インタプリタかなくぎ流

いつか役に立つことがあるかもしれません。

2007-12-01から1ヶ月間の記事一覧

無理な注文

所用で銀座と渋谷を回ったので、ついでにアップルストアに立ち寄る。ノートブックを買い足そうと思っていて、どうせならMacにしようと思ったのだ。このノートブックはプレゼン用だから特にMac上でWindowsを走らせなくてもよいのだけれど、試みに字幕制作ソフ…

佐藤可士和の超整理術

キリン「極生」や国立新美術館や「UT STORE HARAJUKU.」などのアートディレクションで有名な佐藤可士和氏の本。「整理術」となっているが、単なる身の回りの整理術にとどまらず、思考法や発想法、人間関係の作り方や仕事の進め方にまで敷衍された氏の哲学が…

欧州では「負け犬の死」

http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/1071809.html 日本人はなぜ『フランダースの犬』に感動するのかを検証したドキュメンタリー映画があるのだそうだ。あのアニメには私も泣いたなあ。今見ても泣ける。 アントワープ大聖堂で、ルーベンスの絵を見上げ…

傾鈴筐啷

九九という人の『跌倒的小䖝人』という短編集に、デイパックの中身を地面にぶちまける音としてこんな表現が出てくる。 我乾脆把包包裡的東西都倒出來,傾鈴筐啷掉滿地…… “傾鈴筐啷”(チンリンクァンラン)? 一瞬「ロバのパン」を連想したけれども、あれは「…

英語を学ぶ人・教える人のために―「話せる」のメカニズム

第二言語習得研究の入門書。とても分かりやすい。これまでの研究で明らかにされたこと、まだ分かっていないことがハッキリ示され、その上で、現時点でこれらの研究成果を踏まえた学び方や教え方があるとすればどんなものかを解説する。 なかでも、文法の習得…

憂い顔の「星の王子さま」―続出誤訳のケーススタディと翻訳者のメチエ

『聖書』、『資本論』につぐベストセラー本と言われるサン=テグジュペリの『星の王子さま』。半世紀にわたる独占的出版権が切れた二〇〇五年以降次々に新訳が出版されたが、この本はそれら新訳版と、もとの内藤濯による訳本を俎上にのせ、翻訳の不備を細か…

北京三十五年――中国革命の中の日本人技師

「解放」前の1944年から文革後まで、北京に住み続けたある日本人技師の回想記。ネット上の古本屋でようやく手に入れて読んだ。 国民党時代の北京から、共産党入城、三反・五反運動、反右派闘争、大躍進、そして文革と、さまざまな近現代史の本で読んできたこ…

今治水

同僚の先生が、「ほら、昔よく使ったじゃない、虫歯が痛い時にさ、脱脂綿に浸して、穴に詰めて……」。 とたんに、何十年か開けていなかった頭の引き出しが開いた。 「今治水?」 「それだぁっっっ!」 ネットで検索したら、今でも売ってるそうだ。 http://www…

いっさいしない

中国語を学び始めた頃教わったことのある老師が亡くなった。彼女とはその後同じ学校で同僚にもなった。まだ天寿を全うするような年ではないが、不治の病だったから仕方がなかった。家族の意向で葬儀や告別式はいっさいしないという。 私も、自分が死んだら儀…