インタプリタかなくぎ流

いつか役に立つことがあるかもしれません。

2019-07-01から1ヶ月間の記事一覧

左派ポピュリズムかもしれないけれど

昨日の朝、フジテレビのワイドショー情報番組『とくダネ!』で放送されていた「れいわ新選組」の国会議員お二人の特集を見ました。とても考えさせられる内容でした。YouTubeにもいくつか映像が上がっていますが、これらはすぐに削除されてしまうかもしれませ…

紙幣の「1」をめぐって

いつも「巡回」して読んでいるブログの一つに『JUSTFONT BLOG』というのがあります。台湾の「就是字(Just Font)」というフォントベンダー企業が運営しているブログで、中国語の漢字のみならず、日本語の漢字も含めたフォントのあれこれが記事になっていて…

素朴な水墨画にあこがれて

日本橋の三井記念美術館で開催されている「日本の素朴絵 ーゆるい、かわいい、たのしい美術ー」という展覧会を見てきました。その名の通り、精緻さやリアリズムとは一線(どころか二線も三線も)を画した、柔らかで大らかなタッチの絵巻・絵本・掛軸・屏風・…

「分」を弁えて苦手な人からはすぐ逃げる

仕事をしているといろいろな方に出会います。人柄もそれぞれ、性格もそれぞれ、本当に人は千差万別なんだなあと思いますが、幸い私は人のご縁に恵まれているというか、現在間近で一緒に仕事をしている方々はみなさん「付かず離れず」、つまり仕事以外のプラ…

語学の「通学」に向かない方もいる?

留学生の通訳クラスでは、カリキュラムに演劇を取り入れています。これは日本語を「肉体化」してより活き活きと話せるようにするため、また人前で誰かに成り代わって話すという通訳者のお仕事の特性に鑑みて取り入れているものです。ネット上にある寸劇やコ…

機嫌のよい風の上に

先日ネットで検索中、こんな記事に出会いました。careersupli.jpサイト自体は転職サービスとのタイアップ企画みたいな作りですが、筆者のおっしゃることにはとても共感できます。いわく「不機嫌は未来を壊す」と。確かにいつも不機嫌な顔をしている人とはあ…

「ジョンソン」と「トランプ」の中国語表記をめぐって

イギリスでは保守党の党首選が行われ、当選した元外相のボリス・ジョンソン氏が首相に就任しました。海外の政治家など著名人の去就があった際、そのお名前を中国語でどう言うのかしら……というのが気になって、私はすぐに調べるのですが、ジョンソン氏は“約翰…

「です・ます」と「だ・である」の使い分け

華人留学生の通訳クラスを担当していると、いろいろと面白いことに気づきます。私たちの学校の留学生はおおむね日本語学校で一年〜二年程度学んで入学してきた方々なので、正直に申し上げて日本語はまだまだ発展途上。というわけで、通訳の訓練というよりは…

芸術を志す若い方々とタバコの親和性

昨年「健康増進法」の一部が改正されたことにより、多数の人々が利用する学校施設でも受動喫煙防止のための措置を講じることが義務づけられました。原則としては「敷地(キャンパス)内禁煙」なのですが、屋外で、受動喫煙を防止するための対策が取られてい…

なぜ投票に行かないのか・行くのか

昨日は参院選が行われましたが、総務省の発表によると投票率は48.8%で史上二番目の低水準だったそうです。半分以上の有権者が投票に行かないという現実にどう向き合えばいいのか、そして特に若年層の投票率が際立って低いことについて、新聞やネットでは様…

英語と数式満載の「理系」資料が出てきたら

通訳クラスで「素数」についての教材を扱いました。通訳者を目指す方はどちらかというと「文系」の方が多く(私もそうです)、数学だの物理だの科学技術だのといった「理系」の内容に疎い、あるいは苦手という方が多いです。でも一方で、実際のお仕事はむし…

フィンランド語 43 …序数の復習

序数について復習しました。序数はものの順番を示すときに使う数詞で、日付とかビルの階数とか「ひとつめ、ふたつめ……」と数える場合に使います。英語や中国語の序数は比較的簡単ですが、フィンランド語の場合は数字が序数になって、さらに格変化を起こすの…

中高年の「痛さ」が感慨深い

毎朝ジムで「朝活」をしているのですが、周囲を見回してみると30代から40代、50代とおぼしき「おじさん」方が圧倒的多数を占めています。女性もいらっしゃいますけど、やっぱり朝のこの時間は男性サラリーマンが中心なんですね。こういうところにも、日本社…

「腰掛け」で仕事してると“緣分”が寄ってこない

先日、通訳学校の生徒さんから「キャリア相談」にのってくれませんかと話を持ちかけられました。教師という仕事をしていると、時々生徒さんからこうした就職や転職や進路などについての相談をされます。その際に一番よく聞かれるのは「センセは学校を卒業し…

郵便局の「変わらなさ」について

メールや宅配便、あるいはバイク便でほとんどのやりとりを行うようになってからというもの、街の郵便局に行くことはほとんどなくなりました。それでもたまにお仕事の請求書を郵便で送ってくださいというクライアントがいるので、年に何回かは職場近くの郵便…

