インタプリタかなくぎ流

“Might come in handy one day.”

ほん

薄暗がりが好き

私は「薄暗がり」が好きです。と言ってもそれは屋内についてだけで、屋外に出たらぱあっと明るいほうが好きですが。特に今日のような雪が降っている日など、しんと静まり返った家の中で電灯はつけず、雪の白さに反射してわずかに入ってくる外の明るさだけで…

社会の静けさに明るい未来を見る

都民は不要不急の外出を避け、できるだけ自宅にとどまってほしいという呼びかけをうけて、ずっと家にこもっています。もともとはこの週末にチケットを買ってあったお能の公演があったのですが、ぎりぎりまで開催を模索したものの結局延期になりましたという…

謝辞なんていらない

ネットで検索していたら、とある大学での卒業式における「謝辞」を見かけました。型通りのものとは全く違ったスタイルのその謝辞は、SNSなどでも「パンク」だ「ロック」だなどと形容され絶賛されていました。www.univ.gakushuin.ac.jp個人的にはこの謝辞で、…

ヨタへロ期

東京新聞の朝刊を読んでいたら、「ヨタへロ期」という言葉に遭遇しました。評論家の樋口恵子氏の造語で、健康寿命(自立して日常生活を送れる期間)と平均寿命の間の十年前後を指すのだそうです。加齢により様々な場面で自分の思うように行かないシチュエー…

「言の葉」のフィンランド

職場から業務は基本的に「テレワーク」として学校へは極力出てこないようにとのお達しがあり、通勤時間の浮いたぶん、これまで「積ん読」だったたくさんの本を消化できるようになりました。とくに大部の本はこうやってまとまった時間があるときじゃないとな…

電子書籍が「どうしてもダメ」な理由

私は電子書籍が苦手です。とはいえ、これまでにおよそ150冊くらいは購入してきました。これだけ普及しているのに電子書籍に手を出さないのも何だか固陋で頑迷な爺さんまで一直線のような気がしますし、使ってみれば新しい発見があり、自分も変わるかもしれな…

バッハ・古楽・チェロ

先日の東京新聞に、オランダのチェリスト、アンナー・ビルスマ氏のCDに関する小さな記事が載っていました。親交のあった日本の音楽評論家・佐々木節夫氏の死去に際し、ビルスマ氏の発案によって東京の教会で行われた追悼コンサートを収録したCDが発売された…

職員室のモノを捨てる

題名にある通りの、そのものズバリの本です。小学校の教諭である丸山瞬氏が、職員室にあった何十年前のものとおぼしき「ベル」を片付ける話から始まるその内容は、学校現場に勤めたことがある方なら誰もが「そうそう!」と頷くことしきりです。そしてその一…

無邪気な冷笑

ジムでベンチプレスの休憩をとっているときに、トレーナーさんと「五輪は延期ですかねえ」という話になりました。新型コロナウイルスによる感染症が、WHOも「パンデミック」だと認めざるを得ないほど広がっている昨今。それでも「開催一択」といい続けている…

メタボよりロコモ

書店で偶然、面白い題名の本を見つけました。その題名の通り、フィジカルトレーナーである中野ジェームズ修一氏が、様々な職業の「運動嫌い」の方々と対談しながら、運動やトレーニングの意義を説明する本です。 中野ジェームズ修一×運動嫌い: わかっちゃい…

おでん・ド・ブラン

毎年冬に何度か作る「おでん・ド・ブラン」。白い食材ばかりで作った淡白なこのおでんは、写真家・現代美術作家の杉本博司氏が『趣味と芸術――謎の割烹 味占郷』で紹介されているものです。 趣味と芸術 謎の割烹 味占郷いまAmazonでこの本を検索してみたら、…

語学と辞書について

昨日は奉職している学校で教員のミーティングが開かれました。新年度を控えて、授業のスケジュールやカリキュラム、シラバスなどを確認する会議です。その場所で、ある日本語の先生からとても興味深いお話を聞きました。いわく「留学生が、ネットの辞書で調…

通訳というおしごと

関根マイク氏の『通訳というおしごと』を読みました。通訳業界の現状、通訳者としてのデビューからステップアップ、現場での心構え、通訳者のセカンドキャリアまで、通訳の語学としての側面よりも「おしごと(業務)」そのものにスポットをあてて書かれた一…

こまやかな中国語に憧れる

昨日は通訳学校秋学期の最後の授業日でした。この学校では最終日に、これまでの訓練の総仕上げとして外部から専門家をお招きして講演を行っていただき、その内容を通訳するという実習が行われます。昨日の講師は、中国の大学を卒業されたあと日本の大学院で…

「物事を丸く収める」ことの是非

仕事帰りの書店で目に止まり、買い求めた『しょぼい生活革命』(内田樹氏✗えらいてんちょう=矢内東紀氏)を読んでいたら、河竹黙阿弥作の歌舞伎『三人吉三廓初買』のお話が出てきました。 しょぼい生活革命Wikipediaの同項目に、この歌舞伎でいちばん有名な…

