インタプリタかなくぎ流

いつか役に立つことがあるかもしれません。

絵画やイラストに関する記事です。

スターシステム

よしながふみ氏のマンガに出てくる人物で、異なる作品なのに同じような外見と性格のキャラクターがいます。『西洋骨董洋菓子店』のエイジと『フラワー・オブ・ライフ』の春太郎と『きのう何食べた?』のタブチです。先日読んでブログに感想を書いたロングイ…

ゲルハルト・リヒター展

東京国立近代美術館で開催中のゲルハルト・リヒター展を見てきました。ドイツ・現代アートの巨匠と称されるリヒター氏。その、日本では16年ぶりの大規模な回顧展とのことで、さまざまなメディアでも紹介されています。先日は私が購読している新聞にも特集記…

なかなかマスクが外れない

東京は連日猛暑が続いています。それでもマスクをしている方は多いですね。屋内はともかく、炎天下の屋外でもほぼ九割以上はマスク着用の方です。政府も熱中症などの危険性も勘案して厚生労働省のホームページなどではっきり「屋外ではマスクを外しましょう…

美術作品を見る側の成熟が足りないのかもしれない

「ウェルビーイング(よく生きること)とは何か」をテーマにした『地球がまわる音を聴く』という展覧会を見てきました(森美術館・11月6日まで)。現代美術の展覧会、とくにコンセプチュアル・アートのそれは、身も蓋もない言い方をすれば「だから、何なの」…

平治物語絵巻(三条殿夜討巻)を見にいく

今年の最高気温を記録しそうな猛暑の中、上野の東京都美術館へ行きました。「ボストン美術館展 芸術✗力」を見るためです。朝9:30から30分刻みの日時指定予約制になっていて、その9:30の回に申し込んでおきました。少しでも来館者が少ない状態で見たいなと思…

よめないけど、いいね!

昨日の日曜日は朝からジムのパーソナルトレーニングに行って、そのあとジムからほど近い根津美術館で企画展『よめないけど、いいね!』を見てきました。根津美術館が所蔵している書の名品を紹介する展覧会ですが、そこに書かれていることは読めなくても、墨…

コレクションがまたひとつ増えました

ロシアによるウクライナ侵攻を機に、それまでの中立的な立場を捨ててNATOに加盟申請するという歴史的転換を決めたフィンランドとスウェーデン。その両国を揶揄するポスターがモスクワに登場したと、ヘルシンキの夕刊紙“Iltalehti(イルタレヘティ)”が伝えて…

フラワー・オブ・ライフ

よしながふみ氏のマンガ『フラワー・オブ・ライフ』を読み返しました。私はこの作品が大好きで(氏の作品はどれも好きですけど)これまでに何度も読み返しています。そのたびに新しい発見があるのですが、今回は作中に出てくる「オカマ」「ホモ」「レズ」と…

ひらやすみ

私は電子書籍というものが苦手です。なんど挑戦しても、紙の本のようには内容が頭に入ってこないので、もうすっかりあきらめてしまいました。ただし、マンガだけは基本的に電子書籍を買うことにしています。マンガはすぐに増殖して本棚の少なからぬ場所を占…

いらすとや

今朝の新聞にフリーイラストの素材集サイトとしてあまりにも有名な「いらすとや」さんのお話が載っていました。いまやありとあらゆる分野で同サイトのイラストが見かけられるようになった理由を「驚きの網羅性」とし、「人々の暮らしに寄り添う『汎用性が高…

自衛官の募集

三軒茶屋の駅で、ポケットティッシュをもらいました。ふつうこれを配っている方は蛍光色のジャンパーなど着ている場合が多いのですが、きょうは金ボタンが目立つ紺のブレザーの男性。配られたのは「自衛官候補生募集」の広告が入ったティッシュでした。「募…

童夢

高校生のときのクラスメートにM君がいました。漫画研究会に所属していて、素人目にも「うまい!」と思えるようなマンガを描いていました。M君は大友克洋氏の大ファンで、描くマンガの作風も大友氏に酷似していました。確か高校一年生か二年生の頃に週刊誌で…

ミナを着て旅に出よう

先日、ファッションブランド「ミナ ペルホネン」のデザイナー、皆川明氏へのロングインタビューをまとめた『Hello!! Work 僕らの仕事のつくりかた、つづきかた。』という本を読んだので、もう一冊『ミナを着て旅に出よう』という本も読んでみました。こちら…

向井くんはすごい!

