インタプリタかなくぎ流

いつか役に立つことがあるかもしれません。

再發號

台南駅のホームに降り立ったら「昔のままだ」と思いました。ちょうど20年ほど前に岡山(日本のじゃなくて台湾の。高雄と台南のちょうど中間くらいにある街です)に住んでいて、週末は各駅停車の電車でよく台南に遊びに来ていたのですが、その時の雰囲気がそのまま残っていたからです。駅前の様子はよく覚えていませんが、それでもあんまり変わっていないような気がします。

仕事場でよく顔を合わせる台湾人留学生に「久しぶりに台南へ行きます」と言ったら、センセ、再發號に行ったほうがいいですよ、と言われました。再發號って……ああ、あのお店。とても有名な老舗のちまき屋さんで、実は20年前にも行ったことがありました。当時はスマートフォンなどもなかったのに、どうやってこのお店を見つけて行ったのかは覚えていません。たぶん台湾人の同僚から教えてもらったんじゃないかと思います。

台南駅から比較的近い場所にあって、当時はぶらぶら歩いて向かったことを思い出します。このお店の先には“擔仔麵”で有名な度小月もあって、いろいろと食べ歩きをしたのでした。当時は会社が「日本人が現地で事故を起こすといろいろとめんどうだから」という理由で駐在している私たちが車やバイクを運転するのを禁止していました。今回はもちろんバイクを借りて、夜市をひやかした帰りに寄ってテイクアウトして、宿で食べました。

ここの“特製八寶肉粽”は握りこぶしくらいある大きなちまきで、その名の通り八種類の贅沢な具材が入っています。干し鮑、干し貝柱、干し椎茸、干し海老、鶏肉、豚肉、蛋黃(アヒルの卵の卵黄)、栗。小袋に入った少し甘めのタレもつけてくれました。これだけ盛りだくさんなんですけど、台湾南部の料理らしくとても薄味で、意外にあっさりしています。

▲写真を撮ったけど、私の腕前ではぜんぜんおいしそうに見えないので、再發號さんのウェブサイトから拝借して貼っておきます。