インタプリタかなくぎ流

いつか役に立つことがあるかもしれません。

2021-01-01から1年間の記事一覧

もっとぶっ飛んでいてもーーデジタル若者能を観て

先日、横浜能楽堂で行われた「デジタル若者能」という公演を見てきました。能楽シテ方喜多流能楽師の塩津圭介師が中心となって毎年開催されている、特に若い世代の方々に手軽な観劇料で能楽に親しんでもらおうという企画の、いわば「スピンオフ版」です。not…

マクドナルドとの再会

『反逆の神話』を読みながら、いわゆる「マクドナルド化」への批判に対して、その批判が必ずしも世の中の実態を正確に踏まえていない可能性について考えました。マクドナルドに代表されるような巨大フランチャイズやチェーンが地域の文化を壊し、大量生産さ…

DeepL公式Chrome拡張

AI翻訳ツール「DeepL」の公式Chrome拡張機能(β版)がリリースされたというニュースに接して、さっそく自分のパソコンでも試してみました。www.itmedia.co.jpChrome上にはすでに「Google翻訳」の拡張機能もあるので、自分の中国語作文を「DeepL」と「Google…

「どこもかしこも同じ店ばかり」か?

ジョセフ・ヒース氏とアンドルー・ポター氏の共著『反逆の神話』には、こんな一節もありました。 アメリカ合衆国を旅してまわる人は、どこもかしこも異様なほど同様であることに強く印象づけられずにはいられない。どのショッピングセンターにも、ほかのどこ…

音楽を聴かなくなった

かつて、音楽CDをたくさん持っていました。専用の大きなキャビネットを持っていたほどで、東日本大震災のときには上に載せていたステレオセットとともに倒れて、職場から徒歩で帰宅したら大変なことになっていました。そのキャビネットもステレオセットもい…

近くて遠い横浜

横浜能楽堂に喜多流のデジタル若者能を見に来たので、その前にいわゆる「町中華」でお昼ごはんを食べました。JR石川町駅から歩いて10分ほどの奇珍というお店です。ネットの情報では行列するほど混んでいるとのことでしたが、行ってみたら空いていてすぐに食…

自分でパンを焼き羊毛を紡ぐ

公害を生みだしてしまったような「大量生産・大量消費」にあらがって「低生産・低消費」の生活を実践しながら模索する。それをテーマの一つに掲げて運営されていた水俣生活学校での生活は、とても楽しいものでした。qianchong.hatenablog.com以前からやって…

異議申し立てと逸脱の混同について

もうすぐ2022年を迎えようという今となってはちょっと信じられないくらいですが、かつて喫煙がほとんどどこでも自由に行われていた時代がありました。ほとんど、というのは病院など医療施設や小中学校の施設内などではさすがに行われていなかったような記憶…

着るものがどんどんシンプルになっていく

先日、書籍を大幅に「断捨離」したのに引き続いて、服も大胆に整理しました。もともと私はファッションセンスのない人間で、かつファッションそのものにあまり興味がないこともあって、持っている服も元来がそれほど多くはありませんでしたが、それでもここ…

「農的な暮らし」を志向したことがあった

1989年、大学を卒業したものの路頭に迷っていた私は、九州のとあるフリースクールで共同生活を始めました。このフリースクールは「水俣生活学校」といって、水俣病事件における患者支援や調査研究などを行っていた財団法人・水俣病センター相思社の一部門と…

お金を払う側だけれどもお礼を言う

年末の大掃除シーズンを迎え、仕事の合間に不用品の整理をしています。先週末は書籍を大胆に「断舎離」してネットの古本屋さんに段ボール箱で三箱ぶん送りました。集荷に来てくれた宅配便のお兄さんも、さすがに三箱いっぺんに持って行けそうになかったので…

フィンランド語 147 …まだ初級

先日、今年最後のフィンランド語講座に出てきました。オンラインでの授業です。コロナ禍に突入してからこちら、ずっとオンラインなんですけど、考えてみればフィンランド語を学びはじめた頃はカルチャーセンターの小さな教室で、肩寄せ合うような少人数のク…

トレーニングで得られる「安心」

先週後半は忙しくて、日課になっているジムでのトレーニングができませんでした。すると案の定、腰が痛くなる。どんなに気をつけて職場ではVariableのバランスチェアに、自宅ではVivoraのバランスボールに座って対策をとっていても、「やつ」はやってくるの…

フィンランド語 146 …日文芬訳の練習・その61

先週外出中に眼鏡をなくしました。つねにかけているはずの眼鏡をなぜなくしたかというと、最近は老眼鏡を使う時間のほうが圧倒的に長くなったからです。立ち寄った場所すべてに問い合わせてみたら、とあるコワーキングスペースで見つかりました。最近はこう…

Twitterに世論はあるか

Twitterをやめてみて、いや、Twitterから降りてみて(この「降りる」という感覚が個人的にはしっくりきます)ここのところ感じているのは、世の中の動きを把握しようとする際にSNSのタイムラインに頼るのは、やや安易な方法なのではないかという点です。もち…

