インタプリタかなくぎ流

いつか役に立つことがあるかもしれません。

しまじまの旅 たびたびの旅 129 ……素食でランチ

バイキング、あるいはビュッフェと呼ばれる食事の形式があります。ホテルや宴会などでお目にかかる、好きなものを自分のお皿にとって食べるいわゆる「食べ放題」という形式です*1

私はこの形式の食事がかなり苦手です。理由はまあ挙げていけばキリがないのですが、お好きな方もいることですしあまりネガティブなことを書くのは慎むとして、ただ唯一、これだけはけっこう好きというビュッフェ形式があります。それは台湾でよく見かける、“素食”の食堂です。中国語の“素”は、食事について使う場合には「菜食」を表し(反義語は“葷”)、“素食”はよく「精進料理」と訳されます。

確かに仏教などの宗教的な理由から“素食”をしている人もいますが、日本語の「精進料理」からはちょっと想像もできないくらい隔たっていてバラエティ豊かなのが中国語圏の“素食”で(だから日本語で言うところの「素食(そしょく)」では全然ありません)、健康やエコロジー、あるいはアニマルライツといった思想信条でこの食事を選ぶ人もいます。私はとくになんのポリシーもないけれどこの“素食”が大好きで、台湾に来ると“素食”の食堂に行くのが楽しみです。それはシンプルにおいしいからです。

“素食”の食堂やレストランには高級な(?)ところもあって、メニューから注文する形式のお店もありますけど、私はお昼ごはんにビュッフェ形式でおかずを選び、その場で食べる食堂が好きです。備えつけの弁当箱に自分でおかずを詰め、最後にご飯を入れてもらってテイクアウトすることもできます。好きなおかずをお皿もしくは弁当箱に盛り、最後に全体の重さでお会計の額が決まるというパターンがほとんどだと思います。

きょうも朝からジムに行ったあと、馬公市内にある“素食”の食堂に行ってみました。ここは民宿のオーナーさんの友人で、澎湖に住んでおられる日本人の方に教えていただいたお店です。その方とは昨晩お目にかかって夕飯をご一緒する機会に恵まれたのですが、その方はローカルガイドもされているのでGoogle Mapにたくさんクチコミを書かれていて、そのうちの一軒が国立馬公高級中学の裏手、文昌街にある「蔡記饌蔬食坊」でした。

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全部で40〜50種類くらいはあるんじゃないかというくらい、おかずが豊富です。取りすぎないように注意してあれこれ選び、レジで“五穀米”のごはんを追加してお会計。これで92元(約420円)でした。スープは無料です。トレーニングのあとだったということもありますけど、本当においしくて心底から野菜料理の数々を堪能しました。毎回同じようなことを言っていますけど、こんなお店が職場近くにあったら、毎日でも通います。

*1:厳密には「バイキング」と「ビュッフェ」は若干異なっていて、後者は自分が取った料理のぶんだけお金を払うという形式を指すこともあるそうです。→ ビュッフェとバイキングの違いは何?特徴や食事マナーについても解説! | クラシル