格変化の練習の続きです。「その1」で単語の語幹を求められるようになったので、それをもとにそれぞれの格に変化させていきます。格は、これまで習ったものだけでも単数12個・複数12個の、合計24個もあるのですが、そのうちの多くは機械的に作ることができます。例えば「kirkko(教会)」を例に取ると……
●kirkko(教会)
kptの変化:kk → k で「kirko」。
単数主格(辞書形) | kirkko | 複数主格 | kirkot |
単数属格(〜の) | kirkon | 複数属格 | ★ |
単数対格(〜を) | kirkon | 複数対格 | kirkot |
単数分格(〜を) | ★ | 複数分格 | ★ |
単数内格(〜の中で) | kirkossa | 複数内格 | ★ |
単数出格(〜の中から) | kirkosta | 複数出格 | ★ |
単数入格(〜の中へ) | ★ | 複数入格 | ★ |
単数所格(〜の表面で) | kirkolla | 複数所格 | ★ |
単数離格(〜の表面から) | kirkolta | 複数離格 | ★ |
単数向格(〜の表面へ) | kirkolle | 複数向格 | ★ |
単数変格(〜になる) | kirkoksi | 複数変格 | ★ |
単数様格(〜として) | ★ | 複数様格 | ★ |
※他にも「具格」「共格」「欠格」がありますが、未習なので割愛します。
上記の表で、★以外の部分はいずれも「kirko」という語幹にそれぞれの格語尾がついていて、いっぺんに作れてしまいます。単数属格と単数対格、複数主格と複数対格は、それぞれ同じ形なんですね。
で、問題は★の部分ですが、まずは単数の復習から。単数分格、単数入格、単数様格は「kptの変化」をさせません(逆転はあり)。つまり「kirkko」だったら語幹はそのまま「kirkko」になるわけです。その上で……
■単数分格
語幹の最後が短母音 → Aを足す。
語幹の最後が長母音・二重母音 → tAを足す。
語幹の最後が母音+le,ne,re,se,te → eを消してtAを足す。
※例外がいくつかあって、例えば「lohi(鮭)」は「lohta」、「lapsi(子供)」は「lasta」など。また単語の最後(語幹の最後ではない)が e で終わるものは短母音ならそのまま ttA を、長母音ならそのまま tA をつけます(huone → huonetta / tee → teeta)。また子音で終わる単語のうち、nen , uus , yys や 派生語に形容詞がある us , ys , os 以外はそのまま tA をつけます(kaunis → kaunista)。
■単数入格
語幹の最後が短母音 → 母音をのばして n を足す。
一音節で語幹の最後が長母音・二重母音 → h を足し、語幹の最後の母音を足し、n を足す。
複数音節で語幹の最後が長母音 → seen を足す。
■単数様格
語幹に na を足す。
これで、単数形と複数形の一部について表が埋まりました。
単数主格(辞書形) | kirkko | 複数主格 | kirkot |
単数属格(〜の) | kirkon | 複数属格 | ★ |
単数対格(〜を) | kirkon | 複数対格 | kirkot |
単数分格(〜を) | kirkkoa | 複数分格 | ★ |
単数内格(〜の中で) | kirkossa | 複数内格 | ★ |
単数出格(〜の中から) | kirkosta | 複数出格 | ★ |
単数入格(〜の中へ) | kirkkoon | 複数入格 | ★ |
単数所格(〜の表面で) | kirkolla | 複数所格 | ★ |
単数離格(〜の表面から) | kirkolta | 複数離格 | ★ |
単数向格(〜の表面へ) | kirkolle | 複数向格 | ★ |
単数変格(〜になる) | kirkoksi | 複数変格 | ★ |
単数様格(〜として) | kirkkona | 複数様格 | ★ |
格変化の練習は、まだまだ続きます。
Minä olin mennyt tähän pieneen kirkkoon.