英国旅行記
夏にイングランド南西部をレンタカーで旅した際、デヴォン州タヴィストックで交通違反をやらかしてしまいました。路上のパーキングスペースに車を停めて観光していたら、駐車時間が制限を超えてしまったのです。このパーキングスペースは「月曜日から土曜日…
ユヴァル・ノア・ハラリの『ホモ・デウス』に「芝生小史」と名づけられた一節があって、そこにはこんな記述があります。 個人の住宅や公共の建物の入口前に芝生を育てるという発想は、中世後期にフランスやイギリスの貴族の城館で誕生した。そして近代初期に…
若いうちにもっと旅をしておけばよかったと思います。それこそ借金してでもあちこちへ行っておけばよかった。でも現実はそううまくいかないもので、若い頃はお金と時間がなくてなかなか旅へ行けず、歳を取ってみたらお金と時間にはいくぶん余裕ができても、…
歳を取って以前ほどお酒を飲めなくなりました。一生ぶん飲み尽くしたからもういいやとお酒を飲まないでいた時期もありましたが、旅行先ではやっぱり地元の酒場に行ってみたくなります。イギリスといえばパブが有名ですが、最初はなんだか入りにくそうな雰囲…
今回はヒースロー空港のBadgetで車を借りました。ネットでの検索によれば、借りる際に保険のオプションなどいろいろと「営業」がたくましいとの情報を得ていましたが、“special offer” と称してオートマ車を勧められたくらいで特にしつこい勧誘などはありま…
カズオ・イシグロに『夜想曲集』という短編集があって、副題が「音楽と夕暮れをめぐる五つの物語」となっています。その名のとおり、なにがしか「音楽」の要素が物語にからんでいてそれは分かりやすいのですが、「夕暮れ」のほうはもう少し読み込まないとそ…
イングランド南岸の街プリマスから、同じく南岸の街ウェイマスに移りました。プリマスってどこかで聞き覚えがある地名だと思っていたら、かつて新大陸を目指した人々がこの街から出港したんですよね、たしか。清教徒、ピューリタン、ピムグリム・ファーザー…
イングランドの最西端、コーンウォール州は「独自の文化や言語、帰属意識を持った地域であり、イングランドの他の地域とは趣を異にしている(Wikipedia)」のだそうです。その独自性を誇るかのように、黒地に白十字というコーンウォールの旗をあちこちで見か…
イングランド南西部への自動車旅行、その三日目にスティーブンスはデボン州タビストック近郊の個人宅に泊めてもらうことになります。ガソリン切れというアクシデントに見舞われて絶望しかかったところ、偶然近くの村に住むテイラーという親切な男に出会い、…
スティーブンスは旅の二日目から三日目にかけて、サマセット州トーントンに立ち寄っています。あ、スティーブンスというのは、カズオ・イシグロの小説『日の名残り』の主人公で、ご主人様から休暇をもらい、さらにご主人様の立派なフォードまで貸してもらっ…
『日の名残り』のスティーブンスはイングランド南西部への旅に出た二日目の午後、ドーセット州のモーティマーズ・ポンドという美しい池に出会います*1。車のラジエーターの水が切れかかっていたことに端を発して、助けを求めたお屋敷の「従卒」に勧められて…
イギリスの作家、カズオ・イシグロのブッカー賞受賞作である『日の名残り(The remains of the day)』。かつてダーリントン卿に仕えた執事のスティーブンスが、現在のご主人であるアメリカ人の「ファラディ様」から休暇を取って旅行をするようにと勧められ…
ブレッチリー・パークといえば、第二次世界大戦時にドイツ軍のエニグマ暗号を解読したアラン・チューリングが勤務していた場所として有名です。現在は映画『イミテーション・ゲーム』でも描かれていた暗号解読について紹介する博物館になっています。web.arc…
ロンドンのテート・ブリテンといえばイギリス絵画の名品が数多く収蔵されていることで有名です。特に「光の画家」とも呼ばれるターナーの作品群が数多く展示されていて、確か昨年「光」をテーマにした展覧会が日本でも開かれていました(私は行けませんでし…