ソバーキュリアス120日

お酒を飲まなくなってから120日目になりました。この間、習慣化のために毎日記録をつけ続けてきたのですが、完全に習慣化されたのでもう記録は卒業してもいいかもしれません。習慣化できてみてから振り返ってみると、どうしてかつてはあんなにお酒を飲まずに…

セカンドキャリアを考える

いまの仕事も定年まであと数年、「セカンドキャリア」を考えるべき年齢になりました。というか、実はもう何年も前から、どうやって引退しようか、その後の暮らしはどうしようかと自分なりに考えてはきたのです。でも、いまのところはハッキリとした形になっ…

Twitterでいかに時間をつぶしていたか

Twitterを使わなくなってから気づいたのは「時間が余る」ということでした。いかにこれまでTwitterで時間をつぶしていたかがわかります。いや、時間が余るというのはあまり正確ではなくて、あいかわらず毎日忙しくてもうちょっと余裕がほしいと思っているの…

留学生の日本語劇

この秋から週に一回、三時間ほどの練習を重ねてきた留学生による日本語劇、いよいよ明日が上演日になりました。ダブルキャストなので、キャストを入れ替えながら四回上演します。きょうは教室を利用して劇場に作り変え、最後のゲネプロをしました。本来なら…

トレーニングは自分との対話

ジムのパーソナルトレーニングで、インターバルの時間にトレーナーさんと話していたら(カタカナが多いですね)、トレーナーさんが「トレーニングは自分との対話です」と言っていました。はい、名言いただきました。トレーナーさんいわく、体幹トレーニング…

フィンランド語 145 …日文芬訳の練習・その60

先日雨の日の仕事帰りで電車に乗っていたら、高校生の男の子に席を譲られました。次の駅で降りる予定だったので「ありがとうございます。大丈夫です」と言ったのですが、とても新鮮な体験でした。だって、生まれて初めて電車で席を譲られたんですから。その…

学生のプレゼンをその場で訳す

留学生の通訳クラスで、今年度後半の授業開始時にこんな動画を使ってみました。オーストラリア在住の華人が、ご自身の好きな推理小説をお勧めするというYouTube動画です。youtu.be東野圭吾氏など日本の推理小説作家の話が出てきて、学生も楽しんで訓練してい…

ゲームの世界に入り込めない

留学生の通訳クラスで、ボキャブラリー増強のためにいろいろなジャンルの言葉を中国語と日本語の両方で集め、覚えています。先日は趣味に関する語彙をみんなでシェアしたのですが、やはりいまどきの留学生のみなさんは、ゲームが大好きという方が多いようで…

身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ

最近、仕事でも私生活でもいろいろと「捨てる」場面が続いて、さびしいような、でもその一方でさっぱりしたような、不思議な感覚にとらわれています。ものを捨てる、いわゆる「断捨離」みたいなのは、私はけっこう抵抗がなくて、あまり執着せずにぼんぼん捨…

フリーライダーを生みやすいオンライン授業

コロナ禍に突入してはや二年近くになろうとしています。この間、私が奉職している学校現場も大きな影響を受け、対面授業とオンライン授業を組み合わせた様々な試みのために毎日仕事に忙殺されています。これまでになかった取り組みをやって、いろいろな発見…

忘れ物をなくすために

週末に、眼鏡をなくしました。ふだん眼鏡をふたつ使っていて、ひとつは常につけている眼鏡、もうひとつは文字を見るときに使う老眼鏡です。なくしたのは常にかけているほうの眼鏡で、なぜ「常にかけている」のになくしたのかというと、最近は老眼がすすんで…

さよならTwitter

自分にとって本当に必要なものだけを残して、いわゆる「断捨離」を試みる際に、思い出がじゃまをするということはよくあります。冷静になってよく考えれば、いまとこれからの自分にはもう必要がないものなのに、そのものとの付き合いがそれなりにあったため…

フィンランド語 144 …日文芬訳の練習・その59

学生の頃から村上春樹氏の小説『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』が好きで、海外に出かけた際には書店で各言語版を買い求めるのがささやかな趣味です。フィンランド語版はヘルシンキ駅の売店で見つけました。先日この小説を約十年ぶりに再読し…

Duolingoの2000日

スマートフォンやパソコンで言語を学べるDuolingoの連続学習日数が2000日になりました。Duolingo自身のキャッチフレーズは「初歩から上級者まで」ということですが、正直に申し上げて「上級」の内容を欲している方にはかなり物足りないのではないかと思いま…

席を譲られました

昨日、仕事の帰りに電車に乗っていたら、高校生くらいとおぼしきお兄さんに席を譲られました。次の駅で降りる予定だったので「ありがとうございます。大丈夫です」と言ったのですが、とても新鮮な体験でした。だって、生まれて初めて電車で席を譲られたんで…