インタプリタかなくぎ流

いつか役に立つことがあるかもしれません。

三重請求

夏にイングランド南西部をレンタカーで旅した際、デヴォン州タヴィストックで交通違反をやらかしてしまいました。路上のパーキングスペースに車を停めて観光していたら、駐車時間が制限を超えてしまったのです。

このパーキングスペースは「月曜日から土曜日までの午前10時から午後6時まで45分間に限り駐車可能(その後90分間は再駐車不可)」ということだったんですけど、その45分を超えたのでフロントガラスに黄色い違反切符が貼られていました。思わず「ブッチ」しようかしらなどとよからぬ考えが頭をよぎりましたが(こらこら)、ひとさまの国で不正を働くのはもちろん論外なので(自分の国でも論外だけど)、その場でスマートフォンから罰金を振り込みました。

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ところが数カ月後にレンタカー会社からこんな手紙が届きました。いろいろ書かれていますが、要するに「アンタはまだ罰金を支払ってないから当社が代わりに払うけど、その分(+手数料)をアンタのクレジットカードから差っ引かせてもらいますね」ということです。しかも「文句があるなら州政府に直接言って。我々は手助けできないから」と書いてあります。

不思議なのはこの手紙が相前後して3通も届いたことです。しかもまったく同じ文面で。困惑していたら、翌月に私のクレジットカードの口座から3回、30ポンド(約6000円)が、つまり合計90ポンドが引き落とされていました。ちゃんと支払ったのにレンタカー会社に請求するデヴォン州政府もしっかりしてほしいですけど、三重請求するレンタカー会社もひどくない?

それで、「ダメもと」でカスタマーサービスにメールをしてみることにしました。罰金を払うのは同意だけど、三重請求は納得できませんと、なるべくていねいな物言いの英語でちまちまと作文して。そのあと自動返信の「受け取りました。処理をお待ち下さい」的な返信が来ましたが、それからはずっとなしのつぶてで、もう金輪際バジェットレンタカーは利用しないからね! と憤っていたのですが……。

けさ、メールを送ってから40日ぶりにカスタマーサービスから連絡が来ました。“Please be informed that our traffic team will refund you two charges.” つまり2回分の請求額を払い戻しますって。泣き寝入りしないでよかった。やはり「おかしいものはおかしい」と主張するのは大切ですね。それでもちゃんとスマホで支払ったのにレンタカー会社へ請求を回すデヴォン州政府には納得がいかないですけど……お役所仕事はどちらの国も同じなのかしら。