インタプリタかなくぎ流

いつか役に立つことがあるかもしれません。

しごと

検定試験のために語学をやるなんて

きのう、「検定試験で何級を取るのを目指すとか、スコアの点数に一喜一憂するとか、そんなのは一番つまらない語学のやり方だと思います」とブログに書きました。それでも語学が、特に英語が(そして最近では中国語も?)ある程度まで進学や就職や仕事での評…

仕事のためではない語学の沼にハマる

勤務先で行われた同時通訳実習に、講演者として参加しました。教員が持ち回りで二時間弱ほどの講演を行い、学生がチームに分かれて通訳(日本語→英語・中国語)をするというものです。主眼は同時通訳の訓練ですから講演内容は何でもよいのですが、いちおう「…

小さな逃避の必要

新型コロナウイルスの感染者数が急増しています。これだけ毎日感染者数の増加がさまざまなメディアで伝えられ続けていると、気持ちの上でも苦しくなってきます。私の周辺でも、本人は感染していないものの家族が感染したために「濃厚接触者」として職場に来…

起立・礼・着席

私がいま勤めている学校は、系列の専門学校や大学が都心のキャンパスにまとまった形になっています。同じ建物でもフロアによって学校が違ったりするのですが、先日所用で他のフロアに出向いたところ、ちょうど始業時間で、先生と学生さんたちが「起立・礼・…

ミナを着て旅に出よう

先日、ファッションブランド「ミナ ペルホネン」のデザイナー、皆川明氏へのロングインタビューをまとめた『Hello!! Work 僕らの仕事のつくりかた、つづきかた。』という本を読んだので、もう一冊『ミナを着て旅に出よう』という本も読んでみました。こちら…

オンライン授業にはない「冗長性」が必要なのかもしれない

斎藤環氏と與那覇潤氏の『心を病んだらいけないの?』を読んでいたら、最終章に「オープンダイアローグ」の話が出てきました。統合失調症や鬱病などの患者に対して、投薬ではなく、患者に関わる家族や友人、医師や看護師など、患者に関わる全ての人が参加し…

年齢に関係なく働く

東京は青山のスパイラルビル5階に「Call」というお店があります。デザイナー・皆川明氏のブランド「ミナ・ペルホネン*1」が展開している服飾や雑貨のお店で、食品販売コーナーやカフェもある面白い空間です。スパイラルといえば、私が学生時代に竣工したお…

セカンドキャリア本をあれこれ読む

現在勤めている職場はあと数年で「定年」になるので、最近はよくセカンドライフやセカンドキャリアについて考えます。実際には定年後も嘱託や非常勤で働き続けることもできるのですが、コロナ禍でどんな業界にも様々な変化が訪れている昨今、あれこれと考え…

歩きながら考える

もうひとつ、レベッカ・ソルニット氏の『ウォークス 歩くことの精神史』から。序章に出てきた「クリック一つで知のすべてをお約束します」という惹句がおどるCD-ROM版百科事典の広告についての話にもいろいろと考えさせられました。「クリック一つで」とその…

アメリカの高校生が学んでいるお金の教科書

「そもそもお金とは何か」から始まって、就職、転職、キャリア選択、貯金、会計、借金、投資、税金、保険はもとより、破産や詐欺、さらには老後資金にいたるまで、お金に関する基礎知識をわかりやすく解説した一冊です。ごくごく初歩的な基礎知識しか書かれ…

近くて遠い横浜

横浜能楽堂に喜多流のデジタル若者能を見に来たので、その前にいわゆる「町中華」でお昼ごはんを食べました。JR石川町駅から歩いて10分ほどの奇珍というお店です。ネットの情報では行列するほど混んでいるとのことでしたが、行ってみたら空いていてすぐに食…

異議申し立てと逸脱の混同について

もうすぐ2022年を迎えようという今となってはちょっと信じられないくらいですが、かつて喫煙がほとんどどこでも自由に行われていた時代がありました。ほとんど、というのは病院など医療施設や小中学校の施設内などではさすがに行われていなかったような記憶…

「農的な暮らし」を志向したことがあった

1989年、大学を卒業したものの路頭に迷っていた私は、九州のとあるフリースクールで共同生活を始めました。このフリースクールは「水俣生活学校」といって、水俣病事件における患者支援や調査研究などを行っていた財団法人・水俣病センター相思社の一部門と…

お金を払う側だけれどもお礼を言う

年末の大掃除シーズンを迎え、仕事の合間に不用品の整理をしています。先週末は書籍を大胆に「断舎離」してネットの古本屋さんに段ボール箱で三箱ぶん送りました。集荷に来てくれた宅配便のお兄さんも、さすがに三箱いっぺんに持って行けそうになかったので…

トレーニングで得られる「安心」

先週後半は忙しくて、日課になっているジムでのトレーニングができませんでした。すると案の定、腰が痛くなる。どんなに気をつけて職場ではVariableのバランスチェアに、自宅ではVivoraのバランスボールに座って対策をとっていても、「やつ」はやってくるの…

