インタプリタかなくぎ流

いつか役に立つことがあるかもしれません。

しまじまの旅 たびたびの旅 130 ……薄味

先日お目にかかった、澎湖在住の日本の方からおもしろい話を聞きました。その方は、いま私が泊まっている民宿のオーナーと一緒に日本へ旅行したことがあるそうですが、北海道のとあるラーメン屋さんで食べたときに「スープにお湯を足しますか?」と聞かれたというのです。

なんでもそのお店では、お客さんが外国からの方だと分かると必ずそのようにたずねている由。なぜだかわかります? つまりはほとんどの外国人にとって、日本の料理は塩辛すぎる、味が濃すぎるんですね。たぶんそのお店でも、以前はそのまま出していたところ、外国人客からの「塩辛すぎる、味が濃すぎる」との意見があまりに多いので、あらかじめ「お湯を足しますか」と聞くようにしたのでしょう。

私はこの話を聞いて「さもありなん」と思うと同時に、なぜ日本人はここまで塩辛い味や濃い味が好きなんだろうと思いました。


https://www.irasutoya.com/2014/01/blog-post_787.html

これまでにこのブログでも何度も書いてきましたが、私も日本人ではありますけど、外食での塩辛さや味の濃さがかなり身体にこたえるので、なるべく外食は避けるようにしています。ラーメン屋さんに行っても、最近はコップの水を足して食べているくらいです。本当は「お湯を足してくれませんか」とお願いしたいところですが、なんとなく店主のプライドを損ねるかなと気兼ねして、頼めません。

qianchong.hatenablog.com
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もちろん日本にだって、薄味の料理はあるのです。私が子供の頃に過ごした関西地方や、若い頃住んでいた九州地方は比較的薄味とされている地域です。でも現在住んでいる関東地方や、民宿のオーナーが行かれたという北海道などは、まあ北の寒い地方ということもあるのでしょうけど、概して塩辛く濃い味が多いようです*1

私が留学していた中国の北方も、どちらかといえば塩辛く・濃く・脂っこい料理が多い地域でしたが、それでも北方出身の中国人の知人や友人に言わせると、東京の味つけは塩辛く・濃いという人が多いです。とくにラーメンなど、塩辛すぎて食べるのをためらうと。チャイニーズの観光客には日本のラーメンが大人気だそうですが、旅行で数回食べるならまだしも、普段遣いで食べるのはちょっと……ということなのかもしれません。でも当の私たち(東京の)日本人は、自分たちの料理の味付けがそこまで塩辛く、濃いことにあまり自覚はないように思われます。

あとは、自分自身が年を取って、塩辛く濃い味つけについていけなくなったということもありそうです。ましてやお酒をやめてしまったので、なおさら。利尿作用のあるお酒を飲むと、ナトリウム不足になりがちで、それを補うために塩分が欲しくなるとこちらのページで説明されていました。

ともあれ、外食店にとってはお客さんから「味が薄い」とクレームがくるよりは「味が濃い」ほうがまだ無難という背景もあるのかもしれません。でもネットを検索してみると、少なからぬ方々が私と同様に外食の味の塩辛さ・濃さに対して感慨を綴られています。ラーメン屋さんなどでも、基本薄味に作っておいて、物足りない向きには特性のタレを提供するなんてパターンがあったらいいのに(実際にそういうお店もありますよね)。「お湯を足す」みたいな、あまり美味しくなさそうな解決方法よりずっと魅力的ですし、外国人を含めて多くのお客さんに歓迎されると思うんだけどな。

*1:ただ、検索して見つけたこちらの記事によれば、関西の料理は「色は薄い」けれども塩分濃度が薄いわけではないとか書かれています。う〜ん。