インタプリタかなくぎ流

いつか役に立つことがあるかもしれません。

ラプアンカンクリのストール

フィンランド南西部、セイナヨキ(Seinäjoki*1)の北にラプア(Lapua)という小さな街があります。この街に拠点を置くテキスタイルブランド「ラプアンカンクリ(Lapuankankurit:ラプアの紡ぎ手たち)」は、シンプルかつデザイン性の高い製品で知られていま…

イスラエル 人類史上最もやっかいな問題

パレスチナのガザ地区を実効支配するイスラム組織ハマスがミサイル攻撃を行い、その報復としてイスラエル軍がガザ地区への軍事作戦を開始したのが10月7日。あれからちょうど1ヶ月、悲惨な戦争の報道に接し続けてほんとうに胸ふたぐ思いの日々が続いています…

根津美術館の監視員

ここのところ仕事があまりに忙しくて精神が煮詰まってしまいそうだったので、やっと休みになった今日は根津美術館に北宋の書画を見に行ってきました。根津美術館は事前にネットで入場時間を予約する形になっていて、朝一番の時間帯で入場したので、それほど…

日本人は社会問題に関心がないの?

オンライン英会話のCamblyでチューターさんと会話をしていたら、なかなか率直なことを言われました。以下はレッスン後にディクテーションしてみた*1その部分です。 I think you're my third person from Japan in the last couple of hours, and the very fe…

魔改造の夜と日本語劇

NHKに『魔改造の夜』という番組があります。www.nhk.jpありふれた家電やおもちゃを一流の技術者やエンジニアたちが寄ってたかって改造し、「えげつない」ほどのパワーを発揮するマシンに仕立てた上で三つ巴の戦いを行うという企画。ロボコンに似ていますけど…

粥粥好日

いつものように朝5時起きでジムに行って、少々興が乗ってしまったので長めにトレーニングをしていたら、出勤までの時間の余裕がなくなってしまい、朝食をとらずに家を出ました。本当はトレーニング前後に何も食べないのは良くないんですけど……しかたなくな…

スーツと鴨南蛮と豆花

昨日の土曜日は、午前中都内某所でお仕事をして、そのあと神田に向かいました。神田に小さな仕立て屋さんがあって、そこでビジネススーツを注文するために予約を入れていたのです。ここ十年近く、スーツの着用を特に求められない職場で働いてきましたし、も…

雑談力

先般聞いていたBBCの「6 Minute English」にこんな会話がありました。 Do you have many friends? Yes, I have some close friends, but maybe not as many as I’d like. That’s interesting because often it’s women who have many friends while men find…

シンクロニシティ

ふだん通勤列車のなかでは語学のアプリに取り組んでいるのですが、仕事であまりに疲れた日などはそこまで学習意欲がわかないこともあり、そんなときはよくYouTube動画を見ています。先日はたまたまアプリを開いて一番最初に出てきたこのショート動画を見まし…

必要になってから外語を学んでもいい

“What languages are usually taught in schools where you live?(あなたが住んでいる地域の学校では、通常どのような言語を教えていますか)”ーーオンライン英会話でengooのニュース教材を使っていたら、こんな質問がありました。そうチューターに問われて…

韓国のプロテイン

韓国人の同僚が実家に帰省して戻ってきた際、私へのおみやげにプロテインを買ってきてくれました。ちょっとちょっと、私はそこまでのトレーニー、あるいは筋トレフリークじゃないんですけど〜。でもそのお気持ちがうれしくて、ありがたく頂戴いたしました。…

ジムを乗り換える

chocoZAP(チョコザップ)がフィットネス業界としては空前の成長を遂げているーーパーソナルトレーニングのトレーナーさんから聞いた話です。RIZAPの新業態として登場した昨年からわずか1年あまりで会員数・店舗数ともこれまでの業界にはなかった伸びを示し…

好ハオ

職場の図書館で雑誌をあれこれ読んでいたところ、書棚にあるファッション雑誌に目が止まりました。表紙に「圧倒的に好ハオいモノだけ」という特集名が大書された『S Cawaii!』という雑誌です(2023年11月号)。 S Cawaii! 2023年11月号おおお、中国語の “好…

6 Minute English

今年の1月から始めたオンライン英会話のCambly、30分を週3回のペースでまだまだ続けています。毎回のレッスン前にはいまだにけっこう緊張しますが、すでに100回以上レッスンを受けているので、さすがに場慣れしたというか、とにかく英語で話す度胸のような…

HHhH

2014年の本屋大賞翻訳小説部門で第1位となり、その後『ナチス第三の男』の邦題で映画化もされたローラン・ビネ氏(翻訳は高橋啓氏)の『HHhH プラハ、1942年』を遅ればせながら読みました。このところロシアとウクライナの戦争に関する書籍や双方の歴史に関…

宝くじという寄付

日本人は世界でいちばんケチな民族。そう言われたら「ムカッ」とくるでしょうか。でも実際のところ、例えばこちらのページによれば、人口ひとりあたりの寄付金額で日本は英国の2分の1、米国の10分の1しかないそうです。www.es-inc.jpまた英国の Charities…

