インタプリタかなくぎ流

いつか役に立つことがあるかもしれません。

ゲームの世界に入り込めない

留学生の通訳クラスで、ボキャブラリー増強のためにいろいろなジャンルの言葉を中国語と日本語の両方で集め、覚えています。先日は趣味に関する語彙をみんなでシェアしたのですが、やはりいまどきの留学生のみなさんは、ゲームが大好きという方が多いようです。

集めた語彙を使って日本語の会話練習もしたのですが、そのなかでいわゆる「課金」をしていますかという設問にたいして、ほとんどの人が「している」と答えていたのが印象的でした。私自身はゲームというものをまったくといっていいほどやってこなかった人間なので、ほとんどの方の暮らしにゲームがここまで大きな存在になっているという事実に、いまさらながら驚きました。ほんとに「いまさらかよ」という感じですが。

そういえば、通勤電車の中でもスマートフォンでゲームをしている方は多いです。先日、夕飯を作りながらテレビを見ていたら、NHKの『突撃!カネオくん』という番組で「大注目!eスポーツのお金の秘密」という特集をやっていました。ここでも私は驚いたのですが、いまやゲーム市場というのはとてつもなく巨大な産業に成長しているんですね。これも「いまさらかよ」ですが。

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最近新しい通訳教材をいくつか平行して作っていて、そのひとつに中国の某スマートフォンメーカーの新商品発表会の内容があるのですが、そこでもスマートフォンの機能の一つとして、動画の再生能力がかなりの時間を割いて語られていました。もちろんストレスなくゲームの動画を再生できる高い能力をユーザが求めていることへの対応でしょう。


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ですから、発言者の使う語彙にもゲーム関係用語がたくさん使われています。一例を挙げれば“英雄联盟“で“组排”して“上分”することが楽しい……とか。音は聴き取れてもそれが何を表しているのか、ゲームに何の知識もない私はさっぱり分かりません。いろいろと調べ回って、どうやらこれは「リーグ・オブ・レジェンド」というゲームにおいて「フレックス」(チームモード)でランクアップすることを表しているみたい。……って、それがどんな意味を持つのかさえ私には曖昧ですが。

まあ通訳者の仕事は「専門家ばかりが専門的な内容を話しているところに『ひとりだけ門外漢』が出て行って、二つの言語でその専門的な内容を話す」という「無理筋」なところが常にあるので、現場ではなく教材の一環だとしても、やっぱり調べて学ぶ必要があります。そしてこれから先も、こうした語彙は増え続けていくのでしょうね。ゲーム業界が右肩上がりなのであれば、なおさらです。

だったら自分も少しはゲームをやってみればいいんですけど、どうも食指が動きません。実は私もそこそこ新しもの好き、ガジェット好きなので、かつては手を出したことが、それも何度もあったのです。でもその都度すぐに飽きてしまって、どうしてもその面白さに入り込むことができませんでした。

留学生のみなさんがほぼ例外なくゲームに親しんでいるのを見て、ここでもまたちょっとした疎外感を味わっています。まあみなさん、自分の子供くらいの年齢の方々なので、そもそも同列に並ぼうというのが無謀な話なのですが。