インタプリタかなくぎ流

いつか役に立つことがあるかもしれません。

Mac用の文字起こしソフト“CasualTranscriber”

日常的によく「文字起こし」を行っています。教材を作成するときや、自分の語学の勉強をするときに音声や映像からの文字起こし、つまりディクテーションをすることが多いのです。時代はすでにAIが自動で文字起こししてくれるようになっていて、かつて文字起こし(あるいは「テープ起こし」)という仕事が存在したことすら知らない方も多いと思います。

私も一時期テープ起こしの仕事をしていたことがありますが、当時はカセットテープの音声をフットスイッチを使って再生・停止・巻き戻ししながら文字に起こしていました。フットスイッチを使えば両手が空くので、効率的に文字を書いていく、あるいはパソコンで打ち込んでいくことができたのです。


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それがすべてパソコンの画面上で処理されるようになり、さらには音声認識機能の向上に伴って例えばGoogle Driveのドキュメントで音声入力を使って文字起こしができるようになったと思ったら、すでにAIが超高速かつかなり正確にさまざまな言語の文字起こしをしてくれる時代になっていたのでした。私は現在Adobe Premiere Proの自動文字起こし機能を使っています。本当に便利になりました。

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でも、便利にはなりましたけど、勉強にはなりません。語学の、特にリスニング力の向上にディクテーションはとても有効だと思っていますが、AIが超高速かつ正確に文字起こしをしてくれる時代に、自分でちまちま音声を再生し、停止させ、巻き戻してもう一度聞きながら文字にしていくような「辛気臭い」作業を行うような学生さんはほとんどいないのです。

それはさておき、私個人としては、仕事としても、それから自分自身の愉しみとしても、ディクテーションを続けていくつもりです。ただ、私はMacBookを使っているのですが、Macに対応した文字起こし用のソフトがありませんでした。Windows用にはもはや伝説的ソフトといってもいい「Okoshiyasu2(おこしやす2)」というのがあって、私もずいぶんお世話になりました。でもMac用にはこういうソフトがなく、それでAppleScriptを利用した方法で同じような環境を実現させて使っていたのですが、これもMacOSのバージョンアップでうまく機能しなくなってしまっていました。

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ところが、あったんですね、Mac用のこうしたソフト。CasualTranscriber というこちらのソフト(しかもフリーソフトです。心からの感謝しかありません)がもうずいぶん前にリリースされていて、教育関係者の間でもつとに有名だったよし。己の不明を深く深く恥じました。

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このソフトは映像や音声を再生しながら、専用のエディタに文字を起こしていくことができます。再生・停止・巻き戻しのショートカットも自由に設定することができます。このソフト名で検索をかけると、さまざまな方がご自身の便利な使い方を披露されているページが見つかります。こうした方々にも深く感謝申し上げます。

私からいまのところネットにお返しできるものはなにもないのですが、せめてこのソフトを見つけるきっかけになったこちらのページをご紹介しておきます。こちらには、Mac用だけでなくWindows用のさまざまな文字起こしツールやサービスが紹介されています。こうしてみると、AIの自動文字起こし全盛の時代になっても、やはり文字起こし・ディクテーションを仕事で、あるいはご自身の愉しみとしてやってらっしゃる方は存外多いのかもしれないと思えて、心強く感じます。

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