インタプリタかなくぎ流

いつか役に立つことがあるかもしれません。

オンライン授業

語学教師とエンパシー

オンライン英会話でレッスンの予約をする際に、チューターのプロフィールをよく読みます。生徒からの評価が高いとか、教えている内容が自分のレベルに合っているとかも大切ですが、私がとくにひかれるのは、チューターご自身がご自分の母語である英語以外に…

オンライン授業で失われるもの

久しぶりにオンライン授業を担当して、ひどく疲れてしまったーーそんな話をブログに書きました。オンライン授業では、少なくとも語学のそれにおいては、教師と学生の間の、さらには学生と学生の間のインタラクションが希薄になってしまうことが、学習効果を…

オンライン授業って何だったんだろう

一昨日の夜から昨日の朝にかけて、東京ではめずらしく積雪がありました。勤務している学校では交通の混乱などを予想して、昨日の授業はすべてオンライン授業に切り替えることを決定。私は火曜日に5コマも授業があるので、急遽Zoomでの出講となりましたが………

EYE to CAM

今年の1月から始めたオンライン英会話のCambly、コンスタントに続けています。今日は楽しく話せたな〜と元気になることもあれば、なかなか言葉が出てこなくて心折れることもあります。でもまあ語学の、特に初中級段階は心折れることの連続が当たり前で、そ…

オンライン中国語会話

オンライン英会話が何とか続いているので、オンライン中国語会話も試してみようと思いました。私は日常的に中国語を用いる仕事をしてはいますが、現在メインで行っているのは中国語から日本語方向への通訳や翻訳の教育です。学生さんは圧倒的に中国語母語話…

教師だけれど人見知り

人前で話す仕事をずいぶん長い間してきたので、これを人に言うと「またまた〜」と信じてもらえないのですが、私はかなりの「人見知り」です。初対面の人とそつなく話すことができませんし、そもそも人の多いところが極端に苦手です。フリーランスの頃は仕事…

教室の風景もさまがわり

きょうは本務校とは別の通訳学校に出講してきました。この学校にはもう十五年以上お世話になっています。私のように元からして三流で、しかも現在では第一線を退いて細々と通訳や翻訳に関わっているだけの人間が講師というのもかなりおこがましいのですが、…

教育において身体と身体で向き合うこと

トマ・ピケティ氏いうところの「バラモン左翼と商人右翼」に興味を持って、職場の図書館で検索して引っかかってきた何冊かの本を読んでいます。クーリエ・ジャポン編の『不安に克つ思考』もその一冊でした。結果から言えばピケティ氏へのインタビューはほん…

Zoomのブレイクアウトルームで資料や映像や音声を共有する

コロナ禍に突入してから数年、これまで追い立てられるようにしてオンライン授業への対応を続けてきました。ようやく感染状況にも出口のようなものが見えかけてきて、現在私の職場ではほぼすべての授業が対面に戻っています。もとより私は数年の実践で、少な…

新入社員が在宅勤務するのはNGか

在宅勤務が苦手な自分 コロナ禍に突入してから、在宅勤務やリモートワークという働き方が広まりました。私が勤めている職場でも一時期は授業がすべてオンライン形式になったので、自宅から授業をする先生方も多くいました。感染状況が収まってきた現在でも、…

能とAR・VR

雑誌『現代思想』9月号の巻頭に、情報学研究者のドミニク・チェン氏と能楽師の安田登氏による対談が掲載されていて、その中に興味深い一節がありました。 チェン 例えば『羽衣』の冒頭に「虚空に花降り、音楽聞え……」という一節があって、そこでcluster*1内に…

オンライン脳

職場の学校は現在夏休み中です。私は職場にいて教材の準備や教学に関わる勉強などをしていますが、学生のみなさんはそのほとんどが帰省しています。コロナ禍で丸々二年以上母国へ帰国できなかった留学生のみなさんなので、今ごろはたぶん思う存分羽を伸ばし…

コロナ禍が収まったらハイブリッド型授業になるかも

先日、メインの仕事と兼任で受け持っている通訳学校で、春学期末の個人面談を何名かの生徒さんと行いました。この学校ではコロナ禍に突入して移行ずっとオンラインでの授業が行われており、この面談ももちろんオンラインです。二年半ほどの経験を踏まえて、…

もう気に病まない

私はオンライン授業が苦手です。コロナ禍に突入してからというもの、もう二年半近く担当してきましたが、オンライン授業では毎回精神を削られるような思いです。もちろん二年半も経験を重ねてきたのですから、それなりに授業のやり方もあれこれと工夫し、ノ…

オンライン授業のみで日本語を学んできた人たち

コロナ禍に突入してから、学校現場でオンライン授業への取り組みが始まって二年あまり。ハード面、ソフト面ともに問題山積だったオンライン授業も、時を経るごとにさまざまな改善が試みられ、いまではすっかり日常の一部になっています。私もほぼ毎日のよう…

