インタプリタかなくぎ流

いつか役に立つことがあるかもしれません。

iPhoneで自宅が特定されていました

先日都心に出た際に iPhoneGoogle Maps を使おうとして、一番上にある「ここで検索」欄をタップしたら自宅の住所が検索候補として表示されることに気づきました。

Google Maps のアプリはもちろん、Google のアカウント自体にも自宅は登録していないのになぜ? いつの間に自宅が特定されてしまったのかと不安になり、ネットで検索してみたらこんなことが書かれているサイトを見つけました。

iPhoneには「利用頻度の高い場所」という機能があり、「位置情報サービス」をオンにしていると、GPSで取得した位置情報の履歴から滞在時間や滞在回数を分析し、「自宅」や「勤務先」を推定して勝手に表示するのです。Googleの地図アプリ「Google Map」にも、類似の機能が備わっています。

jocr.jp
なるほど、巨大テック企業はこうやって個人情報をせっせと集めているわけですね。しかしながら、私は「位置情報サービス」の機能を、特定のアプリの使用中だけに限定する設定にしてあり、かつ Google Maps については位置情報の利用を許可「しない」にチェックを入れています。これだと Google Maps を使う時に多少不便になりますが、それでもなるべく個人情報を流出させないようにと心がけてきたのです。なのに自宅がこうやって特定されている……。

それでもう少し調べてみたら、この「利用頻度の高い場所」を記録する機能は、デフォルトではオンになっているのだそうです。

この機能をオフにするためには、iPhone の「設定」から「プライバシーとセキュリティ」→「位置情報サービス」に入ります。これを一番下までスクロールすると「システムサービス」という欄があります。私は初めて気づきました。ここに「利用頻度の高い場所」という欄があり、タップすると Face ID を求められます。ここで「利用頻度の高い場所」をオフにして、さらに履歴も消去しました。ちなみに、その際にはこんな警告が。

Google さんのみならず、Apple さんもこの情報を企業の利益としてとても重視していることが伝わってきます。このやり方を教わったこちらのサイトには、こんなことが書かれていました。

この機能は「設定」のかなり深い階層に隠されているため、存在を知っている人は意外と少ないかもしれません。

jp.imyfone.com
先日私は、「クラウド封土における農奴状態」から少しでも抜け出すために、ネットサービスにできるだけ頼らず、自分の暮らしをあえてちょっと「不便」にしてみることがなんだか気持ちよく思えてきた、と書きました。今回の気づきもまた、そこに連なるものになりました。

qianchong.hatenablog.com

でもまあ考えてみれば、Google Maps などの諸サービスを、私たちは「タダ」で使わせてもらっているんですよね。企業側からすれば、タダで使わせてあげている以上、我々にも利益がもたらされるのは当然でしょ、ということになるでしょう。SNSもそうですけど、タダで使える便利なサービスや機能の後ろに、どういう経済が成立しているのか、もっと自覚的でありたいものだとあらためて思いました。

私は現在、職場からの指示もあって Google の諸サービス、特に Google ドライブGmail を使っています。でもプライベートの方ではできるだけGAFAMに代表される巨大テック企業のサービスから離れようとしています。それで、メールはこちらのサイトを参考に、乗り換えようと思っています。また、そう遠くない将来に仕事から完全に引退することができた(できないかもしれないけど)あかつきには、Google のアカウントを完全に削除してしまうのを楽しみにしています。

kinsta.com

それでもスマートフォンやインターネットを使っている以上、というか、もはや現代社会に生きている以上、「クラウド封土における農奴状態」から完全に抜け出すのはほとんど無理なんでしょうけど……。

追記

Google Maps で「ここで検索」欄をタップすると自宅の住所が検索候補として表示されるのですが、この住所にはアパート名や部屋番号まで入っています。つまり「位置情報サービス」だけではない他のところから自宅が特定された可能性もあります。だって GPS による位置情報だけだったら、部屋番号までは分からないですよね。ということは自宅の住所を入力したことがある他のアプリやネットサービス(たとえば Amazon とか)と紐づいているのかしら。

私はよく冗談で、Google may know me much better than my family. と言っているんですけど、笑い事じゃなくなってきました。

さらに追記

あれからもう少し調べたところ、iPhoneの「連絡先」に自宅住所が登録されており、これが Google Maps での検索時に「自宅」として候補に現れる原因かもしれない、ということが分かりました。さっそく削除しましたが……問題は、私が「連絡先」に自宅住所を入力した記憶がないということです。自分で入力していて忘れていたのか、それとも何かから紐づけられたのか……。いずれにしても、いろいろと調べて対応していくしかないようです。