インタプリタかなくぎ流

いつか役に立つことがあるかもしれません。

2006-01-01から1年間の記事一覧

不知谷歌之

授業終了後の『論語』勉強会、今日は私が発表する番。 インターネット上から『論語』の言葉が使われている例文をいろいろピックアップしてレジュメにした。 中でも面白かったのが、“知之為知之,不知為不知(知っていることは知っている、知らないことは知ら…

通訳スクール

記念式典のスピーチを五本ほど練習。音源がないので、生徒が交代でスピーカーになり、ほかの生徒が訳す。「あみだくじ」で当たった私の担当スピーチは、宋楚瑜が2005年に大陸の黄帝陵を訪問した時のもの。“炎黃子孫不忘本,兩岸兄弟一家親”だって。わはは、…

大奥(2)

待ちに待った第二巻。 第一巻のさらに前史が語られるのだが、はは〜、よくまあここまで設定を考えたもんだ。 世にも珍しい「時代劇SF」(?)、日本のマンガはここまで到達したかと、自分の手柄なんぞじゃまるっきりないにも関わらず誰かに向かって胸を張りたく…

毎日が豆腐主義

ご飯を炊くのさえ面倒なときは豆腐を主食にするくらい、豆腐が好き。ほぼ毎日食べているといってもいいくらい。それと通訳者の遠いご先祖・大村益次郎が、適塾時代に豆腐を主食のようにしていたというエピソード*1にもこっそりあやかって。 豆腐の料理本はた…

いまどきの なべ

夕飯を作るのがとことん面倒なときは、手っ取り早く鍋にする。 最近よくやるのが、豚+野菜しゃぶ。大根やズッキーニをピーラーで幅三センチ、長さ十五センチくらいの短冊状にスライスして、豚肉の薄切りと一緒にしゃぶしゃぶ風に食べる。簡単で、野菜がいっ…

お祝いの会

友人、というより仕事のお得意さんが結婚することになり、中国語通訳関係者一同でお祝いの席を設けた。 幹事に指定されたレストランは、何とその昔勤めていた会社のすぐ真裏。かつての同僚に、しかも「立つ鳥跡を濁しまくり」で飛び出した会社の同僚に会いや…

取材

某全国紙の記者さんから取材を受ける。「おばおじさん」の生態がテーマだそうだ(爆)。 「おばおじさん」は、ベースが「おじさん」で「おばさん」テイストを醸し出している男性? それとも「おじおばさん」というべき? 「おじさんおばさん」や「おばさんお…

黒烏龍茶の歌

電車に乗っていたら、中吊り広告にサントリー『黒烏龍茶の歌』の中国語歌詞がでかでかと。 是因為“鄢烏龍”改變了我 讓我們 品嘗著 油的香濃 沒戀愛 沒有油 人生不敢想 那豈不是太無味 ……だって。わはは。“鄢烏龍”の“鄢”は日本語で「くろ」と発音するのがポイ…

技術含量

先回の出張中、アテンドしていた中国人が繰り返し使っては爆笑していた。昨年あたりから流行っている言葉のようだ。もともとは映画《天下無賊》に出てきた“最看不起你們這些打劫的,一點技術含量都沒有”というセリフがそのルーツらしい。“沒有技術含量”とか…

ワイヤーを太いものに交換。引き続き前後、上下の細かい調整をしていくのだそうだ。 抜歯した隙間を詰める以前の段階とは違って、ワイヤーにそれほど強いテンションはかかっていないようなのだが、この最終段階になってから常に微妙な鈍痛が続いている。それ…

勉強会

スクール近くの公民館へ移動して、有志による『論語』勉強会。これまでほとんど読んだことがなかったので、原文を読み、解釈を聞き、用例や日本語訳を検討しあうというのはとても楽しい。今日やったものの中にも「有名どころ」がたくさん。例えば“欲速則不達…

通訳スクール

出張中は欠席していたので、三週間ぶりのスクール。 教材は初見で臨んだ、駐中国大使のスピーチ。中国を離任するにあたって、某大学で日本語科の学生を相手に講演したものだそうだ。大きな段落ごとに音声を聞いて、まずは中国語で大づかみにサマライズ。その…

マイナーだけれど

最近見つけた、「よさげ」なアメリカワインを飲んでみた。 L’Ecole No 41 Chardonnay 2004 アメリカのワインといえばカリフォルニアしか知らなかったが、これはワシントン州のワイン。 ええっ、と驚くほど高級感あふれる香り。ふだん安いワインしか飲みつけ…

えすて?

