インタプリタかなくぎ流

“Might come in handy one day.”

絵画やイラストに関する記事です。

向井くんはすごい!

私は現在SNSをふたつ使っています。TwitterとFacebookです。以前はもっといろいろなSNSに手を出していましたが、いろいろと思うところあってこれだけに絞りました。しかもFacebookはほぼ知人との連絡用にしか使っておらず、実質的にTwitterだけがバーチャル…

烟囱漫画集

美術を学んでいた頃、石膏デッサンが嫌いでした。西洋の古典的な彫刻の一部をかたどったもの……にコピーにコピーを重ねて、まるで室温に30分ほどおいたバターみたいに形の輪郭が緩んだ石膏像を、木炭や鉛筆で描くアレです。絵画や彫刻を志す者であれば必須と…

你好小朋友 中国の子供達

ネットでたまたま見つけた動画を留学生の通訳訓練に使ってみました。1983年に出版された写真集『你好小朋友 中国の子供達』の写真家・秋山亮二氏の動画です。youtu.be一目見て、いいなあと思いました。子供たちの表情がとてもいい。この写真集は長らく絶版だ…

電子ペーパーで絵を飾りたい

スウェーデンの画家に Simon Stålenhag(シモン・ストーレンハーグ)という方がいて、私はその荒涼としたディストピア感あふれる画風になぜか惹かれています。心躍るような要素はほとんど見当たらないにも関わらず、わずかに漂うユーモア。そして、よくよく…

東山魁夷氏の『白夜光』とクオピオのプイヨ・タワー

フィンランドのニュースサイト「yle」で偶然見つけた記事に、日本画家・東山魁夷氏の作品が載っていました。東部フィンランドのクオピオにあるプイヨ・タワーに氏の日本画作品『白夜光』を元にした版画が贈られたという記事(読解力に自信がないので、たぶん…

妻が口をきいてくれません

野原広子氏の『妻が口をきいてくれません』を読みました。私は気になった本はとりあえず片っ端から買って読んでみることにしているんですけど、ネットで話題になっていたこの本は、買って、読み終わって後悔しました。その救いのない幕切れの後味があまりに…

カメントツの漫画ならず道

書籍はすべて紙の本を買っています。電子書籍もずいぶん買って読んでみたのですが、どうしても読書の体験が薄いように感じてしまい、読後も印象に残らないことが多いのです。それに電子書籍では、紙の本のように読んでいる最中に束(つか)の厚さを見て「半…

ひとりでパフェを注文できない?

今朝の東京新聞、連載四コマ漫画の『ねえ ぴよちゃん』はこんな話でした。なるほど、大の男が「期間限定グランドデラックスパフェ」を頼むのは恥ずかしいというわけです。深読みすれば、お父さんは一人でこのパフェを注文するのは恥ずかしいから、ぴよちゃん…

バカに絵は描けない

私は学生時代、美術大学の彫刻科で学んでいました。サラリーマンになるのがいやで「俺はアーティストになる!」と息巻き、浪人までして入った大学でした。アーティストになるんですから、当然教職課程も取らなければ就職活動にも無関心でした。けれど一年、…

だれも知らないレオ・レオーニ

森泉文美氏・松岡希代子氏の『だれも知らないレオ・レオーニ』を読みました。『あおくんときいろちゃん』、 『スイミー』、『フレデリック』、『じぶんだけのいろ』など数々の絵本の名作で知られるレオ・レオーニ(レオ・レオニ)氏ですが、実は絵本制作をは…

カルト宗教やめました。

たもさん氏のマンガ『カルト宗教やめました。』を読みました。前作『カルト宗教信じてました。』の続編で、「エホバの証人」を自分の意志でやめたあとの日々を描いています。 カルト宗教やめました。私もかつて母親の影響で、とあるカルト宗教の影響下で青春…

能『融』と蘇軾の『水調歌頭』

昨日書いた能『融』の舞について、続きです。能の終盤に出てくるこの舞(早舞)は、秋の月光に照らされながら源融(みなもとのとおる)の亡霊が月を愛でつつ舞うというシーンで、静かに「遊興」の境地を楽しむような風情を感じさせる(師匠の受け売りです)…

『猫を棄てる』の挿絵

村上春樹氏の『猫を棄てる』を読みました。氏の父上について書かれた短編で、そこに添えられた高妍氏の挿絵に強く惹きつけられました。高氏は台湾出身のイラストレーターで、日本にも留学されていたことがあるそうです。 猫を棄てる 父親について語るときど…

ケンジとシロさん

元日はどこにも行かず、一日中家にこもっていました。外へ出たのは郵便ポストに入っている年賀状を取りに行ったときだけ。でも年賀状はここ数年出すのをやめてしまっているので、届く枚数も年々減り続け、ついに今年は数枚にまでなりました。毎年不義理を働…

留学生版「通訳機械の反乱」

ずいぶん以前のことですが、こんなディストピア小説のプロットを思いつきました。機械通訳が高度に発達した未来で、各言語の母語話者がそれぞれの母語の内輪だけで思考するようになった結果、思考のブレイクスルーがなくなってどんどん言葉がやせ細っていき…

