インタプリタかなくぎ流

いつか役に立つことがあるかもしれません。

2024-01-01から1年間の記事一覧

ロシアの「Z」とウェラーマン

2022年2月にロシアによるウクライナへの侵攻が始まってからほどなくして、日本のニュース番組でこんなプロパガンダ映像が紹介されたことがありました。www.youtube.comロシア軍のトレードマークとして採用され話題となっていた「Z」をモチーフにして、看護師…

効率のよい語学学習?

通勤途中の書店で偶然見つけた、奈倉有里氏の『ことばの白地図を歩く』を読んでいたら、「妖怪あきらめ」という「語学学習にひそむ強敵」が出てきました。 でたぞ、語学学習にひそむ強敵、妖怪あきらめ。こいつのやっかいなところは、意外にも「なんのために…

青空文庫+物書堂

辞書アプリ「物書堂(ものかきどう)」さんが、毎春恒例の「新学期・新生活応援セール」を実施されています。macOSのユーザ限定ではありますが、さまざまな辞書が普段よりもかなりお安く購入できるので、日本語を学ばれている留学生のみなさんにもぜひおすす…

黒縁の老眼鏡

老眼がどんどん進んで、これまで使っていた老眼鏡で文字を読むのがいささかつらくなってきたので、新しいものを買い求めました。これまではチェーン店の眼鏡屋さんで格安の老眼鏡を買っていたのですが、ちゃんと検眼してもらったうえで誂えようかなと思い、…

移動図書館

けさの新聞に、東京都町田市の移動図書館「そよかぜ号」の話題が載っていました。ああ、まだ活躍していたんですね、移動図書館。私が子どもの頃に住んでいた団地の集会所にも、この写真そっくりな移動図書館が定期的にやってきていて、毎回楽しみにしていた…

もしトラ

『ワシントン・ポスト』の電子版に、日本の流行語「もしトラ」が紹介されていました。政治的・経済的にはまだしも、外交的にはけっこうなところまで、軍事的にはほぼアメリカの属国、といって悪ければ「51番めの州」ないしは「コモンウェルス(自治領)」と…

すべてをゆるそう

自分の心と身体がそれまでとは違う状態に入ったのだなと如実に感じられるようになったのはここ5、6年のことでしょうか。現実の厳しさに比べてやや軽薄な感じがする言葉ですけど、まさに「老いのリアル」みたいなものがひしひしと迫ってくるのを、なかば驚…

マウントフルな人生

「マウントおじさん」という言葉があります。あるいは「マウンティングおじさん」とも言うでしょうか。自分が他人よりも優れていることを見せつけようとする男性のことを指し、とくに、自分の経験や知識や能力などを誇示して、相手を見下ろそうとする行動を…

チルドレン・Yチェア

中近東の織物・キリムや北欧家具を専門に扱っているROGOBA(ロゴバ)というお店があります。お店というよりもショールームに近くて、個人が立ち寄って購入するというよりは企業なり団体なりがインテリアを調達するといった感じのお店ではないかと思われます…

日の名残り

およそ20年ぶりくらいで、カズオ・イシグロ氏の『日の名残り』を読み返しました。私は2001年発行のハヤカワepi文庫版を持っていて、かつて読んだときにとても感動したことだけは覚えていました。でも今回、ふと書棚から手にとって読みだしたら、おおまかなプ…

台湾は三分の一が……

『天下雜誌』のポッドキャストを聞いていたら、艾爾科技(L Labs)CEOの林宜敬氏がこんなことをおっしゃっていました。 我一直認為說台灣的文化基本上是三分之一中華文化、三分之一日本文化、三分之一的美國文化。只是我們台灣人自己可能不覺得,但是像我這…

チケット詐欺

エイプリルフールを念頭に置かれてか、けさの東京新聞『筆洗』欄にこんなことが書かれていました。 四十数年前の春、上京後数日にして、新宿でインチキな映画券を売りつけられた ありましたね、そういう詐欺。私も実はそのインチキな映画券を売りつけられた…

ATOKの亡霊

5年以上使い続けてきたMacbook Airを買い替えました。ちょうどM3チップ搭載のMacbook Airが登場したばかりで惹かれたものの、結局自分の仕事内容などをあれこれ勘案したすえにMacbook Proへ乗り換えることにしました。メモリなど増設するとけっこうな価格に…

牛軋餅

台湾のおみやげとして喜ばれるものはいろいろとありますが、私は“牛軋糖(ヌガー)”が大好きで、よく買って帰ります。今回はいつも購入しているものとは違うお店を開拓しようと思って、Googleマップで探していたら、クチコミで“沒有傳統牛軋糖偏硬、咬不動的…

FOMO

台湾発のSNSで、基本的には大学生専用のプラットフォームとして人気のある「Dcard」(日本でも「Dtto」という名前でサービスが提供されています)。そのDcardのYoutubeチャンネル「Dcard Video」*1の動画で「FOMO」という言葉を知りました(14:00〜)。www.y…

