インタプリタかなくぎ流

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すてきな朝食屋さんの必要

「日本の朝にはカフェがない」。同僚の英国人講師から聞いた話です。彼は日本人のお連れ合いと一緒にゲストハウスを経営していて、海外からの観光客を受け入れているのですが、お客さんから一様にこう言われるそうです。日本に朝食を食べに行けるカフェがないのはどうして? と。

なるほど。もちろんファストフードのお店や、スターバックスみたいなコーヒーショップはありますし、「駅ナカ」にも早朝から飲食店が開いているところもあるし、コンビニだって朝早くからおにぎりやサンドイッチなどを売っていてイートインスペースもあるんですけど、そういうのではなく、温かい飲み物とともに朝食が食べられてゆっくり今日の観光プランを考えることができるような気の利いた個性的なカフェがない。まったくないわけではないけれど、とても少ない。そういうことなんですね。

確かに欧米を旅行していて重宝するのは、こうした早朝からやっているカフェとかダイナーとかバールなどの存在です。アジア圏だって、屋台などを含め豊富な朝食の選択肢がありますよね。私も中国や台湾などに行くときは、ホテルの決まりきった朝食は遠慮して今日の“早餐(朝ごはん)”はどこに行こうかと考えるのが楽しいです。そういう豊かな朝食の、それも「外食文化」が日本には乏しいような気がします。「立ち食いそば」なんかは日本らしい外食文化で私は大好きですけど、異文化の方々におすすめできるかというと、ちと「微妙」……。

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ところで、新宿駅の南口に「バスタ新宿」というバスとタクシーの巨大ターミナルがありまして、この界隈はバスツアーなどに参加される外国人観光客の姿を多く見かけます。そのすぐそばに最近気の利いたカフェができました。もともとここはパン屋さんで、私はよくランチ用のサンドイッチを買って職場に向かうのが日課だったのですが、今年の夏前に閉店してしまいました。残念だなと思っていたら、数ヶ月の改装を経て、パン屋さん兼カフェにリニューアルしたのです。

パンの販売スペースは以前の1/3ほどに縮小され、残りを独自の食事メニューが食べられるカフェ(兼イートインスペース)になり、お店の前にもたくさんの椅子とテーブルが置かれるようになりました。これは明らかに、外国人観光客の「朝食カフェ需要」を見込んでのリニューアルですよね。

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このカフェは朝の七時半から開いていて、卵をメインにした独自のハンバーガー類が食べられます。値段がちょっとお高いですけど、かなりおいしい。案の定、連日外国人観光客でいっぱいになっています。私個人としては、ランチ用のサンドイッチなどがなくなってしまったので以前よりも利用頻度が下がってしまったのですが、お店としてはこれは正しい選択だと思います。

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