インタプリタかなくぎ流

いつか役に立つことがあるかもしれません。

なかなかマスクが外れない

東京は連日猛暑が続いています。それでもマスクをしている方は多いですね。屋内はともかく、炎天下の屋外でもほぼ九割以上はマスク着用の方です。政府も熱中症などの危険性も勘案して厚生労働省のホームページなどではっきり「屋外ではマスクを外しましょう」とうたい、政府広報のTVCMさえ流しているというのに、このありさまはどうしてなのでしょう。


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今年の五月頃に「周りがマスクを外し始めたら、一斉に雪崩を打って外すようになるのかもしれません。たぶんその変化は急激に訪れるでしょう」と予想したのですが、その後「第七波」がやってきて、連日感染者数が世界最多などと報道されているなかでは、みなさんとても外す気にはなれないのかもしれません。
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私はとーっても素直な人間なので、政府広報をそのまま鵜呑みにして実践しています。すなわち「人との距離が確保できて、会話をほとんど行わない場合」にはマスクをしない、逆にそれ以外の場合はマスクをするということです。これに従って、屋内でも人が少なくて会話をしないとき、あるいは電車などでも空いているときなどにはマスクをしていません。頑なに「マスクなんて不要だ!」と息巻くのでもなく、かといって思考停止状態で炎天下でもマスクをつけ続けるのでもなく。

でもそれがなかなかうまく行きません。先日も、神奈川県立美術館・葉山で開催されているアレック・ソス展を見に行ったら、館内では必ずマスクをするように求められました。人との距離が十分すぎるほど確保できて(なにせマイナーな展覧会なので、お客さんもかなり少なかったです)、会話などまったく行われない空間であるのに。

もちろんここでも素直に従いましたが、素直ついでに本音を言ってもいいですか。もうちょっとご自分の頭で考えましょうよ。事ここに至ってほとんどの方がマスクに固執するというの、主語がきわめて大きくなるのを承知で申し上げれば、日本の私たちの特性がよく現れていると思います。自分の頭で考えることに自信が持てず、その結果おどろくほど主体性を欠いてしまう……マスクなど必要ないと言っているわけではありません。曲がりなりにも感染状況が続いている以上、必要な時と場合によって私も必ずマスクをしています。ただその合理的なメリハリをつければいいのにと思うのです。

岸田首相が国民に向かってきちんと「人との距離が確保できて、会話をほとんど行わない場合にはマスクを外しましょう」と呼びかければいいのにね。でも今のような「検討使」に甘んじている限りは難しいかなあ。