東京は連日ものすごい暑さになっています。この猛暑に耐えかねてか、往来はもちろん電車の中などでも多くの方が「ぶーん」とやっています。いわゆるハンディファンというやつですか。片手に持つタイプやU字型の首かけタイプ、日傘の柄にクリップで固定するタイプもあれば、一度など「それはもうほぼサーキュレーターじゃない?」というくらい巨大なものを持ち歩いている方もお見かけしました。
https://www.irasutoya.com/2019/07/blog-post_8.html
私はここ数年、猛暑に対抗して日傘を使っています。もう何年も前から「日傘男子」などと称して男性も日傘を使いましょう的なキャンペーンが展開されていますが、私が見渡した範囲では、男性で日傘を差されている方はまだまだ少ないみたい。そのいっぽうでハンディファンは、老若男女を問わず一挙に普及した感があります。日傘には抵抗のある男性も、ハンディファンについてはまったく大丈夫なんですね。
私はといえば、逆に日傘は抵抗がないけれどもハンディファンを持つのはちょっと……という感覚です。これ以上家電を増やして、充電などに手間を取られるのが面倒だ、というのは建て前で、本音のところはなんとなくあの「ぶーん」を持つのが恥ずかしいから。なんのことはない、私は私で凝り固まったジェンダー感に支配されているのかもしれません。
こういう古い観念は日本人だけなのかしら、リアリストたるチャイニーズのみなさんは日傘でもハンディファンでも「暑けりゃ使う!それだけ!」ときっぱり言い切るかしら……と思って、試しに台湾のニュースサイトなどを検索してみたら、日本の日傘男子を紹介するこんな記事がありました。
記事の本文からは台湾人、特に男性諸氏がどう思ってらっしゃるかはわからないのですが、記事のタイトルが『台灣男人你敢嗎?(台湾の男性よ、日傘を差す勇気はあるか?)』であるところを見ると、やっぱり抵抗があるんでしょうかね。もうひとつ、こちらの掲示板にはこんな意見がありました。“男人可以戴帽子啊,為何要撐傘? 而且男人皮膚曬黑一點顯得更健康陽光(男は帽子をかぶればいいじゃないか、なんで傘を差さなきゃならない? 男は少し日焼けしているくらいが健康的に見えるんだ)”。
これが世論の大勢かどうかは分かりませんが、けっこう保守的な方はあちらにもいるんですね。むかし中国に住んでいたころ、暑い季節にはシャツをたくし上げて歩いている、いわゆる“膀爺(俗にいう「北京ビキニ」)”というオジサマ方に遭遇したものですが、最近はどうなのかしら。
と思ったら、きのう、新宿の地下街で、いかにも今ふうの若い男性がいきなりTシャツを胸あたりまでたくし上げてバサバサやっていたのでびっくりしました。猛暑もここまでになると、もはや体裁など気にしてられっかという感じになるのかもしれません。