インタプリタかなくぎ流

“Might come in handy one day.”

ほん

年齢に関係なく働く

東京は青山のスパイラルビル5階に「Call」というお店があります。デザイナー・皆川明氏のブランド「ミナ・ペルホネン*1」が展開している服飾や雑貨のお店で、食品販売コーナーやカフェもある面白い空間です。スパイラルといえば、私が学生時代に竣工したお…

セカンドキャリア本をあれこれ読む

現在勤めている職場はあと数年で「定年」になるので、最近はよくセカンドライフやセカンドキャリアについて考えます。実際には定年後も嘱託や非常勤で働き続けることもできるのですが、コロナ禍でどんな業界にも様々な変化が訪れている昨今、あれこれと考え…

知性は死なない 平成の鬱をこえて

與那覇潤氏の『知性は死なない』を読みました。2018年に単行本として出版された同書にいくつかの論考を加えた「増補版」です。 知性は死なない 平成の鬱をこえて 増補版 (文春文庫)その単行本をすでに読んでいた記憶があったので、増補分を中心にもう一度と…

歩きながら考える

もうひとつ、レベッカ・ソルニット氏の『ウォークス 歩くことの精神史』から。序章に出てきた「クリック一つで知のすべてをお約束します」という惹句がおどるCD-ROM版百科事典の広告についての話にもいろいろと考えさせられました。「クリック一つで」とその…

『ウォークス』を読んで筋トレの「おかしみ」を考える

レベッカ・ソルニット氏の『ウォークス』を読みました。「歩くことの精神史」という副題が付けられた大部の書です。歩行と思索、自然の中における歩行、都市における歩行などが、文学や宗教、社会運動や政治運動、はては革命、さらには女性と性と都市の公共…

アメリカの高校生が学んでいるお金の教科書

「そもそもお金とは何か」から始まって、就職、転職、キャリア選択、貯金、会計、借金、投資、税金、保険はもとより、破産や詐欺、さらには老後資金にいたるまで、お金に関する基礎知識をわかりやすく解説した一冊です。ごくごく初歩的な基礎知識しか書かれ…

マクドナルドとの再会

『反逆の神話』を読みながら、いわゆる「マクドナルド化」への批判に対して、その批判が必ずしも世の中の実態を正確に踏まえていない可能性について考えました。マクドナルドに代表されるような巨大フランチャイズやチェーンが地域の文化を壊し、大量生産さ…

「どこもかしこも同じ店ばかり」か?

ジョセフ・ヒース氏とアンドルー・ポター氏の共著『反逆の神話』には、こんな一節もありました。 アメリカ合衆国を旅してまわる人は、どこもかしこも異様なほど同様であることに強く印象づけられずにはいられない。どのショッピングセンターにも、ほかのどこ…

自分でパンを焼き羊毛を紡ぐ

公害を生みだしてしまったような「大量生産・大量消費」にあらがって「低生産・低消費」の生活を実践しながら模索する。それをテーマの一つに掲げて運営されていた水俣生活学校での生活は、とても楽しいものでした。qianchong.hatenablog.com以前からやって…

異議申し立てと逸脱の混同について

もうすぐ2022年を迎えようという今となってはちょっと信じられないくらいですが、かつて喫煙がほとんどどこでも自由に行われていた時代がありました。ほとんど、というのは病院など医療施設や小中学校の施設内などではさすがに行われていなかったような記憶…

学生のプレゼンをその場で訳す

留学生の通訳クラスで、今年度後半の授業開始時にこんな動画を使ってみました。オーストラリア在住の華人が、ご自身の好きな推理小説をお勧めするというYouTube動画です。youtu.be東野圭吾氏など日本の推理小説作家の話が出てきて、学生も楽しんで訓練してい…

Duolingoの2000日

スマートフォンやパソコンで言語を学べるDuolingoの連続学習日数が2000日になりました。Duolingo自身のキャッチフレーズは「初歩から上級者まで」ということですが、正直に申し上げて「上級」の内容を欲している方にはかなり物足りないのではないかと思いま…

Amazonの注文履歴を振り返る

ジョシュア・ベッカー氏の『より少ない生き方』を読んでいたら、Amazonの注文履歴を確かめるという話が載っていました。 アマゾンの注文履歴を見て愕然としたことが、オンガロ夫妻にとって自分を知る大きなきっかけになった。共働きで子供のいない夫婦が、や…

日本で初めて(たぶん)のソバーキュリアス専門書店

今年の4月から「棚主(たなぬし)」として利用させていただいている、東急世田谷線松陰神社前駅近くの「100人の本屋さん」。売り上げより維持費のほうが上回っていてほとんど道楽のようになっていますが、ほかの「本屋さん(本棚)」もどんどん増えて充実し…

消費ミニマリズムの倫理と脱資本主義の精神

資本主義と、これまでの資本主義が大いに寄りかかってきた大量生産大量消費の行き詰まりを見据えて、「脱資本主義の精神」をミニマリズムに求めてみるという野心的な一冊です。マックス・ヴェーバーの『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』を本歌…