私の髪は伸びが早い。人から「ワカメやコンブを主食にしてるんじゃないの?」と言われるくらいだ。三週間で髪が伸び放題になっていたので、家についてすぐ髪を切りに行く。 いつも行っている店のカードが「スタンプいっぱいになりました」というので、特典チ…

最後の最後で

三週間にわたる出張も今日で終了。 最後の会議が終わってほっとしていたら、「別室でちょっと打ち合わせを」と呼ばれる。これがけっこう難しい内容で、すごく緊張した。油断していると、こういう不意打ちがある。 帰りの福岡空港で食べたとんこつラーメンが…

今晩もまた夕食会に誘われたのだが、「急ぎの翻訳が入りまして……」と丁重にお断りする。いや、嘘じゃなくて本当に字幕翻訳の修正が入っていたのだ。十分で終わる程度の作業量だったけれど。 それに夕食会に出席すれば、派遣会社との契約で通訳料が発生する。…

話し好きな人たち

先週までアテンドしていたお役人たちからは、そういうことをこちらに考えさせる力があった。そういう人の通訳をするのは楽しい。もっといろいろお話を聞かせてほしいと思った。自国の文化に暑苦しいくらいの自尊心を抱いているのはご愛敬だが*1。 一方今週ア…

興味深い仕事

泊まっているホテルは昨日と同じだが、今日は隣の県までバスで移動。この会社の別の工場を視察して審査。かなりの部分が自動化された巨大な工場は、思わず通訳の仕事を忘れて見入ってしまうほど面白い。溶接やプレスや部品運びなんかをやっている無人ロボッ…

えらく違う

ベースを奏でるお笑い芸人でメジャーになった城下町にやってきた。 午前中は高速道路を一路西に向かう。今回アテンドしているお役人は、先週までと違っていかにも官僚然とした方々。中国から着いてきた会社側の通訳者は、段だら模様の金髪にローライズジーン…

小さな城下町で

いつもは夜遅くまでかかる審査が、今日はなんと午後三時頃には終了。審査チームが変わるとこうまで違うのか。こう言っちゃなんだけど、審査の内容もえらくアバウトで、中国の人治主義をこんなところでも実感。 思いがけず時間ができたので、出張に持ってきて…

三週目に突入

福沢諭吉の生まれた街にやってきた。というより、松下竜一のと言ったほうがより自分好みだが。 降り立った空港から、バスと電車を乗り継いでやってきたのだが、道中は何ともひなびた風情。鈍行電車が停まる駅舎には駅員さんが一人しかいなかったり、がらんと…

隠れ家的居酒屋

前の職場の同僚(女性二人)と、神楽坂の目立たない場所にある洋風鉄板焼き居酒屋へ行く。字幕翻訳と添削仕事が二本あって、明日の午後にはまた出張に出なきゃならない。というわけで、飲みに行く時間を確保するため、朝早く起きて怒濤の勢いで翻訳をすすめ…

まだまだ続く

二週間付き添ってきた中国側は明日帰国するので、アテンドもここまで。ちょっと名残惜しい別れがあったのち、私も新幹線で東京に戻ってきた。 来週からは別のチームが来日するため、日曜日中には飛行機で某都市へ向かわなきゃならない。ところが地方都市とい…

エンドレス

ひつまぶしとみそカツの街にやってきた。 出張が二週間にもなると、さすがに疲労がたまってくる。ホテル住まいは嫌いじゃないけれど、やっぱり非日常な生活だものね。 今週いっぱいで任務も終わり……と思っていたところ、エージェントから来週の追加任務のオ…

大当たり

富士山を間近に望む街にやってきた。海抜が高いせいか、雨が降っているせいかとても涼しくて、高原特有の空気がおいしい。 例によって仕事中はタバコの煙がむんむんだし、日中双方とも通訳の訳出を待っちゃくれないしでストレスがたまるが、夜の歓迎宴会はお…

タンゴ・冬の終わりに

二十年前に渋谷のパルコ劇場でこの芝居を見たときの衝撃といったらなかった。今でもいろいろな場面をありありと思い出せる。そんな思い出の作品が同じ蜷川幸雄演出で再演というので、チケットぴあのプレリザーブに申し込んでおいたのだが、抽選結果ははずれ…

ラストスパート

これまで抜歯した隙間を埋めるために、ぶっといワイヤーでガンガン引っ張っていたのだが、ようやく隙間も埋まったので最終調整段階へ。第四コーナーを回りかけたところだ。 ワイヤーが繊細なニッケルチタン製にかわった。これからは噛み合わせや前後の凹凸な…

折り返し

金曜日は仕事が夜遅くにまでずれ込んでしまったので、結局新幹線の最終に乗りそこねた。一晩泊まって土曜日の午前中に帰京。で、本当は日曜日中にまた戻る予定だったのだが、クライアントの都合が変わって月曜日の午前中に合流すればよいことになった。

先生と呼ばれるほどの……

お城があって市電の走る街にやってきた。 今回はとある製品の査察官にくっついて通訳をしている。査察だから、その結果として合格・不合格がある。査察官はいわば生殺与奪の権利を握っているわけで、いきおい迎える日本側はかなりな低姿勢に。それは分かるの…

早くも山場

今日はこの街の超巨大企業で責任者が勢揃いする会議。今回の出張で一番緊張するであろう局面が、早くも二日目にして巡ってきた。しかも関連資料は当日の朝手渡されるといういつもながらの展開。加えて、上海から中国側にアテンドしてきたこの会社の社員(日…