インタプリタかなくぎ流

“Might come in handy one day.”

「LOUIS VUITTON &」展

表参道のルイ・ヴィトンは一種の美術館だから、ぜひ定期的に見に行くべきーー。ずっと以前にどこかのブログでそんな意見を見かけて以来、何度か足を運んでいます。私自身はこのブランドの商品を買ったことはありません(というか、高すぎて買えません。ごめんなさい)し、正直に申し上げてあの定番である「モノグラム」や「ダミエ」と呼ばれる茶色と金色のプリントが施されたバッグを持つこと自体がどこか恥ずかしいと考えるような人間です。

しかし、そうした個人的な趣味とは切り離したところで、ハイエンドなブランドの商品や、お店のディスプレイなどを鑑賞するのは好きです。鑑賞ーーそう、こうしたブランドの商品は私にとっては買うものではなく、鑑賞する美術作品みたいなものです。ものすごくスノッブで趣味が悪いんだけど(大変失礼)、そこに一種の芸術的魅力が漂っていることは認めざるを得ません。それがブランドという、一種の幻想の上に成り立っているものだとしても。

当のルイ・ヴィトン自身も美術作品としての自社商品というコンセプトは大切にされているようで、様々な美術作家とコラボレーションした商品のラインナップも展開しています。村上隆氏や奈良美智氏などとコラボした商品が話題になったこともありますよね。

そんなルイ・ヴィトンというブランドの創業から現在までを紹介するという展覧会が原宿で開かれていて、昨日観に行ってきました。ブランドの宣伝という側面もあるのか、太っ腹なことに入場無料です。ただし混雑を避けるため時間指定であらかじめ申し込んでおく必要があります。

www.louisvuittonand.com

いや、この展覧会、とても見応えがありました。様々な美術作家とのコラボレーションも面白いですけど、その過剰なまでに悪趣味な世界(またまた大変失礼)がどこまでも非日常的で、思わず引き込まれるのです。しかも単なるゴージャスなファッションの世界というだけではなく、精緻な美術工芸品的側面も存分に堪能できます。そう、お能の装束なんかもそうですけど、こういう美術工芸品の世界って、とにかくゴージャスで絢爛豪華で、その意味では悪趣味とほんの紙一重の世界なんですよね。でもそれがいいのです。

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これなんか、モノグラム柄のサンドバッグですよ。ああ、ここまで浮世離れしていると、いっそ清々しいというか。この展覧会、ぜひ予約して観に行くべきです。

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あ、私はルイ・ヴィトンの製品を買ったことはありませんが、むかし妻からもらったネクタイを一本だけ持っています。遠目にはただのシンプルな水玉模様ですが、よくよく見ると紺の生地にモノグラムが織り込まれているという。これだったらまず誰も気づかないので、とても気に入っています。