インタプリタかなくぎ流

いつか役に立つことがあるかもしれません。

中国語を学ぶ

天龍発言

「500人バカにする人がいたら、500人応援する人がいる」という、プロレスラー・天龍源一郎氏の名言ではありません。「私はコメは買ったことはありません。支援者の方々がたくさんコメを下さる。売るほどあります、私の家の食品庫には」と政治資金パーティー…

パンダはもういいんじゃない?

一昨日の朝日新聞夕刊トップに「わがまちにパンダを」という記事が載っていました。ジャイアントパンダの「貸与」による経済効果を狙って、日立市、仙台市、秋田市、神戸市、庄原市(広島県)などが誘致に動いているという内容です。さらには沖縄県の名護市…

日本語からの祝福、日本語への祝福

中国語を学び始めてから、はやいもので三十年ほどが経ってしまいました。当時私が学び始めた理由は、経済成長著しいかの国の将来を見越して、これを学んでおけば転職に有利だと思ったからではありません(・・・・・・・)でした。理由はただただ、中国語とい…

東京サラダボウル

コミュニケーションにおいてはいわば「黒子」であるはずの通訳者、それも中国語の通訳者が主人公という珍しいドラマが始まるということで、とっても期待して見たNHKドラマ10の『東京サラダボウル』。原作は黒丸氏のマンガとのことで、こちらも電子書籍版を購…

“台湾素食”は不健康なの?

台湾へ旅行したとき、よく利用するのが“素食”です。“素”は食事について使う場合「菜食」(反義語は“葷”)のことで、仏教などの宗教的な理由で、あるいは健康食として、あるいはエコロジカルな観点から、さらにはアニマルライツのような思想信条でこの食事を…

魯迅の短篇に打ちのめされる

同僚の講師から一冊の本を手渡されました。魯迅の『吶喊』です。1988年発行の人民文学出版社版。いまとなってはかえって斬新にさえ思える、いたってシンプルな装丁の薄い一冊です。もともと私の妻が持っていたもので、ずいぶん前に同僚の講師にお譲りしてい…

ハンディファンが一挙に普及した

東京は連日ものすごい暑さになっています。この猛暑に耐えかねてか、往来はもちろん電車の中などでも多くの方が「ぶーん」とやっています。いわゆるハンディファンというやつですか。片手に持つタイプやU字型の首かけタイプ、日傘の柄にクリップで固定するタ…

メタクソ化

「メタクソ化(enshittification)」という言葉を知りました。AmazonやFacebook、TikTokなど、ネットで隆興したプラットフォームが巨大化するにつれて、どんどんその仕組みが改悪されることでユーザーにとっての品質が下がっていくという、不可避とも言える…

新紙幣

先日、新しいデザインの日本銀行券、新紙幣が発行されました。私はすでに、ほぼ現金を用いない暮らしになっているので、それほど感慨のようなものはありません。それでも20年ぶりに改札、つまりお札のデザインが変わると聞いて、前回の改札時はどんな気持ち…

狗沒拿賽

通訳クラスの授業が終わったあと、台湾の留学生がスマホの写真を示しながら「センセ、これ分かります?」と聞いてきました。 https://www.newsday.tw/news/68460“狗沒拿賽(ㄍㄡˇ ㄇㄟˊ ㄋㄚˊ ㄙㄞˋ/gǒu méi ná sài)”、ゴウ・メイ・ナア・サイ、ゴウメイナ…

これをなんというのかわからない

中国に留学したとき、初日に大学の寮で部屋をあてがわれて、まずやろうと思ったのが掃除でした。ほうきとちりとりと、あとぞうきんもいるかな……と思った瞬間、はたと考え込んでしまいました。中国語で「ほうき」と「ちりとり」と「ぞうきん」って、何ていう…

鉛と亜鉛

中日通訳のクラスで教材にいくつかの元素名が出てきたことにちなんで、中国語と日本語の元素の読み方を学習してみました。中国語の元素名は基本的に漢字一文字ですが、日本語は漢字一文字のもの(金とか鉄とか)もあれば、二文字のもの(水素とか酸素とか)…

電車吃漢

台湾のSNS「Dcard」のYoutubeチャンネル「Dcard Video」で二ヶ月ほど前から始まった新企画『電車吃漢』がおもしろいです。早朝に台北駅のあの巨大なホールから始まる一種の旅番組なのですが、その場でたくさんあるチケット状のカードの中から目隠しをして一…

青空文庫+物書堂

辞書アプリ「物書堂(ものかきどう)」さんが、毎春恒例の「新学期・新生活応援セール」を実施されています。macOSのユーザ限定ではありますが、さまざまな辞書が普段よりもかなりお安く購入できるので、日本語を学ばれている留学生のみなさんにもぜひおすす…

もしトラ

『ワシントン・ポスト』の電子版に、日本の流行語「もしトラ」が紹介されていました。政治的・経済的にはまだしも、外交的にはけっこうなところまで、軍事的にはほぼアメリカの属国、といって悪ければ「51番めの州」ないしは「コモンウェルス(自治領)」と…

