「語幹の求め方」を総復習しました。フィンランド語は動詞や名詞や形容詞などが様々な格(単数複数合わせて30種類!)に変化して細かい表現を成り立たせています。これはごくごく大雑把に言うと日本語の「助詞」の働きと同じなのですが、日本語が例えば「花・は」「花・の」「花・に」……など助詞を付け加えるのに対して、フィンランド語ではその言葉そのものが格変化を起こします。“kukka(辞書形:花は)”、“kukan(属格:花の)”、“kukalle(向格:花へ)”……のように。
名詞が格変化を起こすのですから、例えば人名だってどんどん変わります。“Pekka(ペッカ)”さんも“Pekan(ペッカの)”、“Pekalle(ペッカへ)”などと変わっていくのです。これら変化した言葉の最後についている“ーn”や“ーlle”などが格語尾で、その格語尾がつくのが「語幹」と呼ばれる「幹(みき)」の部分です。これまであれこれの格について、単語の辞書形から語幹を求め、そこに格語尾をつけて様々な表現をすることを学んできたのですが、ここいらで一度「語幹の求め方」を総復習してみましょう、ということになったのでした。
語幹が変化するのは、単語の最後が「ie子」の時だけです。「ie子」は「いえこ」と読んじゃっていますが、要するに単語の最後が「i」と「e」と「いくつかの子音」で終わる場合に語幹が変化し、それ以外はそのまま格語尾をつけて構わないということです。上述の“kukka(花)”や“Pekka(ペッカ)”は単語の最後が「a」ですから、語幹はそのまま“kukka”、“Pekka”です。ただし、格語尾がつくときに「kptの変化」が起こることはありますが(“kukka”、“Pekka”はいずれも「kk→k」という変化が起きます)。
先生からは、この「ie子」が語尾にある単語の語幹の求め方と、「kptの変化」パターンは覚えちゃってくださいと指示がありました。覚えたらその部分は黒塗りにして、いちいち参照しなくてもすぐに作れるようにと。ううむ、なかなか厳しいです。それにしても母語話者はこうした変化をほとんど無意識のうちにできてしまうんですね。
まあ日本語でも私たちは「一本(ippon)、二本(nihon)、三本(sanbon)」のような変化を無意識にできてしまいますが、これは非日本語母語話者からすると驚愕の変化です。もっとも、こうした変化は「より苦労せず言いやすい形に」という一種の言葉の経済性に則っているわけで、そこがとても人間らしいなと思います。
Ilma muuttuu lämpimäksi.