インタプリタかなくぎ流

いつか役に立つことがあるかもしれません。

ラプアンカンクリのストール

フィンランド南西部、セイナヨキ(Seinäjoki*1)の北にラプア(Lapua)という小さな街があります。この街に拠点を置くテキスタイルブランド「ラプアンカンクリ(Lapuankankurit:ラプアの紡ぎ手たち)」は、シンプルかつデザイン性の高い製品で知られています。しかもマリメッコMarimekko)みたいな有名ハイブランドじゃないので、お値段もまあまあお手頃です。

そのラプアンカンクリは、ラプアの工房とアウトレットストア以外にはフィンランドの首都・ヘルシンキと、そしてなんと東京にだけ直営店を出しています。なぜ東京を選んだのかはわかりませんが、ウェブサイトにはこんな説明がありました。

Japanilaisia ja suomalaisia yhdistää samankaltainen estetiikantaju ja arvostus luontoa ja luonnonmateriaaleja kohtaan.
日本人とフィンランド人は、自然や天然素材に対する美意識と感謝の気持ちが似ています。
LAPUAN KANKURIT LIPPULAIVAMYYMÄLÄ TOKIOON LOKAKUUSSA 2019 | Lapuan Kankurit

lapuankankurit.jp
なるほど〜。なんだかうれしいです。というわけで急に寒くなりはじめた先日、表参道からキャットストリートへ抜ける裏道にある東京のお店に行って、冬用のストールを購入しました。これまでもうゆうに十年くらいは使ってきたお気に入りのストールがあったんですけど、さすがにくたびれてきて妻からは「その煮しめたみたいなの(ひどい)、そろそろ買い替えたら?」とまで言われて。

杢グレーというのか、白い糸が混じった灰色のシンプルなストールです。羊毛ですが、ちょっと麻に似たようなザックリしていて「シャリシャリ」とした風合いがあります。以前にネットで買って冬に重宝しているデンマークのブランケットと似ているなと思いました。北欧の人はこういう風合いが好きなのかしら。

qianchong.hatenablog.com

11月でも真夏日が記録されるなど、東京の冬はどんどん「暖かく」なっています。ロングコートを着るような寒い日もずいぶん減ってきましたし、もう今年の冬は薄いダウンジャケットとこのストールだけで乗り切れるかもしれません。

*1:Seinä は壁、joki は川を意味します。どうして「壁の川」という地名がついたのか、興味を持って調べてみたら、“Kysy kirjastonhoitajalta(図書館の人に聞いてみよう)”という「Yahoo!知恵袋」みたいなページ(?)があって、こんなふうに書かれていました。“Seinäjoen arvellaan saaneen nimensä sen syvää uomaa reunustavista seinistä. Alajuoksullaan joki on matalauomainen, kuten Pohjanmaan joet yleensä, mutta Seinäjoen kylän kohdalla jokea reunustavat molemmin puolin korkeat seinämät.” 読解が合っているかどうか自信がありませんが、この街を流れる川の両側に高い壁があることが街の名前の由来みたいです。