発言する資格

もう一週間以上も前ですが、東京新聞のコラムにニュースサイト編集者の中川淳一郎氏がこんなことを書かれていました。 ネットについて私はこの15年ほど常に「公の場で発言する資格がない者の声が大きすぎて社会をおかしくしている」と主張してきた。 実はこ…

新橋で蚵仔麵線

昨日の土曜日は、午前中に都内某所で仕事をしておりまして、午後にぽかっと時間が開いてしまったので新橋に行きました。私はかつて新橋で定期的に仕事を頂いていたこともあるので懐かしい街ですが、ここ数年はほとんどご無沙汰でした。なぜ新橋に向かったか…

語学における近道

マーカス・デュ・ソートイ氏の『数学が見つける近道』を読みました。ソートイ氏といえば同じ新潮クレスト・ブックスから出ている『素数の音楽』が大好きな一冊なのですが、この本も同様の知的好奇心を刺激される、とても面白い内容でした。 数学が見つける近…

自分を護るために降りる

私が勤務している職場の図書館には、処分されることになった蔵書を並べて、学生や教職員が自由に持ち帰ってよいというサービス(?)を提供するコーナーがあります。私はかつてここで飯塚朗氏の『中国故事』(角川選書)や木下順二氏の『中野好夫集』(日本…

『愛你』が18年ぶりにヒットしたって

YouTubeで中国語の動画をいろいろと視聴していたら、偶然この動画を見つけました。台湾の歌手で女優の王心凌(ワン・シンリン/シンディー・ワン)往年のヒット曲《愛你》が18年ぶりに再び中国大陸でヒットし、その後に《從何說起》という番組でインタビュー…

台湾ファミマの入店音

先般、コロナ禍を挟んで三年ぶりに台湾に行き、しばらく過ごしました。その間毎日のように利用していたコンビニ“全家(ファミリーマート)”で、三年前とは違うある変化を見つけました。それはお店に出入りする際に鳴る音(入店音、あるいはジングルですか)…

ミッキーハウス

台湾滞在中にテレビニュースを見ていたら、しきりに“米奇屋”の話題を報道していました。“米奇”はミッキーマウスの「ミッキー」、“屋”は建物とか家のことですから「ミッキーの家」ということですが、要するにこれは日本語で言うところの「ゴミ屋敷」なんであ…

『らんまん』の台湾語

私は日本のテレビドラマにまったく明るくないのですが、妻はNHKの朝ドラ『らんまん』が大好きで毎日録画しては見ています。それで私も断片的におつきあいしているのですが(断片的なのでお話の流れがあまりよくわかっていません)、昨日は主人公の槙野万太郎…

台湾アイドルドラマの退潮

ふだん私はあまりテレビは見ないのですが、海外を旅行しているときは現地のテレビ番組をあれこれ見て回るのが好きです。日本にいるときは騒がしくてしかたなく感じるテレビCMでさえ、海外のそれは、当たり前ですがかなり新鮮に感じます。先日、コロナ禍を挟…

しまじまの旅 たびたびの旅 138 ……旅の終わりに

澎湖諸島でいつも泊めていただいている民宿のオーナーは私と同年代の女性で、澎湖生まれの澎湖育ち、生粋の澎湖人で歯に衣着せぬ直截な物言いが特徴のおもしろい人です。というか、彼女に言わせると澎湖人はたいてい誰でもそんな感じで、人情味にあふれてい…

しまじまの旅 たびたびの旅 137 ……僕と幽霊が家族になった件

高雄から台北に戻ってきて、またAirbnbで借りた部屋に投宿しました。予約したときには気づかなかったのですが、なんと先日借りた部屋と同じ巨大なビルの中にある別の部屋でした。Airbnbって、予約時には詳細な住所が明かされず、直前になって部屋へのアクセ…

しまじまの旅 たびたびの旅 136 ……カワイイものたちの台湾

高雄のB級グルメについて情報をくださった台湾人留学生は「ちいかわ」が大好きなんだそうです。『ちいかわ なんか小さくてかわいいやつ』。言わずと知れたナガノ氏のマンガ作品で、その登場キャラクターたちは台湾でも人気があるのだそうです。私の担当する…

しまじまの旅 たびたびの旅 135 ……台湾料理の香り

かつて台湾で働いていたとき、日本から短期の出張で来た職員のなかに、食べ慣れない台湾の料理で苦労している方が少なからずいました。えー、台湾といえば食べ物がおいしくて有名なところじゃないかと思われるかもしれませんが、意外にも台湾の料理、それも…

しまじまの旅 たびたびの旅 134 ……一一重構:楊德昌

國家電影及視聽文化中心(TFAI)と台北市立美術館(TFAM)で同時開催されている、台湾の映画監督・楊德昌(エドワード・ヤン)氏の回顧展を見に行きました。若い頃、夢中になって見ていた氏の映画は、日本でもロードショー公開された『恐怖份子』、『獨立時…