インタプリタかなくぎ流

いつか役に立つことがあるかもしれません。

外国人がコンビニで働くことの「スゴさ」

けさは時間がなくてお弁当をつくる余裕がなかったので、出勤前にコンビニに寄っておにぎりとサンドイッチを買いました。レジの店員さんは外国の方で、胸のネームプレートから拝察するにインド人とお見受けしました。日本語には独特のアクセントがありますけど、まったく問題なくお仕事ができるレベル……というか、こうやって外国のコンビニでお仕事をされていること自体が「スゴい!」といつもながらに驚嘆しました。

もうこのブログでも何度か書いたことがありますが、日本人の中にはこうした外国人労働者に対して「日本人に代われ」だの「まともな日本語を話せ」だのとクレームや嫌がらせをする輩がいるそうです。ずっと以前に、いまはもう「降りて」しまったTwitterでそんなことをつぶやいたら、けっこうな数の方から「日本にいるんだから当然だ」とか「まともな日本語を話せないなら客商売などする資格はない」などといったリプライが寄せられて驚いたこともあります。

qianchong.hatenablog.com

そういう方は、いちど自分が外国のコンビニで仕事をするところを想像してみてください。そうですね、一番ポピュラーな英語でいいです。英語が使われている国のコンビニで、次々にやってくるお客さんに英語で対応する場面を想像するのです。ただバーコードをピッと読み取るだけの仕事じゃありません(海外のコンビニだとかなり無愛想な感じでバーコードを読み取るくらいしかしてくれないことも多いですけど)。日本のコンビニはご承知の通り、それよりもはるかに多種多様なサービスを提供しています。そのぶんお客さんとのやり取りも多い。


https://www.irasutoya.com/2018/09/blog-post_781.html

けさだって、そのインド人の店員さん(仮にナレンドラさんとしておきましょう)は、私の前にいたお客さんと「お弁当を温めますか」とか「袋はご利用になりますか」などの対応をしていましたし、私のあとにいた人からは「65番(タバコの番号ですか)と、あと◯◯チキンふたつ」みたいな注文を受けていました。その他にも宅配便の受けつけや、公共料金の払い込みや、オンラインチケットの発券や、切手や収入印紙の販売なんかもしているはず。

それらをすべて日本語でこなしているナレンドラさんのスゴさがわかるでしょうか。それも、英語よりはるかにマイナーな日本語で。私は中国語や英語でコンビニのバイトをすることさえ難しいと思いますけど、ナレンドラさんの国の、例えばヒンディー語を使ってコンビニでバイトすることを考えたらもう目眩がします。あ、ちなみにヒンディー語は中国語、英語に次いで世界で三番目に多く話されているとされる言語ですけどね。

そんなメジャー言語すらおぼつかない私たちを尻目に、ナレンドラさんは日本で、日本語を使ってコンビニのバイトをこなしているのです。けさなんかまだ早朝でしたから、ナレンドラさん一人でそのコンビニを回していました。このスゴさがなぜ素直に理解できないのだろうか、それが私にはまさしく理解できないところなのです。