よしながふみ氏のマンガに出てくる人物で、異なる作品なのに同じような外見と性格のキャラクターがいます。『西洋骨董洋菓子店』のエイジと『フラワー・オブ・ライフ』の春太郎と『きのう何食べた?』のタブチです。先日読んでブログに感想を書いたロングインタビュー『仕事でも、仕事じゃなくても 漫画とよしながふみ』にもその話が出てきました。
この三人は、もちろん全く異なるキャラクターですし、物語における立ち位置や主人公との関係もそれぞれ違うのですが、とても前向きで明るく、物怖じしない性格で、思ったことを素直に言っちゃうという性格が共通しています。どこか憎めない愛されキャラといいますか。
▲『西洋骨董洋菓子店』のエイジ
▲『フラワー・オブ・ライフ』の春太郎
▲『きのう何食べた?』のタブチ
こういうふうに、似たような造形のキャラが舞台背景の異なる作品に登場する形式を「スターシステム」と言うんだそうです。先日ご紹介した、うえやまとち氏のマンガ『大字・字・ばさら駐在所』のことをWikipediaで調べていて知りました。なるほど、『ばさら』に出てくる源さんは、たしかに『クッキングパパ』の荒岩一味そっくり(性格はぜんぜん違うけど)ですよね。
上掲のインタビュー本で、よしながふみ氏はさらに『大奥』の平賀源内、さらには『きのう何食べた?』のジルベールも、エイジ・春太郎・タブチの延長線上にあるようなキャラクターとして認識されていると語られていました。なるほどこの二人も、思ったことをハッキリ言っちゃう、ある意味裏表のないところは似ているかもしれません。
ところでカメントツ氏の『カメントツの漫画ならず道2』には、あだち充氏の作品に登場するキャラクター名を当てるという場面が出てきます。
カメントツ氏と『名探偵コナン』の青山剛昌氏、それにあだち充氏ご自身がチャレンジするのですが、カメントツ氏と青山剛昌氏はともかく、あだち充氏もまちがえちゃうというオチが。これはもう……究極のスターシステムと言っていいのかな。