那覇空港からタイガーエア(台灣虎航)で台北に飛び、さらにユニー航空(立榮航空)で澎湖諸島に移りました。コロナ禍の前に来て以来、三年ぶりの台湾、三年ぶりの澎湖です。
早朝の那覇空港で搭乗手続きをする前に、なにか食べておこうと思ってターミナル内のフードコートに行ったら、「ポーたま」という沖縄のソウルフード(だそうです)ポーク玉子おにぎりのお店がありました。スパムとたまごを挟んだおにぎり、というか「おにぎらず」みたいなサンドで、最近は東京のファミリーマートでも売られていますよね。私、あれが大好きなんです。
一番シンプルな「ポーたま」とコーヒーで朝ごはんにしましたが、その場で作ってくれるおにぎりはとてもおいしかったです。このお店は、東京ミッドタウン八重洲にもあるそうです。今度また行ってみよう。
台北ではトランジットの時間が四時間くらいあったので、これまた三年ぶりでなにか台湾らしいものを食べよう、蚵仔麵線かしら、滷肉飯かしら、暑いから剉冰や豆花でもいいかしら……と期待に胸膨らませていたのですが、タイガーエアが到着するのが桃園空港であったことを忘れていました。松山空港と違って、こちらは国際線の発着数が桁違いに多いので、そのぶん入国審査には長蛇の列が。
結局トランジットの時間をかなり使ってしまったので、捷運(MRT)の桃園機場線で台北車站に到着したあと、駅構内の台鐵の売店で排骨便當を購入しました。懐かしいです、排骨。文字通り骨付きのいわゆるスペアリブなんですけど、日本で食べるスペアリブとはずいぶん趣が違っていて、骨はわずかで、その外側にとんかつ用の豚肉みたいに平べったくて大きな赤身がついています。それが甘辛い味付けを施されて、野菜や煮玉子と一緒にご飯の上に乗ってるの。これで80元(約360円)。私、お昼は毎日これでもいいです。
これを持って松山空港まで行きましたが、国内線のカウンターでのチェックインも、チェックイン後の荷物の託送(チェックインカウンターとは別のカウンターで行います)も長蛇の列でかなり時間がかかってしまい、結局澎湖行きの飛行機に乗り込む直前にロビーの片隅でようやくかきこむことができました。ああこのお味。内田百閒じゃないけど「前後左右の物音も聞こえなくなる程うまい」です。台湾で働いていた頃は三日と空けずに食べていた懐かしい味です。
そのあと無事澎湖の馬公空港に到着して、いつもお世話になっている民宿に落ち着いたあと、バイクで馬公市内をゆっくり走り回りました。三年経って変わっていないといえばいないけれど、よく見ると新しい建物が増えているような。しばらく走ってから、澎湖に来るたびに行っている「福台排骨麵」で排骨混沌意麵を食べました。こちらの排骨はぶつ切りのスペアリブと大根が蒸されたもので、それと「食べで」のあるワンタンが、どーんと麺の上に乗っています。
これも変わらぬお味。私は台湾人でも、ましてや澎湖にルーツのある人間でもなんでもないですけど、こうやって排骨を食べつつまるで故郷の味を噛みしめているような「ほっ」とした気持ちになっている自分を発見するのでした。