インタプリタかなくぎ流

いつか役に立つことがあるかもしれません。

しまじまの旅 たびたびの旅 135 ……台湾料理の香り

かつて台湾で働いていたとき、日本から短期の出張で来た職員のなかに、食べ慣れない台湾の料理で苦労している方が少なからずいました。えー、台湾といえば食べ物がおいしくて有名なところじゃないかと思われるかもしれませんが、意外にも台湾の料理、それも…

しまじまの旅 たびたびの旅 134 ……一一重構:楊德昌

國家電影及視聽文化中心(TFAI)と台北市立美術館(TFAM)で同時開催されている、台湾の映画監督・楊德昌(エドワード・ヤン)氏の回顧展を見に行きました。若い頃、夢中になって見ていた氏の映画は、日本でもロードショー公開された『恐怖份子』、『獨立時…

しまじまの旅 たびたびの旅 133 ……幸福路

澎湖から台北に戻って、Airbnbで借りた部屋のチェックイン時間までまだかなりあったので、新北市は新荘副都心にある國家電影及視聽文化中心に行くことにしました。ここは台湾の映画やテレビのアーカイブを収蔵し修復している専門の施設です。ここでいま、私…

しまじまの旅 たびたびの旅 132 ……シーカヤックとヨット

環状に島が連なる澎湖諸島の西側にある“西嶼”、その北端にある小さな島“小門嶼”(と言ってもいずれも橋で繋がっています)に早朝4時おきで向かい、日の出を見るシーカヤックをしてきました。以前にもここで“小門嶼”をぐるっと一周するシーカヤックのツアー…

しまじまの旅 たびたびの旅 131 ……台湾で刺身を

澎湖は海に囲まれていますから、当然ながら魚介類がおいしい所です。ただいわゆる「海鮮料理」のお店は、一人や二人で行くのにはあまり適していません。さまざまな魚介類を、炒めもの、揚げもの、蒸しもの……と手を変え品を変えて味わうのが海鮮料理の醍醐味…

しまじまの旅 たびたびの旅 130 ……薄味

先日お目にかかった、澎湖在住の日本の方からおもしろい話を聞きました。その方は、いま私が泊まっている民宿のオーナーと一緒に日本へ旅行したことがあるそうですが、北海道のとあるラーメン屋さんで食べたときに「スープにお湯を足しますか?」と聞かれた…

しまじまの旅 たびたびの旅 129 ……素食でランチ

バイキング、あるいはビュッフェと呼ばれる食事の形式があります。ホテルや宴会などでお目にかかる、好きなものを自分のお皿にとって食べるいわゆる「食べ放題」という形式です*1。私はこの形式の食事がかなり苦手です。理由はまあ挙げていけばキリがないの…

しまじまの旅 たびたびの旅 128 ……ビジター料金で筋トレ

年を取って、身体の衰えがとんでもないことになっています。とくに腰痛がひどくて、以前は周期的に襲われていたのが、現在ではほぼ慢性的な状態に。それでも不思議なことに、じっとしていると常に鈍い痛みを感じているのに、仕事でも家事でもとにかく動き回…

しまじまの旅 たびたびの旅 127 ……排骨(パイグー)

那覇空港からタイガーエア(台灣虎航)で台北に飛び、さらにユニー航空(立榮航空)で澎湖諸島に移りました。コロナ禍の前に来て以来、三年ぶりの台湾、三年ぶりの澎湖です。早朝の那覇空港で搭乗手続きをする前に、なにか食べておこうと思ってターミナル内…

しまじまの旅 たびたびの旅 126 ……ゴーヤー

ゴーヤー(苦瓜)が大好きです。若い頃、農業の真似事をやっていたときには自分でも作っていましたし、いまでもとくに夏になると食べたくなる味のひとつ。最初に食べたときは「これは無理」と思ったものですが、いったんその風味にハマると抜け出せなくなる…

しまじまの旅 たびたびの旅 125 ……サーフィンをやってみたかった

英語に“bucket list”という言葉があります。バケツリスト。“kick the bucket(バケツを蹴る:死ぬ*1)”という表現からきた言葉で、生きているうちにやりたいことのリストとでもいいましょうか。余命いくばくもないと診断された男二人が、人生でやり残したこ…

しまじまの旅 たびたびの旅 124 ……とんこつスープの沖縄そば

沖縄に来てから何度も沖縄そばを食べました。手軽に食べることができて肩肘張らない感じがいいですし、炊き込みご飯の「じゅーしー」とセットで食べると満足度・満腹度も高いです。上に乗っているのは豚肉の「ソーキ」や「てびち(豚足)」や「三枚肉」がポ…

しまじまの旅 たびたびの旅 123 ……沖縄陸軍病院南風原壕群20号、沖縄県平和祈念資料館

旧海軍司令部壕に続いてもうひとつ、沖縄陸軍病院南風原壕群20号に行きました。「壕群」の名の通り、このあたりには約30ほどの横穴壕が作られ、陸軍病院の代替施設として使われたということです。そのほとんどは埋没するか破壊されるかしていて、現在ほぼ当…

しまじまの旅 たびたびの旅 122 ……ひめゆり平和祈念資料館、旧海軍司令部壕

台風一過となってもずっと重い雲が立ち込めていて、ときおり雨も降る天気でしたが、強風はなくなったので沖縄本島の南端まで出かけることにしました。まずは糸満市の平和祈念公園にある沖縄県平和祈念資料館と平和の礎です。……が、到着してみると台風のため…