体育会系

子供の頃からスポーツが苦手でした。だからもちろん体育の時間が一番嫌いでした。でも小学生の頃は「男の子だったら野球をやっていて当然」というような同調圧力がありまして、好きでもないのにプロ野球の球団の帽子をかぶって、グローブも持ってましたね。…

隣のサイコパス

学校の教師などという因果な商売をしておりますと、時々生徒の負の側面とお付き合いしなければならない局面にも出くわします。それは例えば、試験の際にカンニングを見つかった生徒や、レポートで剽窃(いまふうに言えば「コピペ」ですか)が発覚した生徒へ…

語学の「見取り図」

中国語を学び始めて何年ぐらい経った頃でしょうか、あるとき「中国語とはこんな言語だ」という大まかな姿が見えてきたような感覚になったことがあります。最初は山の麓の樹海にいて周りの視界がまったくきかなかったところから、中腹まで登ってきて周囲の状…

貧むす

深谷かほる氏のマンガ『夜廻り猫』に出てくるたべものには、無性に作りたくなる(それも夜遅くに)ものがいくつもあります。そのうちのひとつ「貧むす」。海老天じゃなくて、天かすが入ったおむすびなので「天むす」ならぬ「貧むす」なんですけど、三つ葉の…

中国のプラ規制に背中を押されて

昨日の朝、テレビを見ていたら「中国政府が使い捨てプラスチックの規制を強化」というニュースに接しました。www.newsweekjapan.jpつい最近まで、資源ごみとしての使用済みプラスチックを各国から輸入していた中国ですけど、それをほぼ停止し、さらには自国…

からだの使い方を「発散」させる

ここのところずっとご無沙汰だった腰痛に襲われてしまいました。年末年始の自堕落な生活に加えて、音声を聞きながらの長時間の採点を何日間も続けていたからじゃないかと思います。ジムのトレーナーさんがおっしゃっていましたが、デスクに向かって座り、長…

脱・筋トレ思考

先日、通っているジムでたまたま休息時間が重なったお一人から声をかけられました。「ずいぶん筋肉がついてきましたね」。この方はよくジムでお見かけするので私も見知ってはいましたが、お話ししたことはありませんでした。「あ、あの方、またいらしてる」…

いまからもううんざり

予想はしていましたが、年が明けたらことさらに「オリンピック」を盛り上げようとする声喧しくて、もう本当にうんざりです。ふだんからテレビはあまり見ないのですが、その少ない視聴時間でも「多いな」と感じるんですから、これから先、「本番」が近づくに…

サ道とサ旅

タナカカツキ氏のマンガ『サ道』の第三巻を読みました。今回も「サウナ大使」のサウナ愛が炸裂して面白かったですが、日本のサウナに多いドライサウナ、なおかつ騒がしくて明るすぎるサウナが苦手とおっしゃる部分、私も同感です。 マンガ サ道~マンガで読…

雪が「hi-la-ha-la」と降ってくる

なにかの外語を学んで「達人」の域に達した方が、自分の母語と比較してその外語を語っている文章を読むのが好きです。どうやって外語を学ぶのかというヒントが見つかるのもさることながら、そうした方、例えばそれが日本語母語話者であれば、その視点は母語…

ケンジとシロさん

元日はどこにも行かず、一日中家にこもっていました。外へ出たのは郵便ポストに入っている年賀状を取りに行ったときだけ。でも年賀状はここ数年出すのをやめてしまっているので、届く枚数も年々減り続け、ついに今年は数枚にまでなりました。毎年不義理を働…

冷蔵庫の在庫管理をめぐって

約八ヶ月から九ヶ月ほどに一度のお楽しみ、よしながふみ氏のマンガ『きのう何食べた?』の最新第16巻を読みました。新刊が出るたびに記事を書いているような気がしますが、今回もいろいろと感慨深いものがある一冊になっていました。私は主人公の筧史郎氏・…

なぜ並ぶ?

通勤途中にある一軒のラーメン屋さんが気になっていました。お昼時にはいつも行列ができていますし、看板には「無添加」とか「国産野菜」とか「化学調味料不使用」などの文字が並んでいます。ネットの情報によれば、どちらかというとお若い方向けの「ガッツ…

やっぱり借金減らして現金増やせ!

荻原博子氏の『やっぱり借金減らして現金増やせ!』を読みました。副題は「“2000万円”なくても老後資金は足りてます」。そう、これは今年「老後資金は公的年金だけでは2000万円不足する」という部分だけがセンセーショナルに取り上げられて話題になった、金…

先生と呼ばないで

若い頃、松下竜一氏の著作を片っ端から読んでいた時期がありました。アルバイトをしていた八百屋さんのオヤジさんが松下氏の熱烈なファンで、大分県中津市の松下氏宅まで訪ねていっちゃうくらいの方だったのですが、私もその影響を受けて『豆腐屋の四季』を…