インタプリタかなくぎ流

いつか役に立つことがあるかもしれません。

雑談力

先般聞いていたBBCの「6 Minute English」にこんな会話がありました。

Do you have many friends?
Yes, I have some close friends, but maybe not as many as I’d like.
That’s interesting because often it’s women who have many friends while men find it harder to maintain strong friendships, especially as they get older. In fact, according to one recent survey, only 27% of British men say they have a least six close friends.


友だちは多いですか?
ええ、親友が何人かいますが、思っているほど多くないかもしれません。
それは興味深いですね。というのも男性は、特に年齢を重ねるにつれて強い友情を保つのが難しくなるのに対し、多くの友だちがいるのは女性であることが多いからです。 実際、最近のある調査によると、親しい友人が少なくとも 6 人いると答えた英国人男性はわずか 27% でした。

へええ、年配男性のこうした傾向は日本人だけじゃないんだ、と軽い驚きでした。きょうび、旧来的な意味での性別でこうした傾向をうんぬんすることにあまり大した意味はないかもしれませんが、それでも私みたいな男性、それも中高年の男性に仲の良い友だちが少ないというのはよく聞く話です。かく言う私だって、職場やコミュニティに知人はいても、親しいと言えるような友だちは少ない、いえ、まったくいないと言っていいと思います。

2週間ほど前の新聞に、北丸雄二氏のこんなコラムが掲載されていました。

「仲間ならばすぐにツルむが、プライドが邪魔してか新しい関係に入るのはヘタ。だから他者と垣根ができてなかなか超えられない」と。私など「ツルむ」仲間さえいないですから、北村氏に言わせれば男社会の鎧で雁字搦めになっている人間の最右翼と言えるのかもしれません。でもって、そこから一歩抜け出すためには「雑談力」が必要なのではないかと。これも頭が痛いです。たしかに私にはそうした雑談力がほとんど備わっていないように思えるからです。

かつてフリーランスで働いていた頃は、仕事の幅を広げなきゃといわゆる「異業種交流会」みたいなものに参加したこともありました。また語学の学校や趣味のサークルにもいろいろと参加しましたが、いずれの場においても、見知らぬ人との雑談が不得手な私は、結局いまに至るまで「親しい友だち」と呼べるような人間関係を築くことはできませんでした。

もう少し若い頃の私は「おばおじさん」などと言われて、女子会に「黒一点」で参加しても何のストレスも感じなかったほどの「猛者」だったのですが、そこから幾星霜、どこがどうこじれてこんな典型的中高年男性の不遇をかこつ存在になってしまったのかなあ。いまは職場の女性陣と(現在の私の職場は私以外全員女性です)きゃっきゃ言いながら仕事をしていますけど、近々雇い止めになったあとはかなり寂しいことになるかもしれません。

qianchong.hatenablog.com

というわけでまずは隗より始めよということでAmazonで「雑談力」と銘打たれた書籍をいくつか購入して読んでみたのですが(そこからかい)、ごめんなさい、どれも心には響きませんでした。ノウハウもそれなりに大切でしょうけど、やっぱり自分の内側から心がけと行動を変えていかないといけないですよね。

というわけで今日はセカンドキャリアの構築をご専門にされているキャリアコンサルタントさんとの面談に出かけてきます。以前も同じような面談に申し込んだことがあったのですが、そのときは雑談も何も、コンサルタントさんが一方的にご自分のビジネスについて語り倒し、それを拝聴しただけで終わりました。今回はうまく雑談しつつ自己開示ができるかしら。不安ですけど楽しみでもあります。