インタプリタかなくぎ流

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フィンランド語 61 …受動態と能動態のまとめ

ここのところずっとフィンランド語の「受動態」を学んできました。受動態というと英語や中国語でも出てきたそれを思い出しますが、フィンランド語の場合は「受動態」というイメージには収まりきらないかなり幅広い範囲の表現になり、なおかつ話し言葉で多用されるのでとても重要な文法事項だということでした。

先生によると、歴史的にはむしろ先に、話し言葉におけるこの受動態が広く使われており、その後フィンランド語の正書法が確立されるにいたって、私たちが初級の頃に学んできたような書き言葉が出来上がってきたということだそうです。言い換えると、フィンランド語は「話し言葉」と「書き言葉」がかなりはっきり別れている言語だということでしょうか。しかも実際の場面では圧倒的に話し言葉で話しかけられることが多い(当然ですが)のでしょうから、受動態はとても重要ということになるわけですね。

受動態の働きを復習すると……

Suomessa puhutaan suomea.
フィンランドではフィンランド語を話します。

フィンランドではフィンランド語が話される」と「受動態っぽく」捉えてもいいのですが、ここは単に事実としての表現と捉えておくのでした。また受動態の大きな特徴として「主語がない」ことがありました。もちろん上記の文は「人々は〜」とか「私たちは〜」という主語のようなものが想像できますが、明確に出さないんですね。これは日本語にとても良く似ていると思います。

Puhutaan suomea !
フィンランド語を話そう!

「〜しよう」と呼びかけをする文にも受動態が使われるのでした。この場合は文頭にいきなり受動態を置きます。

Me puhutaan suomea.
私たちはフィンランド語を話します。

逆に文頭に主語を置くと、単純に「私たちは〜する」の文になるのでした。しかもこの場合、基本的に主語は「me(私たち)」を使うことがほとんどだそうです。主語を文頭に置かないと上記の「〜しよう」の文になってしまいます。そして受動態は「主語がない」のが特徴であるのに主語を置いているということは原則を外れているわけですが、実際にはそれが話し言葉で多用されていると。『フィンランド語文法ハンドブック』にはこう書かれていました。

フィンランド語の話しことばでは、me「私たち」が主語のときに受動態が使われることが非常に多くなっています。
Me mennään keskustaan. = Me menemme keskustaan.
私たちは中心街(keskusta)へ行く。
Me ei mennä maalle. = Me emme mene maalle.
私たちは田舎(maa)へ行かない。
本来であれば menemme や emme mene と言うべきところで、受動態 mennään や ei mennä を使うことが一般的になっています。ただし、このような受動態の使い方は正式には誤りだと考えられています。(92ページ)

なるほど。ともあれ、3つ目の用法は例外(とはいえ広く使われる)として、受動態は「主語なし」の文だと考えることができそうです。そうすると以前に学んできた主語のある現在形・過去形・過去分詞は能動態で「主語あり」の文ということですね。つまりひとつの動詞に対して、こういうバリエーションがあると。

能動態(主語あり) 受動態(主語なし)
現在形 現在形
過去形 過去形
過去分詞 過去分詞

過去分詞ができれば、過去形の否定・現在完了形・過去完了形まで一気に作ることができますから、とりあえずは動詞の原形が与えられたら、即座にこの6つを作ることができるかどうか……が大切なようです。以前、動詞のワークシートを改良して簡略化したんですけど、あれをさらに改良して、当面はこの6つを作る練習をたくさんやろうかなと思っています。

例えば「lukea(読む)」が与えられたら……

luen luetaan
luin luettiin
lukenut luettu

「nukkua(眠る)」が与えられたら……

nukun nukutaan
nukuin nukuttiin
nukkunut nukuttu

……と、口頭で作っていくのです。ワークシートではなく口頭で、というのがポイントですが、答え合わせをしなければならないのでとりあえずは書きながら口慣ししていこうと思っています。

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Suomessa juodaan paljon kahvia.