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憂い顔の「星の王子さま」―続出誤訳のケーススタディと翻訳者のメチエ

憂い顔の「星の王子さま」―続出誤訳のケーススタディと翻訳者のメチエ
  『聖書』、『資本論』につぐベストセラー本と言われるサン=テグジュペリの『星の王子さま』。半世紀にわたる独占的出版権が切れた二〇〇五年以降次々に新訳が出版されたが、この本はそれら新訳版と、もとの内藤濯による訳本を俎上にのせ、翻訳の不備を細かく指摘している。
  翻訳と翻訳者を楽譜と演奏家にたとえて、あるいは翻訳を一つの建造物にたとえて展開する翻訳論は説得力があったけれど、そこまでおっしゃる筆者・加藤氏の文体がなんともまあ、かなり読みづらくて、途中で何度も本を放り出しかけた。