真面目な留学生ほど体調を崩している

コロナ禍が二年を超え、この先もまだしばらくは窮屈な生活が続きそうな気配です。そんななか、職場で相対している外国人留学生のみなさんの中に、体調を崩す人が次々に出ています。そりゃそうですよね、慣れない外国に暮らしていて、なおかつコロナ禍で身も…

オンライン授業にはない「冗長性」が必要なのかもしれない

斎藤環氏と與那覇潤氏の『心を病んだらいけないの?』を読んでいたら、最終章に「オープンダイアローグ」の話が出てきました。統合失調症や鬱病などの患者に対して、投薬ではなく、患者に関わる家族や友人、医師や看護師など、患者に関わる全ての人が参加し…

フリーライダーを生みやすいオンライン授業

コロナ禍に突入してはや二年近くになろうとしています。この間、私が奉職している学校現場も大きな影響を受け、対面授業とオンライン授業を組み合わせた様々な試みのために毎日仕事に忙殺されています。これまでになかった取り組みをやって、いろいろな発見…

オンラインの会議や授業がつらい

私がいまメインで勤めている学校は、系列の大学や専門学校などがひとつのキャンパスにまとまったているところです。その大学では最近、感染状況が落ち着いてきたことを受けて、学生さんはもちろん、学生さんの親御さんからのクレームが急増しているという話…

オンライン授業における「貢献」

Twitterとは疎遠になったといいながら、毎日タイムラインを見に行っている私。昨日はこちらのお二人によるやりとりを見て、あれこれと考えました。授業中聴く一方なのは「フリーライド」だという意識は、日本の大学生にはまだまだ薄いように思います。クラス…

画面を共有すると一発で伝わる

はてなブログで、興味深い記事を読みました。英語が苦手とおっしゃる筆者氏が、英語ばかりの環境の職場に入って駆使してきた「バッドノウハウ」を紹介するという記事です。バッドノウハウとは筆者氏によると「本質的には生産性はないものの、問題解決のため…

とてもやりきれない

コロナ禍に突入してからというもの、奉職している教育現場では遠隔授業やオンライン授業への取り組みを重ねてきました。一時期は学校側からの要求で全面オンライン授業という時期もありましたが、現在では学校側も多少は世間のようすを観察しながら、こう言…

オンライン授業に欠けていたもの

台湾の大学に留学しようとする日本の学生が増えている。理由は、学費が安く、就職に有利だからーー。先日の新聞に、こんな記事が載っていました。中国語ができる人材=即戦力ってのが引っかかる上に、台湾の大学も様々なので安易な理想化は禁物ではないかな…

コロナ禍でコピー機の需要が落ちている?

先日Twitterでこちらのツイートを拝見して、同感だなあと思いました。あの会議に次ぐ会議がいかにも日本っぽくて、なのに結構テキパキと物事が進んでいくのは逆に日本っぽくなくて、リアルでありながら非リアルなところが小気味よいなと。『シン・ゴジラ』が…

オンライン授業への対応に明け暮れた今年(そしてまだまだ続く)

週一回のフィンランド語教室は、今週から全面オンライン授業になりました。教室は横浜にあって、横浜近辺の生徒さんは学校に通い、私のような遠方(?)の生徒はこれまでもオンラインで参加してきたのですが、それが一律オンラインとなったわけです。先生も…

フィンランド語 71 …読解は「俯瞰的」に

フィンランド語のクラスで使っている教科書で予習をしていたら、文法説明のあとにこんな一文が付されていました。この課では分詞の完了形や受動態などを学ぶことになっているのですが、だんだん文章が複雑な構造になってきて学習者が混乱するかもしれない………

オンライン授業に「うな担」がほしい

昨晩偶然に見たNHK『ガッテン!』の「ビデオ通話の極意」は興味深い番組でした。オンラインの会議や授業が盛り上がらないのは「うなずき」と「身振り手振り」の少なさというお話。なるほど、そうだったのか。www9.nhk.or.jpZoomなどを使ったビデオ会議システ…

オンライン授業での学びにくさ

先週は公私ともに忙しくて、ジムのパーソナルトレーニングに行くことができませんでした。このジムにはずっと週二のペースで通っていたので、週末に顔を出したら「どうしました?」と心配されました。「やっぱりコロナ関係で忙しいんですか?」と。確かにコ…

Zoomの授業でスマホの画面と音声を共有する

中日通訳のクラスで、学生さんと一緒に固有名詞(地名や人名など)を覚えるときにスマホのQuizletアプリを使っています。固有名詞は文脈や文の前後に関係なく登場する独立した情報であることが多いので、「脊髄反射」的に訳語が出ないと即アウト!……というこ…

オンライン授業で悩む学生への対応

オンライン授業と対面授業の違いについて、このブログでもいろいろと書いてきました。半年間オンライン授業をやってみて分かったもう一つの問題点は、こうした授業形態に適応できない学生が一定程度いることです。オンライン授業、あるいは遠隔授業はある程…