インタプリタかなくぎ流

いつか役に立つことがあるかもしれません。

しまじまの旅 たびたびの旅 125 ……サーフィンをやってみたかった

英語に“bucket list”という言葉があります。バケツリスト。“kick the bucket(バケツを蹴る:死ぬ*1)”という表現からきた言葉で、生きているうちにやりたいことのリストとでもいいましょうか。余命いくばくもないと診断された男二人が、人生でやり残したことを実現するための冒険に出るという映画『最高の人生の見つけ方』(ジャック・ニコルソンモーガン・フリーマンの主演)の原題が“The Bucket List”でした。


最高の人生の見つけ方

私にもバケツリストがあるのですが、そのうちのひとつは「サーフィンをやってみたい」。というわけで沖縄でもサーフィンができるかしらとネットで探して、初心者むけの教室に申し込んでみました。本来は連続して一週間ほど通うつもりだったのですが、台風の影響で半分のスケジュールになってしまいました。まあ仕方がありません。

suy.jp

申し込んでからはじめて知ったのですが、沖縄の海岸はそのほとんどが「リーフ」と呼ばれる岩礁珊瑚礁が主体の海底になっていて、ゴツゴツとしているのでケガの危険性があります。そのためある程度潮が満ちている時間帯にしかサーフィンができないので、教室の開始時間も毎日異なっていました。さらにウェットスーツと靴、手袋を着用して海に入ります。この教室はすべて用意してくれたので、自分で準備したのは水着とタオル程度でした。

最初は陸上でパドリング(サーフボードの上に寝そべって波をかきながら進む)から身体を起こし、サーフボードの上に横向きに立ち上がる練習を何度か行いました。つい頭を下に向けてしまうのですが、常に前を見ていることが大切なようです。そのうえで、実際に海に入って、最初はインストラクターさんの補助を受けながらサーフボードの上で寝たままパドリングで前に進む練習、さらに波に乗りながら立ち上がる「テイクオフ」の練習を何度も行いました。

合計三日間通いましたが、なんとかテイクオフできたのは五回から六回程度といったところでしょうか。予想はしていましたけど、これはなかなか難しいです。とくに「これは乗れるかな・乗れないかな」と波を見極めるのがとても難しい。力のある波に乗ることができれば長い時間進めますし、その分立ち上がる余裕もできるのですが、波が良くないとすぐに止まってしまいますし、立つまでに至りません。

つまりは波を見極めるというのがうまく乗れるかどうかの鍵になるわけですけど、これは海底の様子、その日の風の具合、その他偶然の要素も加わって、ベテランでも一日に数回しか理想的な波に巡り会えないこともあるんだそうです。またいつも慣れている場所ではどんどん波に乗ることができるベテランであっても、違う海に行くとまったく調子が出ないということもあるくらいなんだとか。何事もそうですが、サーフィンも奥が深いですね。



これでバケツリストにひとつチェックが入りました。東京都心に住んでいるとサーフィンとはなかなか縁遠いですが、もし目の前にサーフィンができる海がある場所に住んでいたら、これは毎日でもやりたくなるだろうなと思います。いや〜、とっても楽しい体験でした。また沖縄に来るチャンスがあれば、さらに挑戦してみたいと思います。

*1:なぜバケツを蹴る=死ぬなのかというと、諸説あるものの首をくくるときに台にするバケツを蹴るからだという説があるそうです。ちょっと恐い表現です。