私は現在SNSをふたつ使っています。TwitterとFacebookです。以前はもっといろいろなSNSに手を出していましたが、いろいろと思うところあってこれだけに絞りました。しかもFacebookはほぼ知人との連絡用にしか使っておらず、実質的にTwitterだけがバーチャル…

烟囱漫画集

美術を学んでいた頃、石膏デッサンが嫌いでした。西洋の古典的な彫刻の一部をかたどったもの……にコピーにコピーを重ねて、まるで室温に30分ほどおいたバターみたいに形の輪郭が緩んだ石膏像を、木炭や鉛筆で描くアレです。絵画や彫刻を志す者であれば必須と…

你好小朋友 中国の子供達

ネットでたまたま見つけた動画を留学生の通訳訓練に使ってみました。1983年に出版された写真集『你好小朋友 中国の子供達』の写真家・秋山亮二氏の動画です。youtu.be一目見て、いいなあと思いました。子供たちの表情がとてもいい。この写真集は長らく絶版だ…

電子ペーパーで絵を飾りたい

スウェーデンの画家に Simon Stålenhag(シモン・ストーレンハーグ)という方がいて、私はその荒涼としたディストピア感あふれる画風になぜか惹かれています。心躍るような要素はほとんど見当たらないにも関わらず、わずかに漂うユーモア。そして、よくよく…

東山魁夷氏の『白夜光』とクオピオのプイヨ・タワー

フィンランドのニュースサイト「yle」で偶然見つけた記事に、日本画家・東山魁夷氏の作品が載っていました。東部フィンランドのクオピオにあるプイヨ・タワーに氏の日本画作品『白夜光』を元にした版画が贈られたという記事(読解力に自信がないので、たぶん…

妻が口をきいてくれません

野原広子氏の『妻が口をきいてくれません』を読みました。私は気になった本はとりあえず片っ端から買って読んでみることにしているんですけど、ネットで話題になっていたこの本は、買って、読み終わって後悔しました。その救いのない幕切れの後味があまりに…

カメントツの漫画ならず道

書籍はすべて紙の本を買っています。電子書籍もずいぶん買って読んでみたのですが、どうしても読書の体験が薄いように感じてしまい、読後も印象に残らないことが多いのです。それに電子書籍では、紙の本のように読んでいる最中に束(つか)の厚さを見て「半…

ひとりでパフェを注文できない?

今朝の東京新聞、連載四コマ漫画の『ねえ ぴよちゃん』はこんな話でした。なるほど、大の男が「期間限定グランドデラックスパフェ」を頼むのは恥ずかしいというわけです。深読みすれば、お父さんは一人でこのパフェを注文するのは恥ずかしいから、ぴよちゃん…

バカに絵は描けない

私は学生時代、美術大学の彫刻科で学んでいました。サラリーマンになるのがいやで「俺はアーティストになる!」と息巻き、浪人までして入った大学でした。アーティストになるんですから、当然教職課程も取らなければ就職活動にも無関心でした。けれど一年、…

だれも知らないレオ・レオーニ

森泉文美氏・松岡希代子氏の『だれも知らないレオ・レオーニ』を読みました。『あおくんときいろちゃん』、 『スイミー』、『フレデリック』、『じぶんだけのいろ』など数々の絵本の名作で知られるレオ・レオーニ(レオ・レオニ)氏ですが、実は絵本制作をは…

カルト宗教やめました。

たもさん氏のマンガ『カルト宗教やめました。』を読みました。前作『カルト宗教信じてました。』の続編で、「エホバの証人」を自分の意志でやめたあとの日々を描いています。 カルト宗教やめました。私もかつて母親の影響で、とあるカルト宗教の影響下で青春…

能『融』と蘇軾の『水調歌頭』

昨日書いた能『融』の舞について、続きです。能の終盤に出てくるこの舞(早舞)は、秋の月光に照らされながら源融(みなもとのとおる)の亡霊が月を愛でつつ舞うというシーンで、静かに「遊興」の境地を楽しむような風情を感じさせる(師匠の受け売りです)…

『猫を棄てる』の挿絵

村上春樹氏の『猫を棄てる』を読みました。氏の父上について書かれた短編で、そこに添えられた高妍氏の挿絵に強く惹きつけられました。高氏は台湾出身のイラストレーターで、日本にも留学されていたことがあるそうです。 猫を棄てる 父親について語るときど…

ケンジとシロさん

元日はどこにも行かず、一日中家にこもっていました。外へ出たのは郵便ポストに入っている年賀状を取りに行ったときだけ。でも年賀状はここ数年出すのをやめてしまっているので、届く枚数も年々減り続け、ついに今年は数枚にまでなりました。毎年不義理を働…

留学生版「通訳機械の反乱」

ずいぶん以前のことですが、こんなディストピア小説のプロットを思いつきました。機械通訳が高度に発達した未来で、各言語の母語話者がそれぞれの母語の内輪だけで思考するようになった結果、思考のブレイクスルーがなくなってどんどん言葉がやせ細っていき…

能「邯鄲」の謡に見るカタストロフ性

先日は目黒の喜多能楽堂で、塩津圭介師がシテを勤めた能『邯鄲』を観てきました。中国の伝奇小説『枕中記』が元になっていると伝えられるこの「邯鄲の夢」のお話、何度観ても面白いです。当日配られたパンフレットの解説を村上湛氏が書いておられますが、そ…

素朴な水墨画にあこがれて

日本橋の三井記念美術館で開催されている「日本の素朴絵 ーゆるい、かわいい、たのしい美術ー」という展覧会を見てきました。その名の通り、精緻さやリアリズムとは一線(どころか二線も三線も)を画した、柔らかで大らかなタッチの絵巻・絵本・掛軸・屏風・…