セカンドキャリアを考える

いまの仕事も定年まであと数年、「セカンドキャリア」を考えるべき年齢になりました。というか、実はもう何年も前から、どうやって引退しようか、その後の暮らしはどうしようかと自分なりに考えてはきたのです。でも、いまのところはハッキリとした形になっ…

留学生の日本語劇

この秋から週に一回、三時間ほどの練習を重ねてきた留学生による日本語劇、いよいよ明日が上演日になりました。ダブルキャストなので、キャストを入れ替えながら四回上演します。きょうは教室を利用して劇場に作り変え、最後のゲネプロをしました。本来なら…

学生のプレゼンをその場で訳す

留学生の通訳クラスで、今年度後半の授業開始時にこんな動画を使ってみました。オーストラリア在住の華人が、ご自身の好きな推理小説をお勧めするというYouTube動画です。youtu.be東野圭吾氏など日本の推理小説作家の話が出てきて、学生も楽しんで訓練してい…

ゲームの世界に入り込めない

留学生の通訳クラスで、ボキャブラリー増強のためにいろいろなジャンルの言葉を中国語と日本語の両方で集め、覚えています。先日は趣味に関する語彙をみんなでシェアしたのですが、やはりいまどきの留学生のみなさんは、ゲームが大好きという方が多いようで…

身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ

最近、仕事でも私生活でもいろいろと「捨てる」場面が続いて、さびしいような、でもその一方でさっぱりしたような、不思議な感覚にとらわれています。ものを捨てる、いわゆる「断捨離」みたいなのは、私はけっこう抵抗がなくて、あまり執着せずにぼんぼん捨…

フリーライダーを生みやすいオンライン授業

コロナ禍に突入してはや二年近くになろうとしています。この間、私が奉職している学校現場も大きな影響を受け、対面授業とオンライン授業を組み合わせた様々な試みのために毎日仕事に忙殺されています。これまでになかった取り組みをやって、いろいろな発見…

オンラインの会議や授業がつらい

私がいまメインで勤めている学校は、系列の大学や専門学校などがひとつのキャンパスにまとまったているところです。その大学では最近、感染状況が落ち着いてきたことを受けて、学生さんはもちろん、学生さんの親御さんからのクレームが急増しているという話…

はてなブロガーに10の質問

はてなブログ10周年特別お題「はてなブロガーに10の質問」 ブログ名もしくはハンドルネームの由来は? 「インタプリタ」は「通訳者」です。私は通訳者としてはデビューが40歳代になってからと遅く、偉大な先達を仰ぎ見ながら常に三流であることを痛感してい…

誰が何のために考えたのか

これは日本のどこかにある、とある事業所でのお話です。その事業所では毎年インフルエンザの予防接種が行われます。ここは規模が大きく、職員数も多いので、事業所本部の医務室が「職域接種」を行っているのです。ただしワクチンの数量は限られているので、…

プライドと語学

アメリカ人のお連れ合いがいる知人(日本人)がいます。お二人はここ十数年日本に住んでいるのですが、そのアメリカ人のお連れ合いはほとんど日本語が話せません。知人が英語に堪能であるため特に不便も感じないのでしょうけれど、日本に暮らしている以上お…

語学に必要な「素直さ」について

声優の専門学校に通ったのち、声優になれる人は100人のうち5人ーー。はてなダイアリーの「今週のはてなブログランキング(2021年10月第3週)」で、はてな匿名ダイアリーのランキングにそんな記事が載っていました。anond.hatelabo.jp声優さんを「声を届け…

Officeが使いにくくてしょうがない

これは私がMacBookを愛用しているからことさらに言挙げしているんじゃないんですけど、最近つくづくMicrosoftのOfficeは使いにくいなあと思うようになりました。WordもExcelもPowerPointも日々使っているものの、とにかく挙動がいちいちめんどくさく、メニュ…

留学生の字幕翻訳課題

外国人留学生の通訳翻訳クラスで、毎年この時期の課題となっている字幕翻訳に取り組みました。プロも使っている字幕製作ソフトを用い、日本の字幕翻訳のルールも学んだ上で、英語や中国語の動画に日本語字幕をつけるという課題です。翻訳は、それも高度な言…

昨夜の地震をうけて

昨日の夜は久しぶりに東京都心で大きな地震がありました。震度5と報道されていましたが、さいわいうちは何も被害はなく、私はそのまま寝てしまいました。が、今朝起きてシャワーを浴びようとしたらガスが止まっていました。地震で自動的に元栓を閉めるよう…

香港の人と北京語で話す

よく利用している近所のコワーキングスペースに、時々香港の方が見えます。現在一時的に日本在住とのこと。スペースのオーナーさんがその方とスペースの使い方について細かい話をする時に、おたがいに英語だと隔靴掻痒な感じなので、私が間に入って中国語(…