しまじまの旅 たびたびの旅 121 ……荒天、疲労レス、読書

沖縄に来てから今日でまるまる一週間、その間ずっと荒天が続いています。そのうち半分以上は暴風雨で、なおかつその半分以上は停電と断水の中で過ごしました。いったいこれはなんの罰ゲームなのというレベルですが、天気に文句を言ってもしかたがありません…

しまじまの旅 たびたびの旅 120 ……停電と断水からの教訓

「ブーメラン台風」こと6号がふたたび沖縄付近を通過しています。私が泊まっている施設は目の前に港があるのですが、先日は向かって右から左へ風と波が流れていましたが、いまは真逆の左から右へ流れています。なるほど、台風は反時計回りに渦巻いているか…

しまじまの旅 たびたびの旅 119 ……沖縄美ら海水族館

車を運転しながらカーラジオを聞いていたら、今回の台風6号を「ブーメラン台風」と呼んでいました。確かに、沖縄本島から見ると、片側すぐそばを通り過ぎたと思ったら再び反対側に引き返してくるんですから、ブーメランそのものです。天気に意図などあろう…

しまじまの旅 たびたびの旅 118 ……車の交換、2日ぶりの温かい食事とシャワー

台風6号の影響による停電と断水、きょうのお昼までは継続していました。「いました」というのは、フロントフェンダーが暴風で剥がれてしまったため、レンタカーを交換しに外に出ているので現状はわからないからです(この記事はスタバで書いています)。私…

しまじまの旅 たびたびの旅 117 ……停電と断水

命の危険を感じました。昨夜から今朝にかけて台風6号が直撃した沖縄。とにかく経験したことのないほど強烈な暴風雨で、窓ガラスが割れるかもしれないと一晩中寝られませんでした。断続的に停電していましたが、午前4時頃に停電して以降15時間近くそのまま…

しまじまの旅 たびたびの旅 116 ……スーチカ、麩イリチー、台風6号

臨時で泊まっているホテルの真ん前に「沖縄料理」を看板にした居酒屋がありました。お酒はほとんど飲まなく(飲めなく)なりましたけど、せっかく沖縄まで来たのですから無粋なことは言わず、入って二品だけ注文しました。スーチカ(スーチカー)という豚の…

しまじまの旅 たびたびの旅 115 ……筋トレからのステーキ

せっかく夏の沖縄にやってきたというのに、台風が接近中で天気は晴れたり曇ったり時々雨が降ったり。朝から仕事を片付けて、予約しておいたオンライン英会話をやって……って、これじゃまるっきり普段のルーティンで、夏休み感が少しもありません。しかも天気…

しまじまの旅 たびたびの旅 114 ……初めての沖縄と、ソーキそば、冷しレモン

日頃の行いが悪いという言葉は、こういうときに使うのでしょうか。最近身体の衰えが激しくて、縁起でもないけれど、なんとなく人生も終末に近づいているような気がするので、この夏、元気なうちに沖縄へ行くと決めていました。沖縄を飛び越した台湾へはもう…

中国語でアルファベット

アルファベットをどう発音しますか。綴りを説明するとき、あるいは記号としてのアルファベット、型番や商品名などに含まれているアルファベットを読み上げるとき、日本語母語話者ならおおむね以下のように発音すると思います。 A(エー/エイ)、B(ビー)、…

デイヴィッド・ホックニー展

古今東西で一番好きな画家でした。何十年も前の学生時代からその作品に親しんできたデイヴィッド・ホックニーの、日本では27年ぶりとなる大規模な個展ということで、その開催を知った去年から楽しみにしていました。www.mot-art-museum.jpポップアートの旗手…

一度手を出したら戻れなくなりそう

ハンディタイプや首かけタイプのポータブル扇風機は街でよく見かけますが、次はついにエアコンですか。オンライン英会話の次の教材を探そうと、いつもの通りengooに行ってみたら、こんな記事がありました。 https://engoo.com/app/daily-news/article/this-p…

ウクライナ情勢についての三冊

ウクライナ情勢についての新書を三冊、先週末にまとめて読みました。①手嶋龍一氏と佐藤優氏の『ウクライナ戦争の嘘』と、②エマニュエル・トッド氏と池上彰氏の『問題はロシアより、むしろアメリカだ』、それに③舛添要一氏の『プーチンの復習と第三次世界大戦…

TwitterがXに

ニューヨーク・タイムズの電子版を購読していると、毎朝“Morning Briefing”というメールが届きます。その日の注目記事を2つから3つを選んで「ブリーフィング」してくれて、短いうえにそれほど難しくない英文なので私のような初中級者でも楽に読めます。け…

思い出の残骸

私が初めて中国へ行ったのは、たしか1992年か93年頃だったと思います。当時私は熊本県の水俣市に住んでいて、主に水俣病に関する資料館の広報誌を編集する仕事をしていました。その仕事のつながりで、福岡の印刷業者さんとやり取りをしているうち、福博綜合…

果実の味醂羹

先日、知人から小さな箱に入った羊羹をいただきました。「果実の味醂羹」。金沢の酒蔵・福光屋さんがその発酵技術を使って作っている食品シリーズのひとつで、三年間熟成させた純米本味醂(みりん)を使って炊いた餡に、いちじく・くるみ・デーツ・干し葡萄…

ざんねんなえいごきょうし

今朝の東京新聞朝刊に、師岡カリーマ氏が「夢は摘まないで」というコラムを寄稿されていました。英語教師に「アラビア語なんて、月一回も使う機会あるの」とか「国益になるの」などと言われたアラビア語講師の話を引きつつ、アラビア語がいかに存在感のある…