インタプリタかなくぎ流

いつか役に立つことがあるかもしれません。

オンライン中国語会話

オンライン英会話を1年続けてほぼ習慣化できたようなので、今度はオンライン中国語会話もやってみようと思いました。私はおおよそ30年前から中国語を学び始め、20年くらい前からは仕事で中国語を使ってきました。が、あろうことかあるまいことか、いまだに自分の中国語力、とくに“說”(スピーキング)と“寫”(ライティング)、つまりアウトプットにまったく自信が持てません。

くわえて、数年前から心身ともに衰えが激しくて、中国語の能力も若い頃に比べて衰えているのを自覚できるようになってきました。自覚できるようになったということは、もうずいぶん以前から衰えは始まっていて、それが自分でも認識できるレベルにまで顕在化してきたということです。自然な加齢にあらがうのはみっともないような気がしますが、これからも働いて食べていかなければならない以上、ちょっとなんとかしなければと思うようになりました。

さいわい現代は英語と同様に、中国語の学習環境もネットを中心にかなり充実しています。ですからこれまでも、例えばネット動画、それもYoutuberのおしゃべり系など「ではない」少し真面目な内容の講演やインタビューや、あるいはニュースなどを利用して聞き取りを行い、それを“聽寫”(ディクテーション)し、音読し、シャドーイングし、リプロダクションし、さらには通訳してみるみたいなことはやってきました。

qianchong.hatenablog.com

それでもリアルな中国語母語話者の方を相手に、その場その場で言葉を紡ぎだす機会が、とくにコロナ禍以降かなり減っていました。とりわけ、気軽なおしゃべりなど「ではない」少し真面目な内容をロジカルに中国語で話すことができていないのです(コロナ禍以前だって、そんなにできていなかったような気もしますが)。職場には中国語母語話者の同僚や学生さんもいますが、それぞれご自身の業務や勉強で忙しいので、つきあってもらうわけにはいきません。それでオンライン中国語会話のサービスを利用してみようと思ったのです。

最初に利用してみたのは、オンライン英会話でも有名な某社のサービスでした。こちらは英語に比べればかなり少ない人数ですが、中国語のレッスンも可能という講師が在籍されていて、そのうちのおひとりにレッスンを申し込んでみました。アメリカ在住の方で、この会社のオンラインレッスンシステムを使って30分ほど中国語で話をしました。この方は文章の添削などはやるけれども……とおっしゃりつつ、私のようなニーズに沿うレッスンをどのように提供したらいいか、ちょっと戸惑われているようでした。

もうひとつ試してみたのは、台湾に本拠地がある某社のサービスでした。こちらは1回のレッスン時間が50分で、スカイプを利用しています。独自のホワイトボードを共有画面にして、中国語の漢字と読みが表示されるようになっています。漢字は簡体字繁体字、読みは“拼音”(ピンイン)と“注音”(ボポモフォ)好きな方が選べ、さらに教える中国語も「中国大陸ふう」か「台湾ふう」(?)か選べると言っていました。台湾の会社ですけど、講師はすべてどちらにも対応できるようにされているんだそうです。

こちらの先生も、私のニーズにちょっと戸惑いながらも、「じゃあきょうは試しにこういうことをしてみましょうか」といろいろな話題を振って私に話させてくださいました。例えば最近の話題で、台湾の大統領(総統)選挙について日本人としてどう思うかとか、能登半島地震自衛隊の関わりについてとか、自衛隊がらみで憲法改正についてどう思うかとか。


先生は私の発話を聞きながら、気になった表現を指摘したり、別の言い方を提案したり、一生懸命対応してくださいました。レッスンの最初に「話す内容に関して、主義主張や政治的な立場は考慮したほうがいいですか」と聞かれたのも面白いと思いました。私は「言葉の練習ですので、考慮しなくてだいじょうぶです。いっさいのタブーなしでお願いいたします」と申し上げました。

というわけで、次回からはオンライン英会話でやっているように、私が新聞記事を選んで、それについてディスカッションするという形式でやってみようと思っています。自分で記事を選ぶと、あらかじめ言うことを準備できるので難易度は下がるような気がしますが、まずはそのへんから。そのうち講師の先生に記事を選んでいただいて、「ぶっつけ本番」で議論するようなレッスンにしてもらってもいいかもしれません。

蛇足ながら、オンライン中国語会話各社のサービスを比較検討していて思ったのですが、講師には「日本語可」という方がかなり多いです。私が見たところでは講師の7割くらいは日本語が話せるとか日本に留学や仕事で住んでいたという方で、これはオンライン英会話の環境とはかなり異なります。私としては逆に日本語を解さない方のほうが「容赦なさそう」でいいような気もするのですが、そうするとレッスン可能な時間帯がかなりが限られてしまいます。そのあたりが悩みどころです。