵巻(三条殿夜討巻)を見にいく

今年の最高気温を記録しそうな猛暑の中、上野の東京都美術館へ行きました。「ボストン美術館展 芸術✗力」を見るためです。朝9:30から30分刻みの日時指定予約制になっていて、その9:30の回に申し込んでおきました。少しでも来館者が少ない状態で見たいなと思…

よめないけど、いいね!

昨日の日曜日は朝からジムのパーソナルトレーニングに行って、そのあとジムからほど近い根津美術館で企画展『よめないけど、いいね!』を見てきました。根津美術館が所蔵している書の名品を紹介する展覧会ですが、そこに書かれていることは読めなくても、墨…

コレクションがまたひとつ増えました

ロシアによるウクライナ侵攻を機に、それまでの中立的な立場を捨ててNATOに加盟申請するという歴史的転換を決めたフィンランドとスウェーデン。その両国を揶揄するポスターがモスクワに登場したと、ヘルシンキの夕刊紙“Iltalehti(イルタレヘティ)”が伝えて…

フラワー・オブ・ライフ

よしながふみ氏のマンガ『フラワー・オブ・ライフ』を読み返しました。私はこの作品が大好きで(氏の作品はどれも好きですけど)これまでに何度も読み返しています。そのたびに新しい発見があるのですが、今回は作中に出てくる「オカマ」「ホモ」「レズ」と…

ひらやすみ

私は電子書籍というものが苦手です。なんど挑戦しても、紙の本のようには内容が頭に入ってこないので、もうすっかりあきらめてしまいました。ただし、マンガだけは基本的に電子書籍を買うことにしています。マンガはすぐに増殖して本棚の少なからぬ場所を占…

いらすとや

今朝の新聞にフリーイラストの素材集サイトとしてあまりにも有名な「いらすとや」さんのお話が載っていました。いまやありとあらゆる分野で同サイトのイラストが見かけられるようになった理由を「驚きの網羅性」とし、「人々の暮らしに寄り添う『汎用性が高…

自衛官の募集

三軒茶屋の駅で、ポケットティッシュをもらいました。ふつうこれを配っている方は蛍光色のジャンパーなど着ている場合が多いのですが、きょうは金ボタンが目立つ紺のブレザーの男性。配られたのは「自衛官候補生募集」の広告が入ったティッシュでした。「募…

童夢

高校生のときのクラスメートにM君がいました。漫画研究会に所属していて、素人目にも「うまい!」と思えるようなマンガを描いていました。M君は大友克洋氏の大ファンで、描くマンガの作風も大友氏に酷似していました。確か高校一年生か二年生の頃に週刊誌で…

ミナを着て旅に出よう

先日、ファッションブランド「ミナ ペルホネン」のデザイナー、皆川明氏へのロングインタビューをまとめた『Hello!! Work 僕らの仕事のつくりかた、つづきかた。』という本を読んだので、もう一冊『ミナを着て旅に出よう』という本も読んでみました。こちら…

向井くんはすごい!

私は現在SNSをふたつ使っています。TwitterとFacebookです。以前はもっといろいろなSNSに手を出していましたが、いろいろと思うところあってこれだけに絞りました。しかもFacebookはほぼ知人との連絡用にしか使っておらず、実質的にTwitterだけがバーチャル…

烟囱漫画集

美術を学んでいた頃、石膏デッサンが嫌いでした。西洋の古典的な彫刻の一部をかたどったもの……にコピーにコピーを重ねて、まるで室温に30分ほどおいたバターみたいに形の輪郭が緩んだ石膏像を、木炭や鉛筆で描くアレです。絵画や彫刻を志す者であれば必須と…

你好小朋友 中国の子供達

ネットでたまたま見つけた動画を留学生の通訳訓練に使ってみました。1983年に出版された写真集『你好小朋友 中国の子供達』の写真家・秋山亮二氏の動画です。youtu.be一目見て、いいなあと思いました。子供たちの表情がとてもいい。この写真集は長らく絶版だ…

電子ペーパーで絵を飾りたい

スウェーデンの画家に Simon Stålenhag(シモン・ストーレンハーグ)という方がいて、私はその荒涼としたディストピア感あふれる画風になぜか惹かれています。心躍るような要素はほとんど見当たらないにも関わらず、わずかに漂うユーモア。そして、よくよく…

東山魁夷氏の『白夜光』とクオピオのプイヨ・タワー

フィンランドのニュースサイト「yle」で偶然見つけた記事に、日本画家・東山魁夷氏の作品が載っていました。東部フィンランドのクオピオにあるプイヨ・タワーに氏の日本画作品『白夜光』を元にした版画が贈られたという記事(読解力に自信がないので、たぶん…

妻が口をきいてくれません

野原広子氏の『妻が口をきいてくれません』を読みました。私は気になった本はとりあえず片っ端から買って読んでみることにしているんですけど、ネットで話題になっていたこの本は、買って、読み終わって後悔しました。その救いのない幕切れの後味があまりに…

カメントツの漫画ならず道

書籍はすべて紙の本を買っています。電子書籍もずいぶん買って読んでみたのですが、どうしても読書の体験が薄いように感じてしまい、読後も印象に残らないことが多いのです。それに電子書籍では、紙の本のように読んでいる最中に束(つか)の厚さを見て「半…