台湾は三分の一が……

『天下雜誌』のポッドキャストを聞いていたら、艾爾科技(L Labs)CEOの林宜敬氏がこんなことをおっしゃっていました。 我一直認為說台灣的文化基本上是三分之一中華文化、三分之一日本文化、三分之一的美國文化。只是我們台灣人自己可能不覺得,但是像我這…

FOMO

台湾発のSNSで、基本的には大学生専用のプラットフォームとして人気のある「Dcard」(日本でも「Dtto」という名前でサービスが提供されています)。そのDcardのYoutubeチャンネル「Dcard Video」*1の動画で「FOMO」という言葉を知りました(14:00〜)。www.y…

中熱拿

久しぶりに台北へやってきて、たまたま利用したコーヒースタンドで、常連さんとおぼしき男性がお店に入ってくるなりひとこと“中熱拿”と言っていました。Mサイズのホットのカフェラテ。直前に私も偶然同じものを注文して飲んでいたのですが、私は“熱拿鐵中杯…

Adobe Premiere Proで文字起こしができちゃった

仕事柄、通訳教材を作るときや自身の語学の勉強のためにも、よく外語の動画や音声の「文字起こし」を行っています。いわゆる「ディクテーション(中国語:聽寫)」というやつです。その昔は「テープ起こし」などと称していて、文字通りカセットテープに録音…

AIを使って英語や中国語の会話を練習する

ChatGPTは文字でやり取りするほかに音声でもやり取りできる……ということで、ChatGPTと会話の練習をしてみようと思いました。やりかたはネットや既刊本にさまざまな方法が書かれています。まずはパソコンのChromeに拡張機能の“Voice control for ChatGPT”を入…

オンライン中国語会話

オンライン英会話を1年続けてほぼ習慣化できたようなので、今度はオンライン中国語会話もやってみようと思いました。私はおおよそ30年前から中国語を学び始め、20年くらい前からは仕事で中国語を使ってきました。が、あろうことかあるまいことか、いまだに…

シンクロニシティ

ふだん通勤列車のなかでは語学のアプリに取り組んでいるのですが、仕事であまりに疲れた日などはそこまで学習意欲がわかないこともあり、そんなときはよくYouTube動画を見ています。先日はたまたまアプリを開いて一番最初に出てきたこのショート動画を見まし…

必要になってから外語を学んでもいい

“What languages are usually taught in schools where you live?(あなたが住んでいる地域の学校では、通常どのような言語を教えていますか)”ーーオンライン英会話でengooのニュース教材を使っていたら、こんな質問がありました。そうチューターに問われて…

中国語でアルファベット

アルファベットをどう発音しますか。綴りを説明するとき、あるいは記号としてのアルファベット、型番や商品名などに含まれているアルファベットを読み上げるとき、日本語母語話者ならおおむね以下のように発音すると思います。 A(エー/エイ)、B(ビー)、…

語学をあきらめずに続けるには

「あきらめたらそこで試合終了ですよ…?」とは、言わずと知れたマンガ『SLAM DUNK』に出てくる安西先生のセリフです。このセリフはひとりバスケに留まらず、およそ人生のあらゆる場面に敷衍できるからこそ名言となっているわけで、とうぜん語学もその例に漏…

そういう歳なんだ

早朝いつものようにジムでトレーニングをしながらスマホのYouTubeで中国語の講演を聞いていたら、作家の鄭執氏がお父上のお話をされていました。鄭氏ご自身が30歳代なかばですから当たり前といえば当たり前なのですが、父上の生まれ年が私とそれほど変わらな…

王菲を知らないって

先日留学生の通訳クラスで「その時代の流行歌」という話題が出てきたので、私が中国語を学んでいた頃は歌手の“王菲(ワン・フェイ/フェイ・ウォン)”が人気でした……と言ったら、なんとほとんどの華人留学生がその名前を知りませんでした。「センセ、“網飛(…

AIとの恋愛

職場の同僚から「ちょっと“creepy(気持ち悪い)”かもしれないけど」と送られてきた、こちらの動画。アバター姿のAIと英語で会話して、そのAIに恋愛にも似た(というか恋愛そのもの?)感情を抱く中国の人々のお話です。私も思わず「気持ち悪い」とつぶやい…

Grammarly

自分の書いた英文をAIが添削してくれる“Grammarly”というサービスがあります。無料版と有料版があって、無料版でも冠詞や前置詞の間違い、スペルチェック、記号の使い方、語彙の適否などをチェックしてくれるので、英文を書くときにはとても重宝します。詳し…

go-go years

《紐約時報中文網》のこちらの記事を“中英雙語”で読んでいたら、印象深い表現に出会いました。 In China’s go-go years of miraculous economic growth, straddling the 1990s to mid-2010s, poverty wasn’t a topic that people paid much attention to. 從…