インタプリタかなくぎ流

いつか役に立つことがあるかもしれません。

ウェス・アンダーソンすぎるシンクロニシティ

今日の土曜日は仕事がなかったので、朝からジムのパーソナルトレーニングに出かけました。トレーニングが終わって、すぐに帰ろうと思ったのですが、あまりにいい陽気なので青山墓地を通り抜けながら青山一丁目駅まで散歩して帰ることにしました。途中、雲ひとつない青空に面白いデザインのビルがよく映えていたので、写真を撮りました。

これはiPhoneの写真アプリで「スクエア」を選んで撮りました。学生時代、正方形の写真ばかり撮るベルナール・フォコンの作品が大好きだったので、それをまねて旅行に行ったときなどもよく「スクエア」で撮っています。写真の縦と横が同じ長さなので、特に風景などはときに撮りにくいこともあるのですが、そうやって制約を設けたほうが面白い写真が撮れる(ような気がする)のです。

青山一丁目駅から東京メトロ銀座線に乗って、終点の渋谷駅で東急田園都市線に乗り換えようと思ってふと、逆方向の渋谷ヒカリエに行ってみようと思いました。ヒカリエホールで確か面白そうな展覧会をやっていたことを思い出して。どこかでポスターを見かけて気になっていたのですが、ウェス・アンダーソン氏の旅の写真展です。


www.bunkamura.co.jp

おっと、間違えました。正確に言うと、ウェス・アンダーソン氏の写真展ではなく、ウェス・アンダーソン氏の映画に出てきそうな世界の風景を撮影して投稿するInstagramのコミュニティ“AWA(Accidentally Wes Anderson)”の写真展なのでした。旅情をそそるポップでカラフルで、どこかレトロでキッチュな雰囲気さえあるたくさんの写真が、まるでテーマパークのアトラクションみたいな演出で展示されています。これは楽しいです。

でも一番驚いたのは、それらの多くの写真が「スクエア」でシンメトリカルに対象を撮影していたことです。もちろんさっき取った自分の写真とはまったく質が違いますけど、でもなんとなく雰囲気が似ているような気がして。何の気なしに写真を取って、これまた何の気なしに展示内容もほとんど知らず立ち寄った展覧会で同じような写真に出会うとは。偶然といえば偶然にすぎませんが、不思議なシンクロニシティを感じてしまったのでした。

この展覧会は今年の春にも別の場所で開催されて好評を博し、海外でも巡回されたのちもう一度日本でアンコール開催されているんだそうです。私は何も知らずにふらっと入って受付でチケットを買うことができましたが、本来は入場日時予約制なんだそうです。とにかく無性に旅に出たくなる展覧会。おすすめです。