大肚腩

旅行における楽しみは人それぞれだと思いますが、私の場合は食べ歩きです。いえ「でした」と言うべきでしょうか。年を取って、若いときのように片っ端からおいしいもの、めずらしいものを食べてまわるということができなくなりました。ほんの少し食べただけ…

三寶

中国語圏で“三寶(三宝)”という言葉が頭についているB級グルメのメニューがあります。三寶飯とか三寶牛肉麵とか、三種類の具材を盛り合わせてご飯や麺の上にのせました的なもので、三種類が一度に味わえるのでとても豪華で(しかしそこはB級グルメなので、…

羊肉

台南から南へ30kmほど下ったところに岡山という街があって、ここは羊肉の料理で有名なところです。羊肉といってもラムやマトンではなく山羊(ヤギ)の肉です。これを使った“羊肉爐”という鍋料理が定番で、岡山に住んでいた頃はよく食べていました。当時よく…

鱔魚意麵

“虱目魚”と並ぶ台南の味として思い浮かぶのは“鱔魚(タウナギ)”です。とりわけこの食材を使った“鱔魚意麵”はとても庶民的なB級グルメとして知られています。台湾南部で働いていたころ、同僚に連れられてこの鱔魚意麵を食べに行ったことがありました。とても…

洪通

その絵から、かのヴォイニッチ手稿を連想しました。臺南市美術館2館で展示されていた洪通(Hung Tung)氏の作品を見たときです。たまたま立ち寄ったこの美術館では、ちょうど台南にゆかりのある画家の展覧会が行われていて、紹介されている4人のうちのおひ…

虱目魚

台湾南部の味と言えば何でしょう。いろいろとおいしいものはありますけど、多くの人が挙げるのは“虱目魚(サバヒー)”でしょうか。台南だけでなく台湾ではどこでも食べられますが、安平魚の別名もある通り(安平は台南の港町です)、特に台南らしい食材とし…

再發號

台南駅のホームに降り立ったら「昔のままだ」と思いました。ちょうど20年ほど前に岡山(日本のじゃなくて台湾の。高雄と台南のちょうど中間くらいにある街です)に住んでいて、週末は各駅停車の電車でよく台南に遊びに来ていたのですが、その時の雰囲気がそ…

中熱拿

久しぶりに台北へやってきて、たまたま利用したコーヒースタンドで、常連さんとおぼしき男性がお店に入ってくるなりひとこと“中熱拿”と言っていました。Mサイズのホットのカフェラテ。直前に私も偶然同じものを注文して飲んでいたのですが、私は“熱拿鐵中杯…

語学教師とエンパシー

オンライン英会話でレッスンの予約をする際に、チューターのプロフィールをよく読みます。生徒からの評価が高いとか、教えている内容が自分のレベルに合っているとかも大切ですが、私がとくにひかれるのは、チューターご自身がご自分の母語である英語以外に…

さよならSNS

先日、ながらく放置状態だったソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)から退会しました。フェイスブック(Facebook)とピンタレスト(Pinterest)のアカウントです。SNSに分類されるものとしてはあとユーチューブ(Youtube)とライン(LINE)を引き…

ChatGPTが勝手にやり取りしちゃってた

けさChatGPTの画面を開いたとき、左側にあるチャット履歴一覧の“Previous 7 Days”のところに“Cheer up with kittens!”という項目があるのに気づきました。こんなやり取りです。 ●You I want to cheer up my friend who's having a rough day. Can you sugges…

音声の錯覚と誤解

突然で恐縮ですが、この発言の音声、何と言っているように聞こえますか。内容は罵詈雑言の類なので、聞くときには注意してください。この発言はとある在日クルド人によるものだそうですが、これを受けて自民党の若林洋平参院議員がSNSで「日本人の国なので、…

あたらしい家中華

極端な人見知りで人づきあいが苦手な私ですが、曲がりなりにも数十年ほど中国語関係のお仕事をしてくるなかで、中国人のお宅に招かれて食事をふるまわれたことが何度かあります。数十年で何度かしかないというのが社交性のなさを如実に表していますが、それ…

翻訳という「愉悦」

私が担当している留学生の通訳翻訳クラスには「英日班」と「中日班」の学生がいます。つまり英語・日本語間の通訳や翻訳を勉強している人たちと、中国語・日本語間のそれを勉強している人たち。みなさん、通訳や翻訳に興味があるのに加えて、言語を活かして…

オンライン授業で失われるもの

久しぶりにオンライン授業を担当して、ひどく疲れてしまったーーそんな話をブログに書きました。オンライン授業では、少なくとも語学のそれにおいては、教師と学生の間の、さらには学生と学生の間のインタラクションが希薄になってしまうことが、学習効果を…