能「邯鄲」の謡に見るカタストロフ性

先日は目黒の喜多能楽堂で、塩津圭介師がシテを勤めた能『邯鄲』を観てきました。中国の伝奇小説『枕中記』が元になっていると伝えられるこの「邯鄲の夢」のお話、何度観ても面白いです。当日配られたパンフレットの解説を村上湛氏が書いておられますが、そ…

素朴な水墨画にあこがれて

日本橋の三井記念美術館で開催されている「日本の素朴絵 ーゆるい、かわいい、たのしい美術ー」という展覧会を見てきました。その名の通り、精緻さやリアリズムとは一線(どころか二線も三線も)を画した、柔らかで大らかなタッチの絵巻・絵本・掛軸・屏風・…

李叔同の書

清末・民国初期の詩人・書家にして教育者でもあった李叔同(り・しゅくどう、号:弘一)という人がいます。天津生まれのこの人のことを、私は天津留学時に知りました。当時、大学に書を学びに来ていたとある韓国人留学生から教えていただいたのです。特に彼…

Simon Stålenhag 氏の世界にひかれる

スウェーデンの画家で Simon Stålenhag という方がいます。私はずいぶん前にネットでこの方の絵を見かけて、その独特の世界観に引き込まれてしまい、画集こそ持っていないのですが、ちょくちょく氏のウェブサイトに行ってはその作品の数々を眺めています。ww…

サ道

何かを学んでいるときに「芋づる式」に次々と新しい世界が開けてくることってありますよね。最近もそんな感じで、フィンランド語を学んでいるうちにフィンランドという国の歴史や文化に興味を持ち、「フィンランド魂」を表す “SISU(シス)” という言葉をテ…

お店のご主人の「指導」がやるせない

先日、私の誕生日祝いということで、細君と二人で地元のお寿司屋さんに行きました。銀座とか青山とか、そういうところのお寿司屋さんではないので気さくな雰囲気ですが、それでもお値段は我々にとってはなかなかにインパクトがある、まあどちらかと言えば高…

思いがけずかなった墓参

今年の二月に、こんなエントリを書きました。昔とてもお世話になった、今は亡き画家ご夫婦の思い出です。qianchong.hatenablog.com「先生の墓所も知らない私のささやかな夢は、いつかアッシジに行ってこの風景を探し出し、そこで受験時の『背叛』をおわびし…

カルト宗教信じてました。

たもさん氏のマンガ『カルト宗教信じてました。』を読みました。「エホバの証人」に翻弄された日々と、カルト宗教から決別するまでのいきさつ、その後の気持ちを描いた「体験系マンガ」。ネットで見つけてすぐにKindleで読みましたが、私も小学生の頃から母…

しまじまの旅 たびたびの旅 番外篇 ……ヘラヘラ・マガジン

美術を学んでいた学生時代、大きく影響を受けた本があります。岩田健三郎氏の『ヘラヘラ・マガジン』です。どこで買ったのかも覚えていませんが、偶然手にしたその本にはとても衝撃を受けました。なにせこの本、表紙から裏表紙まで、カバーやカバーの袖、見…

しまじまの旅 たびたびの旅 30 ……スーパーの棚にフェティシズムを感じる

むかしもいまも、スーパーマーケットが大好きです。あの見渡す限り野菜や肉や魚や食料品などが並んでいる光景を見ると、アドレナリンが分泌されるのが分かります。書店の大きな本棚を目の前にした時の興奮と通じるものがあります。特に買いたいとか、食べた…

代喜先生夫妻のこと

小学生の頃、土曜日の午後に絵を習っていました。今となってはちょっと信じられない感じがしますが、当時の小学校は土曜日も「半ドン」で授業がありました。給食は出ないので、授業が終わって家に帰り、お昼を食べてからバスに乗って、駅前の団地の公民館で…

渋谷駅に『明日の神話』はやめてほしかった

所用で渋谷に行き、JRから京王井の頭線に乗り換えようと歩いていたら、連絡通路の壁面いっぱいに岡本太郎の『明日の神話』という壁画が設置されていました。ああ、ニュースでやっていたのはこれですね。 渋谷への招致活動をされていた方には申し訳ないんです…

晉唐法書名蹟展

小學生さんからの情報によると、台湾の故宮博物院で王羲之の名品が一挙五点も公開だそう。 http://www.npm.gov.tw/exh97/chintang/index.html 見に行きたいけど、会期が短すぎます……。 仕方がないので、このウェブサイトにある巨大写真*1をコピー→トリミング…

井上雄彦 最後のマンガ展

展覧会なのに鑑賞日時を指定したチケット。数十人ずつ数分おきに場内に招き入れる入場制限。まるで演劇の公演を見に来たみたいだ。 かなり型破りなこの展覧会は、美術館まるごと一つが一本のストーリーになったマンガ作品。いやあ、すごかった。ネタバレにな…

銅版画

美術作品をネット通販しているサイトを見つけた。藤田嗣治の猫の絵まで売られていて「欲しい!」と思ったが、780万円だって。失礼しました。 このサイトに、小学生の頃絵を教わっていた先生の版画が出品されていて驚く。 若い頃、夫婦でイタリアを旅しながら…