インタプリタかなくぎ流

いつか役に立つことがあるかもしれません。

ALSOKと「ら抜き・めちゃ」

ALSOK(綜合警備保障株式会社)のテレビCM「なにできる?篇」が興味深いです。


www.youtube.com

ALSOKのスマホ防犯/なにできる? なにできる?
自分で見れる 外から見れる/めちゃ便利 ALSOK

「ら抜き」言葉に「めちゃ」。私個人としては聞くに堪えない日本語ですが、ただ実際にこういう言葉の現象として現れているものを正しい・正しくないと「裁定」してしまうことには抵抗があります。私の職場には日本語教育の専門家もたくさんいるので意見を聞いてみたところ、基礎的な日本語教育の段階では「ら抜き」などは許容していないだろうけれど、もう少し上級のクラスで、例えば会話の授業などでは強く訂正することはしないかも、ということでした。

「ら抜き」も、例えば上掲の「見れる/見られる」はまだしも、「来れる/来られる」などは自分が来ることができるという意味での「来れる」と尊敬語としての「来られる」を区別するための方便として理解すればいいのではないかという(やや「あとづけ」ではありますけど)擁護論というか、言葉の進化として捉える見方もあるそうです。

「めちゃ」あるいは「めっちゃ」は関西の芸人さんが多用するので全国的に広まったという説がありますが、小学校時代を大阪で過ごした私は「めちゃ」を使っていた記憶があまりありません。なにせもう何十年も前なので確かなことは言えませんけど、むしろ「むっちゃ」を多用していたような。「めちゃ」はもう「ら抜き」以上に人口に膾炙しているので(留学生のみなさんも多用しています)、これはもう関東でもほぼ定着したとみるしかないんでしょうね。私は使わないけど……(ささやかな抵抗)。


ら抜きの殺意