村上春樹氏の『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』をめぐる「10年で変わったこと・変わらなかったこと」

加藤典洋氏の評論集『村上春樹の世界』を読んだので、『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』を再読しました。確かこの前読んだのは東日本大震災の年だったと覚えているので、ちょうど10年ぶりで読み返したことになります。この小説を最初に読んだ…

退屈とポストトゥルース

アテンション・エコノミー(注意経済/関心経済)への問題意識から、いろいろと読んだ中の一冊です。退屈、ポストトゥルース、インターフェース、コンテクストなどをキーワードに、私たちがいかにSNSなどのネット産業に取り込まれ、自分の核をなくしつつある…

村上春樹の世界

一昨年に亡くなった文芸評論家の加藤典洋氏による村上春樹作品の評論集です。村上氏のデビュー作『風の歌を聴け』から2017年の『騎士団長殺し』まで、長編・短編を含めて時代を追う形で作品論や書評が収められています。 村上春樹の世界 (講談社文芸文庫)私…

何もしない

英語の原題が“How to do nothing”、日本語版は『何もしない』。表紙も裏表紙も真っ白な装幀で、ミニマリズムの極地のような印象の本です。最初、書店で気になって手にとったときは、そのあまりの取っ掛かりのなさにいったん買わずにその場を離れたくらいでし…

飲まない生き方 ソバーキュリアス

「ソバーキュリアス(Sober Curious = しらふでいることへの興味)」という言葉に出会って、ふと、お酒をやめてみようかな……と「思いつき」で飲まなくなってから今日で75日目。日数を細かく覚えているのは習慣化のために毎日記録しているからですが、最近で…

サイトの粘着性への挑戦

マシュー・ハインドマン氏の『デジタルエコノミーの罠』という本を読んでいたら、インターネット上のサイトにおける「粘着性」という概念が出てきました。 ウェブサイトは、広告によるものだろうと購読によるものだろうと、成功するにはトラフィックが必要だ…

英語のドリルを習慣化する

英語の「体力」をもう少しつけたいと、ここ二ヶ月ほど英語のドリルに取り組んでいます。Duolingoはそれ以前から日課になっていて、もう少しで連続2000日。ごくごく初歩的な英語の組み立て方が身体に染み込んできたような気がしています。中国語もそうですけ…

『葉隠』出てくる人物がまるで自分のことみたい

最近はTwitterをほそぼそと利用するだけにとどめていますが、元から使っているアカウントの他に、もうひとつフィンランド語で作文を書くアカウントを持っています。たまにコメントをもらって、それにフィンランド語で返すのが楽しいのですが、先日はタイムラ…

『All Right!』という雑誌があった

あれは大学受験に失敗して浪人生活をしていた頃ですから、18歳か19歳だったと思います。当時住んでいた大阪府下のある私鉄駅前にあった本屋さんで、創刊されたばかりの雑誌を偶然見つけて買いました。当時、若い男性向け雑誌として双璧を成していた『POPEYE…

清少納言を求めて、フィンランドから京都へ

いわゆる「アラフォーシングル」のミア・カンキマキ(Mia Kankimäki)氏が清少納言に魅せられ、休職して京都へ研究に赴く……というより安宿に「転がり込む」ようにして京都にやってきます。エッセイであり、紀行文であり、ご自身がフィンランド人であるだけに…

本を読まないとバカになる

先日Twitterで「読書の秋」に読みたい書籍100選というツイートが話題に、というか「炎上」していました。元のツイートは削除されてしまったようですが、おそらくそこに並んでいた書籍がほぼいわゆる「自己啓発本」のたぐいだったのと、そうした本を読んでこ…

ノンアルコールビールを飲むということ

お酒を飲まなくなってから50日ほど。いまでもスーパーのお酒売り場を通りかかると、ついフラフラと引き寄せられそうになることはありますが、もう以前のように飲みたい、飲まずにはいられないという状態には陥らなくなりました。自分ではそうではないと思っ…

インターネットポルノ中毒

カバーのそでにこう書いてあります。「インターネットポルノ中毒は、裸やエロスに対する中毒ではない。画面上の目新しさに対する中毒だ」。この本の副題は「やめられない脳と中毒の科学」となっていて、書店で偶然見つけて購入しました。 インターネットポル…

お酒を飲まない暮らしへの関心

緊急事態宣言や蔓延防止等重点措置を今月末で解除するという政府の決定を受けて、飲食業のみなさんが「ようやく光が見えてきた」と語っています。テレビニュースはさっそく新橋駅前でサラリーマンに取材して(この「様式美」もそろそろ変えてみたらどうかな…

TOKYO REDUX 下山迷宮

下山事件といえば、戦後間もない1949年に起こった、初代国鉄総裁の下山定則氏が失踪後轢死体で発見された事件として有名です。折しも国鉄職員に対する大量の人員整理案が問題となっていた時期で、GHQと日本政府、それに当時勢いを増していた左翼勢力との駆け…