インタプリタかなくぎ流

“Might come in handy one day.”

発表会の非日常

きょうは一年に一回のお能の発表会です。今年は五月に国立能楽堂で大きな会が催される予定だったのですが、ちょうどコロナ禍の緊急事態宣言が発令されたところで、直前で中止になってしまいました。その日のためにお稽古していた舞囃子『邯鄲』は来年以降に「お預け」となって、きょうはその後からお稽古を始めた仕舞『船弁慶』のキリです。初めての薙刀ですが、まあ楽しんでこようと思っています。

ところで今日は会のはじめに連吟で『松虫』を謡ったので、早朝から能楽堂の控室で黒紋付に袴で控えていました。そして謡い終わったら夕方の自分の出番までずいぶん時間が空いてしまうので、他の人の発表をみたり、こうしてお昼を食べがてらカフェでブログを書いたり、ちょっとした残り仕事をしたりしています。最近はなぜだか本当に忙しかったので、こうやって気ままに時間を過ごすのは久しぶりです。

素人の発表会ですが、仕舞の地謡舞囃子のお囃子はほとんどが玄人の先生方なので、お師匠方はきょうは朝から晩までお忙しそうです。お仕事だからそんなに苦にもされていないと思いますが、それでもあまたいるお弟子さんの一つ一つの演目に気を配って一日を過ごすのは大変だと思います。こちらはこうやって呑気な一日をすごしていますが。

お昼も食べたので、もうそろそろ能楽堂に戻ろうと思います。そして再び紋服を着て、気持ちを本番に向けて高めていくのです。カフェでソイラテを飲んでいるいまから数時間後には能楽堂薙刀振り回しているというのも、考えてみればかなり非日常な体験です。年に一回か二回こうした機会を持つのは、日常に飽いた自分にとってはとても大切なのではないかと思っています。

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