ロシアによるウクライナ侵攻を機に、それまでの中立的な立場を捨ててNATOに加盟申請するという歴史的転換を決めたフィンランドとスウェーデン。その両国を揶揄するポスターがモスクワに登場したと、ヘルシンキの夕刊紙“Iltalehti(イルタレヘティ)”が伝えていました。
アメリカ合衆国を象徴するアンクルサムが、二体のマリオネットを操っています。一体はムーミン、もう一体は「長くつ下のピッピ」ですよね。つまり、フィンランドのトーベヤンソン*1によるムーミンと、スウェーデンのアストリッド・リンドグレーンによるピッピが、アンクルサムに操られていると。両国のNATO加盟申請を批判するプロパガンダであることは一目瞭然です。
でもモスクワで掲示されているというこのポスターの文字は当然ロシア語のようですから、誰に向けてこのメッセージを伝えようとしているのかよく分からなかったのですが、こちらの記事(↓)によると、これはモスクワのスウェーデン大使館前(のバス停?)に掲示されたもののようです。なるほど〜。その意図するところは絵だけ見ても明白で、スウェーデン大使館の人が見てもわかりますし、さらにロシア語でメッセージを書くことでロシア国内の世論も喚起できると。
イギリスの『キッチナーの募兵ポスター』に端を発し、その後有名なアンクルサムの“I Want YOU for U.S. Army”をはじめ数々のプロパガンダポスターに転用されてきたこのイメージ。私はこのパターンのプロパガンダ画像を集めるのが趣味なのですが、またひとつコレクションが増えました。