インタプリタかなくぎ流

いつか役に立つことがあるかもしれません。

チルドレン・Yチェア

中近東の織物・キリムや北欧家具を専門に扱っているROGOBA(ロゴバ)というお店があります。お店というよりもショールームに近くて、個人が立ち寄って購入するというよりは企業なり団体なりがインテリアを調達するといった感じのお店ではないかと思われます。

www.rogobagroup.com

というわけで私はこちらのお店でなにかを購入したことはないのですが、以前フィン・ユールのペリカンチェアに興味を持っていたとき、職場近くにこのお店があったので一度「見学」に行きました。その際にメールアドレスを登録したら、お知らせを送ってくださるようになりました。ペリカンチェア自体は非常に高価でとても手が出ないのであきらめましたが。

qianchong.hatenablog.com

そのROGOBAさんから先日、新しいメールが届きました。デンマークの家具デザイナーであるハンス・J・ウェグナーの代表作で、1949年にデザインされて以来現在まで販売され続けている「Yチェア」。その椅子に「3歳のお子様からお使いいただけるサイズ」が登場したのだとか。その名も「チルドレン・Yチェア」だそうです。写真が添付されていましたが、おおお、これはカワイイ!

メールによれば、このミニYチェア、「椅子の本来の外観を保ちながら完璧なプロポーションに仕上げるためには、パーツを単純に同じ比率で縮小するわけにはいかず、個々のパーツの寸法を改めて割り出すことで実現に至りました」とのこと。なるほど、素人目には単なる縮小版に見えても、じつはかなり繊細な工芸的手法が用いられているのですね。

若い頃、私はこのYチェアに魅せられて、結婚したばかりの貧乏サラリーマンだったくせにローンを組んで4脚も購入してしまったことがあります。もっともその後離婚して、留学準備のために会社も辞めて家賃12000円の激安激狭アパートへ引っ越ししたときに、とても部屋に入り切らないので同僚に3脚ゆずりました。残りの1脚はそのまま使い続けていまに至っています。

qianchong.hatenablog.com

ずっとのちに再婚してからあらためてもう1脚買い足し、この2脚は座面のペーパーコードを張り替えながら長年使ってきました。とはいえ現在は腰痛予防のために自宅の食卓でもバランスボールに使っているので、私はもうほとんど座ることがないのですが。正直に申し上げてYチェアの「座り心地」はそれほどよいというわけでもなく(おそらく欧州の方の体型に合わせているからではないかと思うのですが)、シートやクッションなどに工夫が必要です。でもこのデザインは見ているだけで、なんだか心なごむんですよね。