「つるっつる」をめぐって

先日、学校の教員室に中国人留学生の男性(二十歳くらい)が課題のレポートを提出に来たんですけど、その彼が帰ったあとに同僚の教員がこんな声をあげていました。「脚がつるっつる〜!」なるほど、蒸し暑くなってきたこの時期、留学生のみなさんはより快適…

スマホがあってもお困りの外国人観光客はいるみたい

日ごろ東京都心のターミナル駅、新宿駅や渋谷駅の周辺を移動していることが多いのですが、駅の改札や地下通路の周辺地図などの前で、スマホやガイドブックを片手に困っているご様子の外国人観光客をしばしば見かけます。私もこれでなかなかの小心者なので時…

「話し方の訓練」をしているのかな

昨日は台湾の某テレビドラマに関連した「ファンミーティング」のお仕事でした。ドラマに出演している俳優さんたちが来日して、ファンとの“互動*1”をしたり、フォトセッションをしたり、握手会をしたり……。これまでにも何度もこうしたお仕事をしてきましたが…

あの「薄いビニール袋」を何とか避けたい

通訳クラスで、フランスの留学生と話していたら、「どうして日本のお店は包装が過剰なのか」という話題になりました。そのフランス人留学生は「日本のパンも大好き」なんだそうですが、日本のパン屋さんでの、パンを一個一個袋に入れて、それをまたビニール…

日本語はメチャクチャだけれど英語はバッチリ

ネットで調べ物をしていたら、おもしろいCM映像に出くわしました。外語学習教材「ロゼッタストーン」の宣伝です。www.youtube.com昔懐かしい「ガングロ」あるいは「ヤマンバ」の「ギャル」がお二人登場してこんなことをしゃべります。 それメンディーじゃね…

おいしすぎて、おいしくない。

毎日毎日炊事をしていると、ときに「ああ、今日は仕事でひどく疲れたから、手抜きしようかな」という気分になることがあります。そういう時は「もう鍋にしちゃえ」ってんで、しゃぶしゃぶ用豚肉と白菜と葱と豆腐あたりを水炊きにしてポン酢だけで食べたりし…

日本統治時代の台湾におけるハンセン病患者隔離政策

昨日、元ハンセン病患者家族への賠償を命じた熊本地裁判決について、政府が控訴しない方針を決め、安倍首相が「異例のことではありますが、控訴をしないことといたしました」と表明しました。「異例のこと」に引っかかりますし(当然のことだと思うので)、…

対等な言葉遣いについて

BLOGOSに載っていた岩田健太郎氏のこちらの記事に共感を覚えました。いわゆる「言葉狩り」や教条主義的な語源重視(と、そこからの批判・批難)に対して、それは短見かつ「つまらぬこと」であり、言葉の差別性は言葉の表現のされ方よりもその言葉を使う人間…

僕が夫に出会うまで

七崎良輔氏の『僕が夫に出会うまで』を読みました。築地本願寺で初という同性婚の結婚式を挙げた氏の半生を綴るエッセイ。語り口は笑いあり涙ありとライトですが、ご自身の苦悩や葛藤や失敗までも赤裸々に公開する姿勢からは、世の中が本腰を入れてこの件に…

体罰が日常的に行われた時代があった

台湾のネット書店で購入したアニメーション映画『幸福路上』のDVDを観ました。台湾の近現代史を背景にしたストーリーもさることながら、画面の隅々にちりばめられた様々な細かい描写のリアリティに「ああ、この雰囲気!」と身もだえするような懐かしさを感じ…

フィンランド語 42 …語幹の求め方の「棚卸し」

「語幹の求め方」を総復習しました。フィンランド語は動詞や名詞や形容詞などが様々な格(単数複数合わせて30種類!)に変化して細かい表現を成り立たせています。これはごくごく大雑把に言うと日本語の「助詞」の働きと同じなのですが、日本語が例えば「花…

なぜリベラルは敗け続けるのか

岡田憲治氏の『なぜリベラルは敗け続けるのか』を読みました。政治学に関する岡田氏の著書はこれまでにもほとんど読んできましたが、この本では「安倍一強」を許した野党の誤りと、そしてかつてご自身も政治活動にさまざまな形で参加しながら野党同様に現在…

遠い親戚の発言で体調をくずす

何年かに一度、何かの折に親戚が集まることがあります。それは結婚に際してであったり、あるいは葬儀に際してであったりするのですが、そうした集い——遠い親戚筋の人と会うような——に出席すると、そのあと数日は体調がすぐれません。もとより極度の人見知り…

自分の名前で出ています

先日「note」で、とても共感できる記事を読みました。ネットの功罪を冷静に分析した上で「うまく使おう」と指南されている記事です。特にこちらで述べられている「SNS断捨離」はとても大切だと思います。そしてTwitterでは私も「気軽にたくさんミュート」を…

あえて日本語で話すことが「クール」なのにね

先日、華人(チャイニーズ系)の留学生は、非漢字文化圏の留学生に比べて日本語の音声に対するこだわりが薄そうだ、それはたぶん漢字という強力なツールがあるために、日本語の音に頼らずとも深い理解が可能だからかもしれない……という話を書きました。qianc…